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プロテインとBCAAの摂取方法と活用法について

島袋 好一
最終更新日:2021.02.04
島袋 好一
トレーナー(寄稿)

近年は空前絶後のフィットネスブームだとか……。

筋トレという自己研鑽によって築き上げられた健康美や筋肉美を競うフィギア競技も、さまざまなカテゴリーで開催されています。またそういった特別な競技に参加する方だけでなく、自身の健康や体型管理、アンチエイジングといった目的で手軽に筋トレを実践する方も後を絶たちません。

当然、筋トレとの相乗効果を目論み、効率のよい栄養(タンパク質)補給の必須アイテムとして、プロテインやBCAAなどを愛飲されている方も数多くいらっしゃるハズ。

とにもかくにも摂るには摂ってみたものの、「いつ、どのように」摂ればよいのか詳しくはわからない……。今回のコラムはそんな方に向けたお話です。

プロテインとBCAAの摂取方法

プロテインとBCAAの摂取方法

最もみなさんに摂取されているプロテインは、牛乳や大豆を主原料に生成され、豊富なタンパク質を含むプロテインパウダーではないでしょうか?

コスパ優先で考えれば、プロテインパウダーがナンバーワン。けれどもプロテインパウダーは持ち運びやシェイカーの洗浄などがやや面倒。

近年は、愛飲者の増加にともない利便性が重宝されています。ペットボトルやブリックパックの1回飲み切り型や、はたまたチョコやアイス、ヨーグルト、スナック菓子に添加された製品など多岐に渡ります。

一方BCAAとは、必須アミノ酸の中でも構造上の特徴から、側鎖に枝分かれした構造をもつ3つのアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)のことです。この3つを総称し、BCAA(分岐鎖アミノ酸:Branched Chain Amino Acids)と呼び、種々の天然のアミノ酸から抽出・分離することが可能なアミノ酸です。

近年では穀物を土壌に微生物を使ったバイオテクノロジーによっても生産され、パウダー状や飲料に含まれたものが数多く市場に流通しています。

双方ともに元をただせば肉や魚または卵、乳製品、豆類などの食品に多く含まれています。これらの食品を3度の食事で意識的にバランスよく摂っていれば、おのずと一定量を確保できるでしょう。

しかしながら忙しいビジネスマンや小食の女性。あるいは一人暮らしの学生さんや日々ハードな筋力トレーニングやスポーツをおこなうヒトなどなど……。「いつ、どのように?」はヒトそれぞれ……。

以下、ご自身の環境や生活シーンにあわせたプロテインやBCAAの活用事例をいくつかご紹介します。

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プロテインの活用法

プロテインの活用法

1. 日々の食事が不規則で栄養バランスの悪い方

日々の食事が不規則で栄養素の摂取バランスが悪く、「タンパク質」の摂取がままならない。プロテインを摂取することで「タンパク質」の1日の必要量を確保することが目的の方。

「独身・一人暮らし・日々多忙・好き嫌い・小食」など、さまざまな条件で日々のタンパク質必要量を満たせず栄養バランスがうまく整わない方には、プロテインの摂取は非常に効果的です。

麺類やおにぎりといった炭水化物のみの食事にプロテインを加えれば栄養バランスを大きく改善できます。

2. 体重増加が気になるのに甘いものがやめられない方

イギリスのオックスフォード大学、シンプソン博士が2005年に提唱した「プロテインレバレッジの仮説」をご存知でしょうか?

「食欲とタンパク質摂取量は逆相関関係」にあるというもので、平たくいうとタンパク質をしっかり摂取すると食欲は抑制され、逆に摂取量が少ないと過食の傾向が強くなるというものです。その当時仮説とされていたものが近年の多くの研究により、タンパク質を摂取することで食欲を抑制する働きがあるホルモン(GLP-1、CKK、PYY)が消化管から分泌されることがわかっています。

ここで海外のおもしろい研究報告をご紹介します。夕食前の間食に同カロリー数の高タンパクのヨーグルトスナックと、チョコレートやクラッカーを摂取した人とを比較しました。すると高タンパクのヨーグルトスナックを摂取した人のほうが、夕食で摂取するカロリー数が少なくなる傾向にあったと明らかになったのです。

つまり何気ない午後のひとときに摂る食品の選択が、夕食の摂取カロリー増減の影響を示唆しています。

体重が気になるのになかなか甘いものがやめらないという方は、小腹が空いたときに「プロテイン」を摂取すれば、1日のトータル摂取カロリーを低く押さえられるかもしれません。近年は各メーカーともに多種多様のフレーバーを準備しているため、きっとアナタ好みのフレーバーを見つけられるハズです。

3. 筋肉量の増加を目指す方

筋肉量の増加を目指す方の場合、筋肉の材料であるタンパク質の摂取不足は分解作用を促進し筋量の減少につながる可能性が高くなります。炭水化物や脂質の摂取量を調整しながら、体格に見合ったタンパク質の必要量を確保せねばなりません。

食事でタンパク質不足になりがちな方は食事に添加。体格が大きく、3度の食事だけでは必要量を満たせない方は、補食や間食でプロテインを活用すれば必要量を容易に補えます。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、18歳以上の健康な成人の1日におけるタンパク質摂取推奨量は男性60~65g、女性は50g。この推奨量は人体が成体となり骨格形成を終え、その体型を維持するための標準的な体格が指標となっています。

カラダの大きい方と小さい方、日々の生活で積極的に筋トレをおこなっている方とそうでない方を比較すれば、当然前者の必要量が増すのは言うまでもありません。多くの知見から総合的な判断をすると、日々スポーツや筋トレをおこなっている方の推奨量は、体重1㎏あたり1.4~2.0g。1回の食事では体重1㎏あたり0.25/g 程度。

この3つの指標から必要量の目安を算出すると、日本人成人男性のおおよその平均体重65kgを基準とすれば下限値60g、上限値が130gになります。

体格や筋トレの実施状況をもとに数値を算出しておけば、タンパク質とプロテイン摂取のタイミングと回数をより具体的に考えられます。

BCAAの活用法

BCAAの活用法

食物から摂取したタンパク質がアミノ酸に分解される過程で、多くのアミノ酸が肝臓の酵素で代謝されます。それに対してBCAAは、肝臓をすり抜け筋肉に運ばれ、筋肉にある酵素によって代謝されるというほかのアミノ酸とは異なる性質を持つのです。

筋力トレーニングやスポーツをおこなっているときは、筋肉が活発に動きます。それに伴いBCAAの代謝酵素が活性化し、BCAAをどんどん分解しようとする作用が高まります。ゆえに体内の血中BCAA濃度が充分でなければ、筋肉中のBCAAの分解が促進されてしまうのです。

事前に食事やプロテイン、BCAAパウダーからBCAAを積極的に補給しておけば、筋分解を抑制できるのです。加えて、分解から合成への切り替えをおこなうスイッチのような役割(BCAAの中でも、とくにロイシン)も担っています。

前述した筋肉中のBCAAの分解は、筋トレやスポーツ時における糖、脂質由来のエネルギー不足を解消するための防衛反応といえます。

普段の食事で必要なエネルギーとタンパク質を摂取し、適度な運動刺激であれば、極度に分解作用が高まることはありません。日々ハードなスポーツや筋トレ、長期的なダイエットなどで食事制限をおこなうと、糖質や脂質由来のエネルギー不足に陥る可能性が高くなります。

人体には緊急状態に追い込まれると、筋肉中のBCAAを分解し、エネルギーを作り出す機能が備わっています。

柔道やボクシングなどの階級別スポーツや、ボディビルディングのように筋肉美を争うフィギア競技では、「いかにして余分な脂肪を削ぎ落し、筋肉を残すか?」が勝利の分かれ目。摂取カロリーを調整しながら、BCAAを豊富に含む食品を積極的に摂ることによって、筋分解の抑止力となるのです。

特異的なスポーツに限らずとも、一般的なヒトの加齢にともなう筋量の低下を停滞、逓減させる効果も期待できます。

いずれの役割においても、筋肉の構成や活動に大きく関わっているのがおわかりいただけたのではないでしょうか?以上のことから、BCAAの主な活用法を要約すると、

  1. 筋肉の分解を抑制するために、筋トレ前やスポーツをおこなう前の摂取
  2. 食事や筋トレ後に摂取すれば、筋合成を促すための摂取
  3. ダイエットや食事制限時の緊急時にエネルギーを供給するための摂取

となります。

まとめ

今回のコラムでは、みなさんにお馴染みのプロテインとBCAAを「いつ、どんな風に?」摂取すればよいかについて解説しました。

多くのヒトが摂取している食品も「なんだかカラダに良さそうだ!!」と、なんとなくの摂取では少しもったいない気がします。

今回のコラムを参考に、ご自身の食生活やライフシーンにあわせてうまくご活用ください。

参考文献

Bekelman, T. A., Santamaría‐Ulloa, C., Dufour, D. L., Marín‐Arias, L., & Dengo, A. L. (2017). Using the protein leverage hypothesis to understand socioeconomic variation in obesity. American Journal of Human Biology, 29(3), e22953.

Ortinau, L. C., Hoertel, H. A., Douglas, S. M., & Leidy, H. J. (2014). Effects of high-protein vs. high-fat snacks on appetite control, satiety, and eating initiation in healthy women. Nutrition journal, 13(1), 1-5.

細見英里子. 食欲および胃排出能に対するペプチド YY とコレシストキニンの相互作用について.

厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版).

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島袋 好一 トレーナー(寄稿)
この記事を書いた人
島袋 好一
トレーナー(寄稿)

トレーナー。体育学修士、JATI-AATI(上級トレーニング指導者)保有。トレーニング歴は30年にも及ぶ。「知識と実践の融合」、「担がざるもの教えるべからず」を最大のテーマに日々のセッションに対峙。専門学校講師時代は最大年間1000時間以上の座学、実技の講義及び運動指導者資格の対策講座を担当。

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