ソイプロテインって聞くと、ダイエットや美容のための女性向けプロテインを想像する方が多いのではないかと思います。
ホエイプロテインの価格が上がる中、筋トレをして身体づくりに励む男性にソイプロテインは本当に向かないか?と気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ソイプロテインの特徴やメリットをまとめながら、目的に合わせて効果的に取り入れる方法をお伝えします。
ソイプロテインとは?
ソイプロテインとはその名の通り、「大豆」由来の植物性「タンパク質」のことです。
他のプロテインと同様に、タンパク質が濃縮された食品のひとつではありますが、由来が異なることから含まれる栄養素や成分などにも違いがあります。
ソイプロテインはドロッとしたテクスチャーのものが多く、吸収速度がゆっくりで、腹持ちが良いのが大きな特徴です。
飲んだときの満足感とその持続感が、食べすぎ防止にもつながるため、ダイエット中の女性に人気があります。
他の種類のプロテインとの違いをもう少し詳しくし知りたい方は、プロテインの種類とは?違いと特徴を理解して適切なプロテインを選択しよう!をご覧ください。
ソイプロテインの特徴と効果
では、ソイプロテインの特徴と効果を深堀して説明していきましょう。
吸収速度がゆっくりだからこそダイエット時に効果的
冒頭でもお話ししましたが、ゆっくりとした吸収はソイプロテインの大きな特徴のひとつです。
速度が遅いと聞くと、なんとなくデメリットに感じますが、ウサギとカメの「カメ」のようにスロースターターなだけで、ソイプロテインは持続性を持ち合わせています。
だからこそ、空腹というダイエットのときの敵には、ホエイプロテインよりもソイプロテインの方が有効なのです。

そんなソイプロテインの効果的な取り入れ方の一例。
- 普段の食事にちょい足しソイプロテイン
- スナック菓子やスイーツの代わりに、おやつソイプロテイン
一方で、運動によるダイエットを頑張っているという方もいると思います。
運動をするとエネルギーを消費しますので、エネルギー不足の場合には、体は筋肉を分解して補おうとします。
また、直接筋肉にダメージも与えるため、材料であるタンパク質が必要となります。そのため、運動後のリカバリーとして、吸収の速いホエイプロテインやアミノ酸の摂取が勧められます。
しかし、体内において、筋肉などのメンテナンス作業は24時間絶えず継続的におこなわれているはずです。
筋肉に急いでタンパク質を届けたいときには、確かにトップスピードのホエイプロテインが向いていますが、通常のメンテナンスにおいては即効性よりも、持続力あるソイプロテインを上手に活用するのがポイントです。
大豆由来だから乳糖不耐症でも摂取できる
日本人の特性上、牛乳やホエイプロテインを飲むとお腹がゴロゴロするという方は一定数いるのではないでしょうか?
その理由は、日本人の大多数は大人になるにつれて「乳糖」を分解するラクターゼという酵素の活性が低下するからです。
これは、人種的な(過去の食文化の違いによる)特徴であり、遺伝的なものといわれています。
なので、ホエイプロテインでお腹がゴロゴロしてしまう方は、潔く乳糖を含まないソイプロテインに切り替えてみるのが良いでしょう。
イソフラボン含有で女性にうれしい美容効果
「天然のエストロゲン」ともいわれる大豆イソフラボンは、タンパク質が材料となっている、皮膚(肌)や髪の毛、酵素やホルモンといった美容には欠かせない物質と密接な関係があります。
また、運動による体への負荷(物理的ストレス)に対してもポリフェノールの一種でもあるイソフラボンの保護的な役割は有用です。
さらに、ソイプロテインはホエイプロテインと比較して、一般的に食物繊維も多く含まれます。
(製法などによって前後する可能性もありますので、製品ごとの含量は各メーカーに確認してください。)
プロテイン(特にホエイ)を飲み始めてから体臭やおならのにおいが気になってきたという方も多いのではないでしょうか?美容やエチケットにおいて、体臭は気になりますね……。
≫ プロテイン摂取による「おなら」と「下痢」についての解説とその予防法
タンパク質(動物性、植物性問わず)は腸内で悪玉菌が好むエサになり、その際に分解されにおいの原因となる成分が発生します。
その反対に、食物繊維は善玉菌の好むエサになり、さらに不要な物質を巻き込んで排泄されます。
そのため、美の土台構築の材料(通常のメンテナンス)として、ソイプロテインがおすすめな点であり、若々しくいたい女性の方や日々キレイかつ健康でいたいと思う方にソイプロテインが効果的で人気な理由です。
コストメリット
ここ5年くらいの間で、ホエイプロテイン(乳清たんぱく原料)の価格が高騰し続けています。
原因は、主に世界的な需要の高まりに対して供給が追いついていないということかと思います。
それに対して、ソイプロテイン(大豆たんぱく原料)は比較的価格が安定しています。
飲みやすくて種類が比較的豊富なホエイプロテインですが、こう値上がりが続くとなかなか継続することが難しくなりますね。
また、プロテインも食品のひとつです。
そのため、継続することで初めて効果が現れてきますので、価格の安定しているソイプロテインをうまくとり入れていきましょう!
ソイプロテインの効果的な摂取タイミング
ソイプロテインを効果的に利用するためには、摂取タイミングがとても重要になります。おすすめ摂取タイミングを3つ紹介するので、ぜひ、ご自身に合うタイミングを見つけてみて下さい。
1日の始まりと1日の終わり
寝ている間、栄養補給をすることはできませんが、寝ている間にも身体は回復に向けて栄養素を消費していきます。つまり、就寝中に栄養素は不足していきます。
それを補うため、1日の始まりと終わりに栄養素、特に身体の材料となるタンパク質を補うことは重要なのです。
また、吸収速度について先述しましたが、ソイプロテインの特徴は吸収がゆっくりであるが、持続性もあります。
さらに、大豆たんぱくは製造工程上、脂質が先に取り除かれるので、比較的低脂質のため、エネルギー(カロリー)も低いものが多いです。
そのため、身体づくりにおける、就寝中の栄養補給として、夕食~寝るまでの間のソイプロテインの摂取はとても理にかなっています。
その時間の摂取に抵抗のある方は、朝でもOKです。朝に摂取する場合には、エネルギーも必要になるので、朝食内容にもよりますが、糖質を合わせるとより効率的です。
ご自身の生活スタイルに合わせてとり入れてみてください。
ただし、何ごとも摂りすぎは不調を招きますので、普段の食事や行動量に合わせて摂取量は調整しましょう。
小腹がすいたとき
小腹のすいた際の間食での摂取は、ソイプロテインの専売特許的なタイミングです。
ダイエット中の方も、身体づくりをしている方も、筋肉量が落ちることは避けたいはずです。
脂肪を減らして痩せたいと思っているのに筋肉が減ってしまえば代謝も落ちてしまいますし、ましてや鍛え上げた筋肉が減るなんて考えたくないですね。
ソイプロテインに瞬発力はないですが、ホエイプロテインが攻めのプロテインであれば、ソイプロテインは守りのプロテインといったところでしょうか。
小腹がすいた時こそ、長時間体内のアミノ酸量をキープできるソイプロテインを摂りましょう。
余裕をもって運動前に摂取
運動時というと、どうしてもホエイプロテインのイメージが強いのですが、ソイプロテインの特徴は、トップスピードは遅いものの、持続性に優れています。
運動中、持続して体内のアミノ酸量が維持できるのであればうれしいことですよね。なので、逆にその特性を活かしましょう。
ということで、運動前のソイプロテインの摂取は、運動(活動時のピーク)からソイプロテインの吸収時間を逆算して、3時間程度前に済ませておきましょう。
もし、長時間運動する予定であれば、運動開始の1時間前ごろでも良いかと思います。
※ただし、運動の種類によっては直前の摂取がパフォーマンスの低下を招く場合もあるので、調整は必要です。
それでも、ソイプロテインはドロッとしており、運動時の摂取に抵抗のある方も多いかもしれません。しかしながら、最近は、運動時でもさらっと飲みやすいソイプロテインも増えているので、そんなプロテインを探すのもひとつかと思います。

ソイプロテインを飲み続けて得られる効果
ソイプロテインをはじめとするプロテインは食品です。ちょっと飲んだからといって、急に理想の体型が手に入るなんて魔法は絶対に起こりません。
しかし、せっかく取り組むなら、継続した先の可能性(メリットおよびデメリット含む)も知っておきたいですね。
身体づくりや筋トレにはソイプロテインは効果がない?
男性の方は特に、せっかく鍛えたのに、ソイプロテインによって筋肉が落ちる、もしくは女性化してしまうのではないか?と考える方も一部いらっしゃるのではないかと思います。
筋力アップやダイエットなどの身体づくりには、どうしても個人差や複数の条件も重なってくるので、こうすれば必ずこの結果になる!という断定は難しいのですが、少なくともプロテインだけでどうこうできる問題ではないのは確かです。
まず、筋力や筋肉量を増やすには、筋肉の合成>分解のバランスが重要になります。
図の通り、運動やトレーニングは、分解および合成の両方のスイッチになります。
そのため、筋力、筋肉量アップには必須です。ただ、その際に材料となるタンパク質がなければ理想の身体は作れません。
つまり、筋トレしているのに、プロテイン飲んでいるのに効果が出ないのは、合成<分解の可能性が高いです。

また、身体づくりは建築業と似ています。どんなに筋トレしても(腕のいい大工さんを雇っても)、身体に必要な栄養素(材料や部品)が足りないもしくはその品質が悪ければ、理想の丈夫な身体(立派で頑丈な建築物)はできません。
では、ソイプロテインが身体の材料として不足かというとそんなことはありません。
一部の研究で、身体づくりにおいて、ソイプロテインはホエイプロテインに劣るような結果のものもありますが、近年においては、大きな差はないという結果が有意になってきています。
もし効果がないと感じる場合、筋トレの刺激が足りていないか、たんぱく質そのものが足りていないか、その他の栄養素(部品)が足りておらず、合成>分解にたどり着けていない可能性の方が高いでしょう。
プロテインだけで、痩せない/筋肉が増えない理由
「何を食べたら痩せられますか?」という質問は本当によく受けます。
そんな食べ物があったら、私も知りたいです。
しかし、繰り返しになりますが、何かひとつの食べ物や行動が魔法のように身体をつくり上げるということはありませんので、私の答えとしては、「そんな食べ物はありません。」となります。
そのため、プロテインだけで痩せるもしくは筋肉がつくというような魔法も残念ながら起こりません。
筋肉量を増やすのと似ていて、痩せるためには摂取エネルギー(カロリー)<消費エネルギー(カロリー)のバランスを成り立たせる必要があります。

摂取量の大半は、食事の量でコントロールできますが、消費量は運動をすること、代謝を上げること、さらには栄養バランスなどと、複数の要因が絡むため、これさえすれば痩せるとはならないのです。
しかしながら、その結果を生み出す「正解」もひとつではないので、ぜひ諦めずに、自分に合ったプロテインや方法を見つけてほしいと思います。
ソイプロテインの効果はいつ出る?
正直に言うと、人によって違います。
もともと、目的に対しての行動が伴っており、ソイプロテインが最後のピースであったのであれば、すぐに結果として現れるでしょう。
一方で、ソイプロテインを飛び道具のように使用した場合には、残念ながらなかなか効果は感じられない可能性が高いです。
また、吸収速度が遅いから、ホエイプロテインよりもソイプロテインの方が効果が出るのが遅いということもありません。
しかし、目的に向かって正しい行動を続けていればきっと報われる日が来ますので、効果的にソイプロテインを利用してください。
ソイプロテインの目的別の効果的な活用方法・テクニック
ソイプロテインの特徴はつかめてきたと思いますので、効果的かつ実践的な活用例を紹介します。
間食の代わりや置き換えのダイエットに効果的
これまで説明してきた通り、小腹がすいたときのソイプロテインの摂取の選択は◎です。
しかしながら、1食の代替にするには栄養素が不足してしまう可能性が高いので、おすすめしません。
ダイエットの基本はエネルギー(カロリー)の摂取量<消費量です。
お肉やお魚のような他のタンパク源に比べれば確かにカロリーも抑えられるので、たまには良いのですが、あくまでも足りない栄養素の補給と食べすぎ防止のひとつとして摂取するのがダイエット中の飲み方として効果的です。
また、飲めば飲むだけ良いというものではないので、1回にたくさん摂るというよりは、状況に合わせて量を調整しましょう!
もし、1食置き換えダイエットを考えている方は、タンパク質以外の栄養素もしっかりと含まれているプロテインを選ぶようにしましょう!
完全栄養プロテインについてもう少し詳しく知りたい方は、効率的に食事バランスを整える 完全栄養食(完全食)とは?もご覧ください。

ソイプロテインを効果的に美容に活かす
美容目的としてプロテインを摂取する方も多いかと思います。
たんぱく質は皮膚や髪の毛、爪など美容に関わる部位の主原料ですので、ぜひ積極的に摂ってほしいです。
ですが、ここでもむやみやたらにとってもダメです。美容を考える上では、バランスよくアミノ酸を摂り入れる必要があります。
身体を構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸でできています。特にその中の9種類は体内で合成できないため、食事から摂取することが必要です。
そして、身体を構成するタンパク質として利用されるには、これらのアミノ酸をバランスよく摂ることが重要なのです。
そこでおすすめなのは、ソイプロテインだけではなくホエイプロテインも一緒に摂ることです。
なぜなら、同じタンパク質でも、種類によってアミノ酸の配合バランスは違うからです。
通常の食事においても、バランスの良い食事を摂ろうと思ったら、たくさんの品目の食材を選ぶのが効率的です。
プロテインも一緒です。美容のためにバランスよくアミノ酸を摂るには、種類の違うプロテインを上手に摂り入れることです。

ホエイ+ソイの自作Wプロテインのすすめ
ここまで、ソイプロテインの特徴やメリットについてお伝えしてきました。
また、これまで話してきた通り、特性の違いはあるにせよ、ソイプロテインもホエイプロテインも有効なたんぱく源であることも間違いありません。
しかしながら、プロテインは手軽ですが、食品のひとつなので継続できないと効果的とは言えません。
どれだけ食品として優秀でも、コストメリットが悪かったり、美味しくないから続けられないのでは効果は出ません。
そこで、ソイプロテインにホエイプロテインを混ぜた、オリジナルのハイブリッドプロテインの活用提案です。
ソイプロテインのデメリットのひとつに、「飲みにくさ」がよく挙げられますが、ソイプロテインにホエイプロテインを混ぜることで、この大豆たんぱく特有のドロッと感や粉っぽさもマイルドになり飲みやすくなります。
また、タイミングや目的によっては、以下のメリットもあります。
- アミノ酸の即効性+持続性のいいとこどり
- アミノ酸バランスUP
- コストメリット(ホエイプロテインのみに比べて)
もちろん、食感や味が気にならない方は、無理に混ぜる必要はありません。タイミングや目的、時には気分などに合わせて使い分けるのでも十分です。
また、既存のソイ&ホエイのWプロテインを購入しても問題ありませんが、自作だからこそ状況に応じて配合が変えられるのも効率的な摂取方法のひとつです。
気になる方は、ぜひ一度、自作のWプロテインにトライしてみてください。
まとめ:ソイプロテインの特徴を活かして効果的に摂取しよう!
ソイプロテインを効果的に利用するためには、特徴を理解して、適したタイミングで継続的に摂取することが重要になります。
ソイプロテインの特徴と効果
- 吸収速度が緩やかで持続性◎だからこそ、ダイエット時の強い味方
- 大豆由来だからこそ、イソフラボンなどの美容成分含有で、乳糖不耐症でも安心
- 価格も安定しており、続けやすいコストメリット
おすすめの摂取タイミング
- 寝ている間に失う栄養素補給として、1日の始まりもしくは終わりに
- 小腹がすいたときの間食として
- 持続性を活かして、余裕持った運動前の摂取
このように、ソイプロテインは美容が気になる女性に対してや、ダイエット時の食べすぎ防止のための間食として有用です。
だからといって、筋トレをする男性に全く不向きなわけでもありません。
筋肉を含む身体のメンテナンスは24時間絶えずおこなわれています。
その際に、すぐに材料補給が必要ならホエイプロテイン、持続的に材料供給をしたいときはソイプロテインと使い分けることが効果的です。
ぜひ、今日から、効果的で持続可能なソイプロテイン生活を送りましょう!
この記事を書いた人

阿部 友美
管理栄養士/元食品・化粧品メーカー研究員