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私って扁平足(偏平足)?気になる原因と対策を解説

前田 修平
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2020.06.29

みなさんは自分の足跡をじっと見たことがありますか?

夏の時期、海や川、プールでレジャーを楽しんだ後、濡れたままの足で歩くと、自分の足跡がつきますよね。そのときに自分の足跡はどのような形をしていましたか?

正常の足跡と扁平足の足跡

人の足にはアーチがあり、地面と足の間には少し隙間ができる構造になっています。しかしこのーチがすべて地面についてしまっている人は、扁平足の可能性があります。

それでは扁平足だと、身体にはどのような影響があるのでしょうか。「そもそも扁平足はいけないことなの?」「どうしたら治せるの?」など、みなさんの気になる疑問にお応えしていきます。

扁平足とは

扁平足とは、足の構造として本来機能するべき3つのアーチがなんらかの原因によって崩れ、骨格のバランスが乱れた状態を指します。

3つのアーチは縦方向に2つ(母趾側と小趾側)、横方向に1つ存在し、

  1. 地面からの衝撃吸収をするクッション
  2. 前への推進力を生むバネ
  3. 重心のバランスをコントロール

という3つの役割を担っています。これらは主に足趾を動かすための筋肉で構成されており、足趾の筋肉がうまく機能しないと、アーチが崩れやすくなります。

扁平足が駄目な理由

扁平足が駄目な理由

扁平足は、足本来の機能がうまく働いていない状態です。骨格のバランスが変わることで、衝撃吸収や重心のコントロールがうまくいかず、膝や股関節に負担がかかったり、姿勢にも影響が出ることがあります。

大半の扁平足は「無症状」であることが多いため、あまり生活の不便を感じにくいかもしれませんが、日々小さな負担が積み重なるという点で注意が必要です。

自覚症状として現れてくるものは、足裏の痛みや歩きにくさを感じることです。ひどくなると、

  • 関節が硬くなる
  • 関節が変形する
  • 関節が動きにくくなる

などの機能障害があらわれてきます。また扁平足は「外反母趾」「内反小趾」といった足趾の変形の要因にもなることがあります。

扁平足になる原因

扁平足になる原因

生まれたばかりではみんな扁平足です。発達段階で歩くようになることで、足の筋肉が鍛えられ、自然なアーチが形成されます。

ところが運動不足や体重の増加によって足への負担が増えると、足のアーチを保持する力が低下してしまいます。舟状骨(しゅうじょうこつ)という足の関節にある骨の位置が下がることで、「扁平足」になりやすい状態がうまれるのです。

それでは扁平足になりやすい人の特徴をあげてみましょう。

  • 体重が標準体重よりも多い(BMI25※1以上)
  • 運動不足や加齢によって筋力が低下している
  • 女性
  • 靱帯が柔らかい(関節弛緩性※2が高い)

※1:BMI(Body Mass Indexの略)⇒体重÷(身長(m)×身長)で求められる数値。

※2:関節弛緩性⇒関節の正常な可動域よりも大きく動きやすいこと。関節が柔らかい分、不安定性にもなるが、現在では障害や外傷との明確な因果関係はないとされている。

先天的な要因には性別による筋力差や関節の安定性の問題があります。また後天的な要因としては筋肉の不活動、筋力の低下があげられます。

つまりは筋骨格を正しく鍛えること、必要以上に足に負担がかからないように気をつけることが、足のアーチを回復させる一番の近道なのです。先天的であれ、後天的であれ、対策をすることで扁平足の状態を抜け出せる可能性は十分にあります。

またごく一部の例外として、アスリートは筋肉の発達、肥満の方は脂肪によって、足の裏が地面にすべてついてしまうことがあります。これは扁平足とは異なる状態ですので注意しましょう。足のアーチは正常でも、その周りを覆う組織の状態で、一見すると扁平足に見えることがあります。

扁平足の対策

扁平足の対策

では具体的にどのような対策を取ればよいのでしょうか。

身体の内側からのアプローチと、身体の外側からのアプローチで考えてみましょう。

内側からのアプローチ

体重管理

運動不足と食生活の習慣によって体重は増加しやすくなります。特に脂肪による体重の増加というのは、関節にかかる負担が増えますので、ウォーキングなどの簡単な運動で足を使うことからはじめてみましょう。

食事においては、体重の増えやすい方は主食のごはんやパンなどの食べ過ぎ、お菓子がやめられないなど、余分な糖分と脂肪の摂取が多い傾向にあります。空腹感を抑えたり、食事の満足感を高めるには、腹持ちがいいプロテインの置き換えがおすすめです。

筋力強化

足のアーチを真下から支えるのは、「長母指屈筋」「長趾屈筋」という筋肉です。

またアーチが崩れる原因の舟状骨を上へと引き上げるのは、「前脛骨筋」と「後脛骨筋」という2つの筋肉です。いずれもすねやふくらはぎにあるので、足首を動かすことで鍛えられます。

タオルギャザー

足趾を動かすことで、足のアーチを構成する筋肉を刺激します。

①椅子に座り、足の前にフェイスタオルを広げておきます。

タオルギャザー

② 足趾でタオルの端をつまんだら、足趾を握り、手前に引き寄せます。

タオルギャザー

③タオルがすべて足元にたぐり寄せるまで続けましょう。

タオルギャザー

④3~5セットおこないます。

段差つま先立ち

階段や台などを利用することで、すねやふくらはぎの筋肉をより大きく動かします。

①段差につま先から前足部を乗せて、かかとを宙に浮かせた状態で立ちます。

段差つま先立ち

②かかとをゆっくりと下に降ろし、ふくらはぎを伸ばします。

段差つま先立ち

③つま先で体重を支え、ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになります。

段差つま先立ち

④10回×2~3セットおこないます。

外側からのアプローチ

靴選び

扁平足の原因は、かかとから足関節のバランスが崩れることにあります。

よってサンダル履きや柔らかい素材の靴を履く機会が多いと、かかとの位置が定まらず、周辺の筋肉の負担が大きくなります。骨の配列を安定させるためには、ヒールカップのしっかりした靴を選ぶようにしましょう。

インソール

扁平足の場合、下がった足のアーチを無理に持ち上げてしまうと逆効果になることがあります。

大切なことは、原因であるかかと周りの骨格を整え、足のアーチが持っている本来の機能を活かすことにあります。特にかかとが柔らかい靴においては、かかとの部分のみサポートするインソールも検討してみましょう。

矯正のための専用装具は、使っている間はラクなのですが、使用を続けると筋肉が衰えるデメリットもあります。扁平足の状態が明確になるよう、医療機関に相談のうえで選ぶようにしましょう。

まとめ

扁平足は、病気でもケガでもない身体の状態を指す言葉です。

直接的に大きく身体への影響がない分、ついついないがしろにしがちです。大きなことは小さなことの積み重ね。夏休みの宿題を後回しにすると大きなツケが回ってくるように、身体も日々あらわれる些細な変化を見逃さずに対処するのが吉です。

二足歩行できるのはヒトならではの特権です。まずは地元の街をあらためて散歩することからはじめてみましょう!

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前田 修平
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。