プロテインを飲むことに意味はあるのか?
「プロテインなんて飲んで意味あるの?」って思ったことはありませんか?私はあります。
かつて高校時代、バスケ部の練習を終えて体育館を出たところで、陸上部の男子たちがこぞってプロテインを飲んでいました。彼らはいわゆる「バキバキ」の身体をしていて、プロテインをゴクゴク飲んている姿を冷やかしながらも、少しうらやましくも思ったものです。
それからしばらく経ち、フィットネスクラブで働き始めたことをきっかけにトレーニングをはじめて、プロテインを飲むようになりました。知らなかったことを知り、実際に試してみることで、わかることがあります。高校生の自分に向けて「あのときプロテインを飲んでいたらよかったのに」と伝えたい気分です。
この記事では「プロテインなんて飲んでも意味ないんでしょ?」「興味はあるけど、ちょっと踏み出せないなぁ」「なんのために飲むのか意味がわからない」といった素朴な疑問を解決するべく、プロテインを飲む意味について解説します。
プロテインを飲む意味とは
- 多忙で朝食を摂る時間がない
- ひとり暮らしで自炊をしない
- インスタント食品やファストフードが好き
などの理由で、食生活のバランスが乱れ、タンパク質が不足しがちな方も多いのではないでしょうか。その点を踏まえ、プロテインを飲むことで期待できることにはどんなことがあるのでしょうか。
タンパク質の役割
プロテインという言葉の意味は「タンパク質」です。由来はギリシャ語の「プロテウス=最も大切なもの」が語源といわれています。それだけ身体に大切なものといえるでしょう。
タンパク質は身体を作る源です。筋肉、内臓、皮膚、爪、髪の毛、血管など、ありとあらゆる組織はタンパク質から作られています。
食事から取り入れたタンパク質は、体内でアミノ酸に分解・吸収されます。そして身体に必要なアミノ酸を補修して、日々元気な身体でいられるようサポートしています。
タンパク質が不足すると……
ここでクイズです。「タンパク質が多く含まれている食品はなんでしょう?」
2~3個、パっと思い浮かんだ方は素晴らしいです。実際、なにを食べればタンパク質が摂取できるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
答えは「肉、魚、卵、乳製品、大豆など」です。よくわからないままに食事をとっていると、本来必要なタンパク質量が不足してしまうこともあります。
それではタンパク質の不足によって起こる身体への影響をまとめてみていきましょう。
筋肉量の不足
食生活の乱れにより、全体的なエネルギーの不足やタンパク質の不足があると、身体は生命維持のために、筋肉を分解して不足分のエネルギーをまかなおうとします。これは人間に備わっている「緊急事態装置」のようなものです。
筋肉量が減ると、基礎代謝が下がります。基礎代謝が下がることでエネルギーの消費量が少なくなり、太りやすく痩せにくい身体になっていきます。また筋力の低下により、基礎体力が落ち、骨格や関節を保護する機能が弱ってしまうことで、日常動作が不便になる可能性があります。
食の豊かな現代にあっても、気をつけていないとタンパク質不足になることがあるのです。
美容トラブル
年齢とともに肌のハリツヤがなくなり、しわやたるみが気になる方も増えてきます。男性女性問わず、「年齢にあわせた良いコンディションの身体をキープしていたい」という気持ちは少なからずあると思います。
年齢化粧品を使ったり、身だしなみに気をつけたりすることはとても重要です。しかしそれらは、身体の外側からアプローチすること。
髪や爪、肌などは、「タンパク質」がもとになってできています。それらを補うことなしに、美しさの維持や、エイジングケアは成り立たないのです。
整える材料(タンパク質)がないのに、身体をメンテナンスすることはできませんよね。
プロテインのメリットを引き出すには
タンパク質の必要量は人によってさまざまです。体格や運動量、目的によって変わります。
前述したタンパク質不足による身体への影響は、タンパク質を摂取すれば解決するというものではありません。タンパク質の役割を十分にするには、それを引き出すためのいくつかの要素が必要になります。
筋トレにプラス
筋肉量の低下を防ぐには、筋肉に「少しきついけど、なんとか頑張れる」という負荷をかけたうえで、適切にタンパク質を補給することが大切です。
ウェイトトレーニングやスポーツなどのアクティビティに取り組んだり、日常生活であれば階段の昇り降りや庭仕事などの力仕事をすることが、筋肉の維持・発達につながります。
運動後や夜にプロテインを飲むと、より効率的なタンパク質の摂取になりますよ。
身体のケアにプラス
髪や肌のハリツヤにおいては、血流との関係がとても重要になります。皮膚や肌、毛根などは、細やかな血管内に豊富な血流が保たれることで栄養がいきわたります。
血中のアミノ酸濃度を高めるには、プロテインをはじめとするタンパク質を中心にした食生活をベースに、お風呂につかったり、マッサージを受けるのもよいでしょう。ストレッチやヨガなどで、筋肉を動かして血流の循環を促すことが大切です。
せっかくタンパク質を摂っているのなら、身体のケアを一緒におこなって、しっかりと体内まで届けてあげましょう。
有酸素運動にプラス
集中力の低下や疲労の回復にはウォーキングや軽いジョギングがおすすめです。
これらは有酸素運動とよばれ、体内に酸素を取り入れながら軽い負荷の運動を20分ほどおこなうと、脳からのホルモン分泌を促す作用があります。
爽快感を感じる「β-エンドルフィン」。やる気を出す「ドーパミン」。幸福感やリラックス効果をもたらす「セロトニン」などのホルモンが分泌され、リフレッシュにつながります。
あえて時間をとって運動をした方が、結果的に能率があがることがあります。運動後には美味しいごはんやプロテインを摂って、理想の身体づくりをサポートしましょう。
まとめ
「プロテインを飲む意味」は目的によってさまざまな解釈があります。しかし身体にとって非常に重要な栄養素を手軽に補える点は、十分飲む意味に値するのではないでしょうか?
タンパク質が不足することによる身体への影響は多岐に渡ります。中には「こんなことまでタンパク質の不足が関係するの?」と思いもよらないことがあったかもしれません。
漠然としていて、意味のわからないことは不安ですし、どうしてもはじめるきっかけのハードルが高くなってしまいますよね。
正しい知識を得ることで、物の考え方や価値観が変わることってたくさんあるような気がします。当時、高校生だった筆者は、タンパク質の重要性を知ることで、プロテインに対する価値観が大きく変わりました。
現在はメーカー各社から多種多様なプロテインが販売されており、自分好みの風味を選ぶのも楽しい要素のひとつだと思います。なにはともあれ、まずは一度プロテインを飲んでみませんか。
参考文献
一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所. 必須アミノ酸と非必須アミノ酸. 閲覧2020-05-30, https://www.orthomolecular.jp/nutrition/amino2/