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レジスタントスターチとは?期待できる効果と多く含まれる食品について

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2020.06.12

近年、健康・ダイエットブームが巻き起こり、低糖質ダイエットが注目されており、米飯などの主食を避ける声を多く耳にします。

確かに、食べ過ぎると体重増加や血糖値の上昇を招く恐れがあります。しかし本当に米飯などに含まれるブドウ糖が問題なのでしょうか?

そもそも人間の主なエネルギー源は「ブドウ糖」です。中でも脳は1日に100~130gのブドウ糖を消費するといわれており、人間はブドウ糖を摂取しなければ生きてはいけません。そしてこのブドウ糖がいくつか結合したものが「デンプン」です。

それではこのデンプンの一種である「レジスタントスターチ」をご存知でしょうか?デンプンにも関わらず、食物繊維に似たメリットが期待できるとして、近年注目されています。

こちらの記事では、話題の栄養素「レジスタントスターチ」について詳しく解説していきます。

レジスタントスターチとは

従来、デンプンは小腸で完全に消化されると考えられてきました。

しかし1980年頃、デンプンの一部が消化されずに大腸に運ばれることが明らかとなり、こうしたデンプンを「レジスタントスターチ」と命名しました。つまり「小腸で消化吸収されずに食物繊維と似た働きをするデンプン」を、「レジスタントスターチ」とよんでいます。

レジスタントスターチは、

  • パスタ
  • ジャガイモ
  • バナナ

など普段主食として摂取している食品に多く含まれています。また海外では、健康目的にハンバーガーなどにも添加されていることがあります。

レジスタントスターチに期待できるメリット

レジスタントスターチに期待できる効果

腸まで届いてすっきり習慣

レジスタントスターチを摂取すると、食物繊維と同様にすっきり生活に有用であるという報告があります。

またレジスタントスターチが大腸で消化されると、短鎖脂肪酸(SCFA)が生成。特に短鎖脂肪酸の一つである「酪酸」は、エネルギー源であり、体内で重要な働きをしています。「酪酸」はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が好む酸性であり[1]、そのことによって、すっきり生活の期待ができるといわれています。

腹持ちがよい

レジスタントスターチを含む食品は、腹持ちが良く食事摂取量が減少するという報告があります[2]

GI値も低く抑えるため、食べることが好きな方には有用であるという報告もあります[3]

このことから、食事量が減ることによる体重減少や、ダイエット中の食事として期待できると注目されているのではないでしょうか。

温度によるレジスタントスターチの変化

温度によるレジスタントスターチの変化

最近、「冷たいごはんの方が、GI値が低く、健康に良い」などのワードをよく耳にしませんか?これはレジスタントスターチの温度変化に着目しています。

レジスタントスターチは加熱することで構造が変化し消化されやすく、冷めると再び消化されにくい構造に変化。つまり「冷めているほうがレジスタントスターチが豊富」であることを意味します。

このことから、近年メディアや雑誌で注目されているのではないでしょうか。

確かに、温かい米飯に比べて冷たいおにぎりの方が、レジスタントスターチが多く含まれています。米飯に限らず穀類・芋類でも同じような現象が起こりますので、ポテトサラダや山芋を生で食べることは、レジスタントスターチを豊富に摂取する意味ではおすすめです。

ただしレジスタントスターチが多く含まれているだけで、ブドウ糖が減ったわけではありません。食べ過ぎには注意が必要です。

まとめ

このように普段摂取しているごはんやパン、芋類などの主食には、ブドウ糖以外にレジスタントスターチなど、健康を維持するうえで重要な栄養素が豊富に含まれています。

極端な低糖質ダイエットではなく、身体に必要なブドウ糖を摂取しながら、レジスタントスターチの働きに期待してすっきり習慣を手に入れられれば一石二鳥ではないでしょうか。

参考文献

1. Litvak, Y., Byndloss, M. X., & Bäumler, A. J. (2018). Colonocyte metabolism shapes the gut microbiota. Science, 362(6418), eaat9076.

2. Nilsson, A. C., Ostman, E. M., Holst, J. J., & Björck, I. M. (2008). Including indigestible carbohydrates in the evening meal of healthy subjects improves glucose tolerance, lowers inflammatory markers, and increases satiety after a subsequent standardized breakfast. The Journal of nutrition, 138(4), 732-739.

3. 後藤勝. (2014). レジスタントスターチの開発. 日本家政学会誌, 65(4), 197-202.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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