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食物繊維は下痢に有効か?食物繊維と便の関係について解説

坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士
最終更新日:2020.10.30

「お通じのために食物繊維を摂りましょう」というけれど、積極的に食べはじめたら便秘や下痢になった方もいらっしゃるでしょう。一方で、不足してもお腹の調子が……なんてこともありますよね?

食物繊維は便通にいいのか?それとも下痢や便秘の要因となるのか?はたしてどうなのでしょうか?

今回は、食物繊維と便の関係について詳しく解説します。

食物繊維と便の関係

食物繊維と便の関係

お通じのために食物繊維を積極的に取り入れている方も多いでしょう。しかしながらかえって便秘や下痢になったなんて声もチラホラ。

「日本人の食事摂取基準」によると食物繊維の摂取量は、成人男性では21g以上、成人女性では18g以上が望ましいとされています[1]。といわれても、足りているのか?不足しているのか?判断は難しいですよね?

そこでひとつのバロメーターとなるのが便です。人間の腸は栄養素の吸収や有害物質の排泄、免疫系のコントロールなどさまざまな働きをしています。腸の状態が悪いと栄養素の吸収能力が低下、疲れやすくなったりなど支障をきたしてしまいます。

逆をいえば腸の状態がよければ、栄養素が全身にしっかり供給され、お肌が艶々になったり、病気になりにくいというわけです。

便の状態

それではどのような便が健康の証なのでしょうか?

健康的な便とは「黄色っぽく、柔らかなバナナ」のような状態。図のピンク色の範囲に含まれる便が毎日出ているのであれば、腸は綺麗で食物繊維の不足や過剰がないと判断できるでしょう。

しかしながら、なんらかの影響で腸内環境が崩れていると、黒っぽい硬い便や水っぽい便になってしまうのです。

では腸内環境が整っているとはどのような状態なのでしょうか?

便の種類

腸内環境と腸内細菌

人間の腸には、約100兆個以上の腸内細菌が存在しています。腸内細菌には善玉菌や悪玉菌、日和見菌があり、健康な人であれば「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」のバランスで保たれているといわれています。

腸内環境がよいとは悪玉菌や善玉菌、日和見菌のバランスが維持されている状態のこと。少なくとも「黄色っぽく、柔らかなバナナ状」のお通じなら腸内環境がよいといえるでしょう。

では腸内環境が崩れている便はどのような状態なのでしょうか?見極めるポイントは2つあります。

1つ目は便の水分量。便の水分量が少なければ、硬い便になりますし、多ければ下痢になります。

2つ目は便の色。腸内で悪い働きをする悪玉菌はアルカリ性に強く、酸性に弱いのが特徴。腸内環境がアルカリに傾いていると便は黒っぽくなり、酸性に傾いていると黄色っぽくなります。

たとえば肉ばかり食べていると黒っぽい便になり、悪玉菌が増えているサイン。オリゴ糖や食物繊維、乳酸菌などを積極的に取り入れて腸内を酸性に傾けることがポイントでしょう。

食物繊維が腸内細菌によって分解される過程で、酢酸や短鎖脂肪酸といった腸でよい働きをする物質が作られ腸内で活躍しています。このことから腸を綺麗にする栄養素として食物繊維が推奨されているではないでしょうか。

下痢の原因

下痢の原因

食べ物は胃と腸で消化されます。消化された栄養素は腸で吸収され、血液を介して全身に運ばれます。一部の不要な栄養素や食物繊維は、腸を移動しながら便として排泄。

腸は栄養素の吸収の他、水分の吸収をおこなう重要な臓器でもあります。腸では口から飲んだ水分と消化液合わせて1日に9Lもの水分を吸収しています。ところがなんらかの原因で腸の働きが低下している場合、水分の吸収がうまくいかずに下痢になってしまうのです。

急性下痢の原因

急に起こり、比較的短時間で治るのが「急性下痢」です。急性下痢には下記のような原因が考えられます。

など……。

食あたりで腸液の分泌が増えたり、消化不良で食べ物が消化されないまま通過すると、浸透圧の影響で腸内に多量の水分が流れ込み、水分の吸収が間に合わず下痢になります。

慢性下痢の原因

「慢性下痢」とは、クローン病や潰瘍性大腸炎など腸の炎症によって腸液の分泌が増えたり、水分の吸収力が低下して起こる下痢のことです。慢性下痢の大半は過敏性腸症候群(IBS)が要因とされています。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS:Irritable bowel syndrome)は、便秘や下痢、お腹の張りなどが症状として現れ、日本人では10人に1人いる病気です。

残念ながらメカニズムについていくつかの要因は挙げられているものの、はっきりとした原因はわかっていません。症状や原因が人それぞれ異なり、バランスのよい食事や睡眠、休養など生活習慣の改善が重要といわれています。

そんな中、いくつかの研究で症状が軽減すると注目されているのが「低FODMAP食」です。はじめて聞いたという方も多いのではないでしょうか。それでは「FODMAP」とは一体なんなのでしょうか?

FODMAP

FODMAP

FODMAP(フォドマップ)とは食物繊維など発酵性の消化されにくい糖のことです。

FODMAP(フォドマップ)

F:fermentable(発酵性)※フルクタンやガラクタンなどの食物繊維
O:oligosacharides(オリゴ糖)
D:disaccharides(二糖類)※乳製品(牛乳・ヨーグルトなど)に含まれる乳糖
M:monosaccharides(単糖類)※果物やはちみつに含まれる果糖 
A:and
P:polyols(ポリオール)※キシリトールなどの糖アルコール

お気づきでしょうか?腸のためによかれと思って食べていたオリゴ糖や食物繊維が、過敏性腸症候群を引き起こしているかもしれないのです。「低FODMAP」を心がけることで症状が軽減するという報告されています[2]

FODMAPを多く含む食品は、玉ねぎやアスパラガスなどの野菜や大豆食品、乳製品、果物です。その他サプリメントなどで過剰に摂取している場合も注意が必要かもしれません。

これらの食材をすべて取り除くこはなかなか困難ですし、食べたからといって必ず症状が起こるわけでもありません。個人差もあるのでご自身の腸と相談しながら取り入れるとよいでしょう。

別の研究では食物繊維を増加することで、便秘には有効であったとう報告もあります[3]

まとめ

食物繊維が腸内でよい働きをしていることは、おわかりいただけたでしょうか。食物繊維は健康な身体づくりに欠かせない栄養素といえるでしょう。

ただし中には、一部の食物繊維が合わず下痢や便秘を起こす場合があるかもしれません。その場合は、今回ご紹介した「低FODMAP」を試すのもひとつの手段でしょう。

日頃から便をチェックし、ご自身の腸と相談しながら食物繊維を活用していけるといいですね。

参考文献

1. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

2. Halmos, E. P., Power, V. A., Shepherd, S. J., Gibson, P. R., & Muir, J. G. (2014). A diet low in           FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome. Gastroenterology, 146(1), 67-75.

3. Bijkerk, C. J., Muris, J. W. M., Knottnerus, J. A., Hoes, A. W., & De Wit, N. J. (2004). Systematic review: the role of different types of fibre in the treatment of irritable bowel syndrome. Alimentary pharmacology & therapeutics, 19(3), 245-251.

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普段の食事で「食物繊維」は満足に足りていますか?

厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、食物繊維の理想的な目標量は成人では24g/日以上とされています。しかしながら、現代の日本人の食物繊維摂取量は極めて少なく、目標量に到達していない現状です。
昨今、重要な栄養素と考えられている食物繊維の摂取は、手軽に効率的に摂取できる「サプリメント」がおススメです。

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坂口 真由香 グロング専属 管理栄養士
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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