その他ボクシング
2017.03.30

なぜプロがオリンピックボクシングに出場しないのか?│五輪ボクシングの歴史と意味合いを分かりやすく解説

プロはなぜ五輪ボクシング出場をためらうのか?

こんにちは、GronGブログ編集部です。
本日はボクシング経験者ライターさんの寄稿記事です。
以前の記事はこちら

よろしくお願いします。

アマチュアボクシング最大の目標がオリンピック


3年後に迫った東京五輪はアマチュアボクサーにとって最大の目標です。
少し前まではお家芸と呼ばれる柔道や体操、レスリング等に比べると注目を集めることは少なかったですが、2012年のロンドン五輪ミドル級で村田諒太が金メダルを獲得して風向きが変わりました。
日本人選手として48年ぶりのボクシング金メダルだったのです。
現在、夢の舞台を目指して、元東洋太平洋フェザー級王者を父に持つ松本圭佑(みなと総合高校)ら有望選手がトレーニングに励んでいます。

五輪ボクシングの歴史


五輪でのボクシング競技は1904年のセントルイス大会から実施されており、歴史ある競技です。
現在は体重別に10階級あり、2012年ロンドン大会からは女子も3階級で実施されるようになりました。
2016年リオデジャネイロ五輪からプロの出場も解禁されましたが、今のところ実際に出場に意欲を示すプロボクサーはいません。
アマチュアは3ラウンド制でルールも違うため、リスクを冒してまで金銭的な見返りのない試合に出るメリットは少なく、現状はやはりアマチュアの祭典という位置付けです。

プロボクサーとオリンピック

当然ながらアマチュアはファイトマネーをもらえません。
プロが金銭的な見返りもないアマの試合に出るとしたら、モチベーションは「名誉欲」以外にないでしょう。
金メダルがチャンピオンベルトと同等の魅力を持つかどうかは個人の価値観にもよりますが、プロの世界王者クラスがアマチュア選手に負けて評価を落とすリスクを考えると、五輪を目指すことに躊躇するプロの方が圧倒的に多いでしょう。
プロがアマに負けるはずはないだろう、と思われるかも知れませんが、ボクシングでは十分にあり得る話です。
例えば野球やサッカーなら叩き上げのプロはいません。
必ず学生時代のクラブ活動などアマチュアでプレーしてからプロになります。
つまりレベル的にアマチュアの上にプロが位置しています。
しかし、ボクシングではアマ経験なしでプロになるボクサーはたくさんいます。
ジムでトレーニングし、プロテストに受かればプロボクサーです。
芸能人でも片岡鶴太郎さんらプロライセンスを保持する人は少なくありません。
最もプロになるのが簡単なスポーツ」とも言われています。
逆にロシアやキューバなど社会主義国にはアマチュアの猛者がゴロゴロいます。
最近は渡米してプロになる例も増えてきましたが、プロの世界王者でもトップアマに負ける可能性は十分にあるのです。

日本ボクサーとオリンピック


日本のボクサーで初めて五輪メダルを獲得したのは1960年のローマ五輪に出場した田辺清選手です。
フライ級で銅メダルに輝き、プロ転向後もノンタイトル戦で世界王者を倒すなど破竹の快進撃を続けましたが、右目に網膜剥離を発症。
22勝(5KO)1分けと無敗のまま引退を余儀なくされました。
続く1964年東京大会ではバンタム級の桜井孝雄が金メダルを獲得。
高校時代にインターハイ優勝、中央大学時代は全日本選手権優勝とエリート街道を歩み、アマチュア通算戦績は実に138勝 (45KO・RSC) 13敗という立派なものでした。
五輪後はプロのジムが争奪戦を繰り広げ、当時としては破格の契約金500万円で1965年にデビュー。
1968年には世界バンタム級王座に挑みましたが、判定負けを喫しました。
「安全運転」と揶揄されたディフェンシブなスタイルで人気は高まらず、プロ通算30勝(4KO)2敗の戦績が示す通り、KO率の低さが災いしました。
1968年のメキシコ大会では森岡栄治がバンタム級で銅メダル。
森岡は大阪・浪商高から近大と関西の名門を歩みましたが、五輪後は東京の高橋ジムからプロ転向しました。
タイトル獲得はならず、田辺と同じく網膜剥離を発症して引退後は、大阪に戻って森岡ボクシングジムを設立。
西日本ボクシング協会会長や近大ボクシング部OB会長等、要職を歴任しました。
その後、アマチュアボクシング界は低迷期に入り、国内での注目度は下がる一方でした。
そんな状況下で救世主のように出現したのが、先述した2012年ロンドン大会の村田諒太であり、バンタム級で銅メダルを獲得した清水聡なのです。
2008年の北京大会に続いて2大会連続出場だった清水は、2回戦で相手を6度も倒しながらレフェリーが1度もカウントを取らずに判定負けとなったものの、抗議が認められて逆に清水のRSC勝ちに覆るというハプニングもありました。
準決勝で英国人選手に敗れましたが、森岡以来、日本人として44年ぶりの五輪メダルとなりました。
その後はメダル紛失騒動を起こしたり、リオ五輪出場を目指したものの代表選考会で敗れるなど紆余曲折を経て、昨年、30歳でプロ転向。
現在、2連続KO勝ちをマークしており、プロでも世界一を目指しています。
一方の村田はミドル級という重量級で日本人48年ぶりの金メダルに輝いたことから、「アスリートイメージ評価調査」でロンドン五輪で期待以上の成績だったと思う選手の1位に選ばれるなど、一躍“時の人”となりました。
2013年のプロ転向初戦では、いきなり現役の東洋太平洋ミドル級王者を2回KOする衝撃デビューを飾って実力を証明。
その後も12連勝(9KO)で世界ランクも2位まで上がっており(3月18日現在)、日本人史上初の「プロ・アマともに世界一」という快挙に近付いています。
ちなみに海外では五輪で金メダルを獲得してプロでも世界王座に就いた例は多数あります。
ローマ大会ライトヘビー級金メダリストのカシアス・クレイ(米国)はプロ転向後、モハメド・アリに改名して歴史に名を残し、そのアリとライバルとして戦ったジョー・フレージャー(米国)は東京大会のヘビー級金メダリストです。
「モハメド・アリ」の7つの名言┃史上最強の伝説のボクサー
アリに“キンシャサの奇跡”で敗れたジョージ・フォアマン(米国)はメキシコ大会ヘビー級で金メダルを獲得しています。
ここを見て!ボクシング観戦の3つの楽しみ方│テレビの前でポイントをつけよう!
1976年モントリオール大会ライトウェルター級優勝のレイ・レナード(米国)はプロで5階級制覇、ソウル大会スーパーヘビー級金メダルのレノックス・ルイス(カナダ)は、プロのリングであのマイク・タイソンを倒しました。
アトランタ大会スーパーヘビー級金メダリストのウラジミール・クリチコ(ウクライナ)はプロ転向後、IBF世界ヘビー級王座を18度も防衛しました。
村田は彼らに続く夢物語を歩んでいる最中です。
現在、プロの世界王者として活躍している井上尚弥や井岡一翔らはアマチュア時代に五輪出場を目指しましたが、選考会で敗れてプロ転向した経緯があります。
WBA、WBC、IBF、WBOと統括団体が乱立しているプロで世界王者になるより、4年に一度しかなく階級も少ない五輪で金メダルを獲る方が難しいという見方もあります。
五輪でのメダルはそれくらい価値の高いものなのです。

おわりに

興行であるプロのリングは、入場料を払ってくれる客を満足させるような相手で、なおかつ自陣の選手が負けることのない相手、つまり強すぎず弱すぎない相手を選ぶことが可能ですが、アマチュアは相手を選べません。
プロの世界では勝てる相手を選んで防衛を重ね、批判を浴びる世界王者もいますが、アマは同じ階級にいるライバルたちに勝つしかメダルを獲得する方はないのです。
それがアマチュアの魅力であり、五輪メダルの価値を高めています。
ロゴ
2020年の東京五輪ではどんなスターが誕生するでしょうか。
松本圭佑以外にも、リオ五輪に出場した成松大介(自衛隊体育学校)や双子ボクサーの沖島翼、輝(ともに駒大)ら有望選手がたくさんいます。
女子も南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代選手が、ロンドン五輪を目指した頃から底辺が拡大しており、元キックボクシング世界女王の松田玲奈や“浪速のロッキー”赤井英和氏の指導を受ける河野沙捺(近大)らが注目を集めています。
彼、彼女らが檜舞台でどんな活躍をし、さらにその後、どんなストーリーを紡いでくれるのか、今から楽しみです。

■関連商品はこちら

これさえあれば、自宅がジムに。

チンニング(懸垂)、レッグレイズ、ディップス、プッシュアップといったトレーニングに最適です。

ぶらさがり健康器

販売価格:13800円(税込)

腕立てのその先へ

しっかり握ることができるグリップ構造やフローリングでも滑りにくい4点滑り止めなど細かい点まで工夫がなされたプッシュアップバーです。

プッシュアップバー

販売価格:1280円(税込)

厚手で耐久性に優れたパンチングミット

打撃面はパンチをしっかりと受け止める曲線フォルムを採用しています。
ボクシングの練習はもちろん、エクササイズ(ボクササイズ)やストレス解消などにもご使用いただけます。
本製品は左右(両手)セットになります。

パンチングミット

販売価格:1280円(税込)
なぜプロがオリンピックボクシングに出場しないのか?│五輪ボクシングの歴史と意味合いを分かりやすく解説
グロング(GronG)編集部 グロング(GronG)編集部です。 スポーツ・トレーニング・エクササイズ・ダイエット・健康関連用品の商品情報を発信しています。
■関連記事一覧

東京で木陰に囲まれた玉川上水ランニング・ウォーキングコース4選!│文学と自然を体感

初夏からはじめられる玉川上水のランニングコースをご紹介 初夏からランニングをはじめるには、少しでも直射日光を避けることが大切になります。

ウォーキングその他ランニング

「ハカ」(はか)って知ってる?│ラグビー代表が試合前に行う最強モチベーションアップ術

ハカ(はか)とは? ハカ(はか)は、ニュージーランドのマオリ族の民族舞踊で「Maori War Cry」とも呼ばれています。 マ

ストレス解消その他メンタルコントロール集中力アップ

練馬区&板橋区のおすすめジョギングコースは城北中央公園だ!

城北中央公園 今回は、練馬区と板橋区にまたがる城北中央公園のジョギングコースをご紹介します。 この公園は23区北部では最大の運動公園

その他ランニング

発表します。東京で開催される大注目のスポーツイベント10選!

東京のスポーツイベントをまとめました 【東京アスリート認定制度】Pick Up!記事を更新しました。第12回目は【オリンピックを目指す選手

その他

まるでカープ女子!(女性から見た)観戦者としての野球の魅力

テレビから聞こえてくるトランペットの音、リズミカルな音を放つメガホン、人々の歓声…。 プロ野球に興味がなくとも、テレビから流れるあの熱狂は

その他

東京都板橋区のリラックスできるおすすめランニング・ジョギングコース

東京板橋区のランニング・ジョギングコース この地域には一級河川の1つ、石神井川が流れています。 川の両サイドが遊歩道で桜並木になっていま

その他ランニング

大阪健康スポット13選!│多機能公園・健康カフェ・サロンを中心に

大阪の健康スポットをご紹介 木々の緑が萌えはじめ、肌に感じる日の光や風も柔らかな今日この頃、1年で最も心地の良いこのシーズンに外出しない手

その他

浅田真央の名言Ⅰ~愛され続ける真央語録~

浅田真央さんとは フィギュアスケートのGPシリーズ初戦となるスケートアメリカが開幕。女子SPはGPデビュー戦となる三原舞依選手が65・75

その他名言

バレエを始めるにあたって│教室に通うべき理由と教室の選び方

<教室に通うべき?> バレエを始めるとして、何も知らずに独学でやるというのはとても難しく、また危険なことです。 動画の配信や

その他バレエ

オリンピック追加種目に決定!「リードクライミング」のルールと5つの魅力をご紹介

リードクライミングとは? 2020年のオリンピックの正式種目に決定したスポーツクライミング。 その中でもロープを付けて高い壁を登るリ

その他