食物繊維の摂取にオススメの果物をご紹介
そのまま食べたり、ヨーグルトなどに入れて手軽に食べられる果物。
実は食物繊維を豊富に含んだ食品です。
今回のコラムでは「食物繊維を豊富に含む果物」について詳しく解説します。
食物繊維とは
食物繊維とは人間の体内で消化できない成分のことをいいます。
昔は体内で消化されないことから、役に立たない栄養素して見向きもされていませんでした。しかしながら1970年代頃より、消化できないにもかかわらず体内でさまざまな働きをしていることがわかり、「第六の栄養素」として注目されているのです。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維で、野菜類や穀類などに含まれており、シャキシャキとした歯ごたえが特徴的。咀嚼回数が増え満腹感を得られやすくなったり、GI値を低く抑えます。
また腸内で水を吸収しながらカサを増していくため、身体を刺激して排泄されます。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維で、ネバネバした食事に多いです。体内をゆっくり移動するため腹持ちが良いとされており、食べ過ぎ防止となるでしょう。
また腸内でゲル状になることでほかの栄養素も巻き込んでゆっくり吸収されます。めぐりよいすっきり生活のためによいといわれています。
食物繊維が豊富な果物
食品名 | 水溶性食物繊維(g) | 不溶性食物繊維(g) | 総量(g) |
---|---|---|---|
アボカド(生) | 1.7 | 3.6 | 5.3 |
レモン(生) | 2 | 2.9 | 4.9 |
ラズベリー(生) | 0.7 | 4 | 4.7 |
アサイー(冷凍) | 1 | 3.8 | 4.7 |
干しブドウ | – | 2.9 | 4.1 |
ブルーベリー(生) | 0.5 | 2.8 | 3.3 |
柿(生) | 0.5 | 2.3 | 2.8 |
キウイ(生) | 0.7 | 1.8 | 2.5 |
桃(生) | 1 | 0.9 | 1.9 |
リンゴ(生) | 0.5 | 1.4 | 1.9 |
びわ(生) | 0.4 | 1.2 | 1.6 |
あんず(生) | 0.6 | 1 | 1.6 |
いちご(生) | 0.5 | 0.9 | 1.4 |
マンゴー(生) | 0.6 | 0.7 | 1.3 |
パイナップル(生) | 0.2 | 1 | 1.2 |
バナナ(生) | 0.1 | 1 | 1.1 |
ブドウ(生) | 0.2 | 0.6 | 0.9 |
「食品成分データベース」より[3]作成
アボカド
最も栄養価の高い果実としてギネス記録に認定されているアボカド。オレイン酸などの良質な脂質や還元成分であるビタミンEなどが含まれており、さまざまな効果が期待されています。
キウイ
栄養価が高いと話題のキウイ。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、どちらも含まれておりすっきり習慣にはオススメです。
人を対象にした研究では、キウイを長期食べ続けた結果、快調な毎日の健康によいと報告されています[4]。そのほか、カリウムや還元成分のビタミンCなどの栄養素も豊富で、食物繊維とダブルの効果で健康効果が期待される注目の果物です。
いちご
いちごは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが理想的です。また嬉しいことにビタミンCがたっぷり含まれており、10粒で1日に必要なビタミンCを補給できるのです。
いちごの旬は5月~6月ですが、温室栽培がおこなわれるようになり12月~4月の時期も美味しくいただけるようになりました。洗ってすぐ食べられるため忙しい朝にオススメです。
バナナ
朝食の定番バナナ。常温で保存できるため持ち運びにも便利ですよね。食物繊維はもちろん、食物繊維に似た働きをする天然のオリゴ糖が含まれています。
オリゴ糖は胃や腸で吸収されずに大腸で腸内細菌のエサとなり発酵され短鎖脂肪酸になる。短鎖脂肪酸になることで、健康効果が期待されています。
そのほか、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれており、すっきり生活にはうれしい果物ですね。
まとめ
食物繊維といえば、なんとなく野菜ってなりがちですよね。もちろん野菜は食物繊維供給源として重要です。しかしながら野菜だけでは中々目標量を摂取しようと思っても難しいものです。
今回ご紹介した果物は、洗ってそのまま食べられるため朝食やおやつにオススメ。また旬の果物は、甘くて美味しいのも魅力です。うまく活用して食物繊維をしっかり摂り入れてみましょう。
参考文献
1. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版).
2. 厚生労働省.平成30年「国民健康・栄養調査」.
3. 文部科学省. 食品成分データベース.
4. Chang, C. C., Lin, Y. T., Lu, Y. T., Liu, Y. S., & Liu, J. F. (2010). Kiwifruit improves bowel function in patients with irritable bowel syndrome with constipation. Asia Pacific journal of clinical nutrition, 19(4), 451.