WRITER
島袋 好一
トレーナー(寄稿)
最終更新日:2018.12.04
こんにちは、GronG TEAM GEARの島袋です。
今回は、「高齢者がバランス能力を改善するために知っておいてほしいこと」についてお話をします。
前回の記事「高齢者におけるバランストレーニングの意義」の続きとなります。
10月10日、晴れ晴れとした3連休最後の体育の日。皆さんはどのように過ごされましたか?全国津々浦々、至る所で体育の日にちなんだスポーツイベントが目白押しでしたね。
各市町村主催の「体力測定」にも多数の方がご参加されたかと思います。中高年層の方の測定結果はいかがだったでしょうか?
「まだまだ俺も捨てたもんじゃない」と自信を回復された方、及第点の評価にホッと胸を撫で下ろした方、「あら、こんなハズじゃ……」と落胆された方と、まさに悲喜こもごもの感想を持たれたのではないでしょうか?
私の前回のコラム(高齢者におけるバランストレーニングの意義)では、様々な体力要素の中で今注目されている「バランス能力」と現代社会が取り巻く環境について解説いたしました。少し大袈裟かも知れませんが、多くの高齢者が高い水準でこの体力要素を維持していくことは、加速度的に脆弱になりゆく社会保障を支えるリーサルウエポンになりうるといっても過言ではないと、個人的には思っています。
そこでその能力を確認するための簡単なテストを行ってみましょう。
方法や評価はこちらをご参照ください。
※外部サイトに遷移します
皆さまも一度は経験したことがあるテストだと思いますが、大切なのは結果に一喜一憂することではなく、その結果を踏まえて改善に取り組むことです。
前回のコラムでは、筋力や全身持久力などと違い、これまであまり重要視されることのなかった「バランス能力」にスポットライトを当てましたが、本来あらゆる体力要素は相互関係によって成り立っています。
例を挙げるなら食事とよく似ているかも知れません。いくら牛肉が健康に良いからといって毎日三食そればかり食べていたら、当然体に支障をきたしてしまいます。野菜や海藻、キノコ類などバランス良く摂ることが大切ですよね。
体力要素も栄養と同じように多くの体力要素が均等に改善、維持できるように取り組むべきです。
若いころはそれに気づかず、日常生活の中に落とし込まれ習慣化した運動によって体力要素を形成していてもさほど問題はありません。解説はかなり乱暴ですが、一つの要素を強化しておけばそれによって他の体力要素もそれなりの向上が期待できます。
加えて特化して鍛えられた体力要素は著しく向上し、特化していた体力要素の運動機会が激減しても、著しく低下するのはその体力要素のみです。
図を使って示すとこんな感じです。
ところが高齢者層だとその経過に違った特色を見せます。
同じように図を使って示すとこんな感じです。
2つの図を対比させてご覧いただくとよりわかりやすいですね。
ニワトリと卵の理論ではないですが、どれが一番大切という訳でなく、一つの体力要素が低下すれば足の引っ張り合いをして芋ずる式の負の連鎖を引き起こす可能性が高くなるということです。
相互の作用がより顕著になってくることがお解りいただけたかと思います。
とりわけ現代は運動や健康に関する情報過多混乱時代です。なにか特別なメソッドを実践したり、フィットネス器具を使用することで、「十把ひとからげ」に全てことが足りるような誇大広告や情報を目の当たりにすることも少なくありません。しかし今回コラムで解説したように、大切なのはあくまでもバランス良く体力要素を改善(維持、向上も含む)することなのです。
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島袋 好一トレーナー(寄稿)
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