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ダイエット

そのやり方で大丈夫ですか?「高タンパク質ダイエット」

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2020.09.05

近年、ダイエットや身体づくり、高齢者のサルコペニア問題など、注目を集めるタンパク質。タンパク質の人気上昇とともにコンビニでは数々のタンパク質商品がラインナップを揃え、いつでもどこでもタンパク質が補給できる時代になりました。

人間の身体は60%が水。20%がタンパク質、残りの20%が糖質・脂質・ミネラルなどです。つまり栄養素の内訳でみるとタンパク質が半分を占めており、筋肉や臓器、骨、血液と全身を構成する大切な栄養素には間違いありません。よって毎食欠かさず食べていただきたいところです。

平成30年度の国民健康・栄養調査によると[1]、20歳以上の男女ともに推奨量を満たしており[2]、大半の方は不足の心配はないと考えられています。たしかに運動などライフスタイルにあわせてタンパク質の摂取量の調整は必要かもしれません。

しかしながら高タンパク質ダイエットが加速し「炭水化物は悪魔、タンパク質は神様」かのように扱われ、タンパク質さえ食べていればよいという風潮に疑問を感じます。はたして本当に高タンパク質ダイエットはよいのでしょうか?

今回のコラムでは、高タンパク質ダイエットの問題とポイントについて詳しく解説します。

高タンパク質ダイエットとは?

高タンパク質ダイエットとは?

高タンパク質ダイエットとは、どのような食事のことをいうのでしょうか?

定義は明確でありませんが高タンパク質ダイエットとは、摂取エネルギーの25~35%をタンパク質から摂取し、炭水化物をおさえるやり方が主流です[3]過体重や肥満の人の食事法として摂り入れられてきました。

タンパク質をアップして、炭水化物を減らすというシンプルなやり方で効果が出ることから人気を集めています。

高タンパク質ダイエットのメリットは以下のようなことが考えられます[4]

だたタンパク質を多く食べて炭水化物を減らすだけで、筋肉量を極力維持しながら痩せられる画期的な方法として、近年雑誌やメディアで取り上げられて注目されているようです。

メリットばかり先走り注目されていますが、本来は肥満の人の食事法として考えられたものです。はたしてそれほど太っていない人が飛びついて問題はないのでしょうか?

高タンパク質ダイエットのポイント

高タンパク質ダイエットのポイント

ご自身に必要なタンパク質量知ってますか?

ご自身に必要なタンパク質量をご存知ですか?それを知らずして高タンパク質ダイエットに飛びつくのは危険といえます。まずは自身にどれくらいタンパク質が必要で、増やすにしてもどの程度までなら許容か知ることが大切です。

報告されている多くの研究では、医師や管理栄養士など専門家がモニタリングをおこないながら食事法をすすめています。身近に専門家がいないにしても自身に必要なタンパク質量は知っておきましょう。

成人男性のタンパク質推奨量は65g、成人女性は50gです[2]。アスリートや運動を積極的にされている方は、通常よりもタンパク質を多く必要とし、体重1kgあたり1.4~2.0gを目安に摂取するとよいでしょう。

タンパク質過剰になっていませんか?

前述したように自身のライフスタイルに合わせてタンパク質の調整が重要です。タンパク質は身体にとって大切な栄養素ですが、必要以上に摂取することはおススメできません。過剰に摂取し体内で使いきれなかったタンパク質は体脂肪として蓄えられてしまいます

またタンパク質は、肝臓と腎臓で処理されて利用されます。必要以上に摂取すると臓器の負担にもなりかねません。さらに高タンパク質を継続することによる長期的なデータは報告されておらず、絶対的に安全とはいいきれません。どれくらい必要なのか?過剰になっていないか?チェックしましょう。

動物性タンパク質に偏っていませんか?

タンパク質というと肉・魚・卵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?肉ばかり食べていると飽和脂肪酸の摂取量が増加します。

いくつかの報告では、低糖質・高タンパク質な食事をおこなうと飽和脂肪酸の摂取量が増加し、悪玉コレステロール(LDL)が増加するといわれています[8]

日本人のタンパク質摂取量は、一時低下していたものの近年は増加傾向です。ひとつ注目していただきたいのが、タンパク質摂取量が多かった戦後と比較すると、植物性タンパク質の摂取量が低下し、動物性タンパク質の摂取量が増加しています。

厚生労働省「国民健康・栄養調査」より作成[1]

せっかくダイエットするにしても健康を害してはなんの意味もありません。

そこで動物性タンパク質だけはなく、植物性タンパク質も意識して摂取してみましょう。植物性タンパク質は、豆腐や納豆といった大豆食品や穀類、野菜などに含まれています。動物性と植物性タンパク質を一緒に食べることで飽和脂肪酸の摂取量を少なくできるでしょう。

さらに大豆にはコレステロールを下げる働きあるといわれています。ダイエットのときこそ、日本の伝統的な食品を活用しながら、健康的な身体づくりを目指しましょう。

食べたタンパク質に見合った運動をしていますか?

せっかく高タンパク質な食事をしていても、それに見合った運動をしなければ筋肉も作られません。

脂肪を燃焼するための有酸素運動と、筋肉アップするための筋肉トレーニングをおススメします。筋肉が増加することで代謝も上がり、よりエネルギーを消費する身体に近づけるでしょう。

まとめ

高タンパク質ダイエットをおこなうことのメリットもあり、ひとつのダイエット法としては有効でしょう。

ただし今回ご紹介した項目にひとつでも当てはまるなら、見直しが必要かもしれません。せっかくダイエットをしたのに、身体に不調をきたしているようでは勿体ないですよね。

ダイエットの先にあるのは、健康であると忘れないでくださいね。

参考資料

1. 厚生労働省 平成30年「国民健康・栄養調査」の結果

2. 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

3. Clifton PM, Keogh J.(2007) Metabolic effects of high-protein diets.Curr Atheroscler Rep,9(6):472-478. 

4. Wycherley, T. P., Moran, L. J., Clifton, P. M., Noakes, M., & Brinkworth, G. D. (2012). Effects of energy-restricted high-protein, low-fat compared with standard-protein, low-fat diets: a meta-analysis of randomized controlled trials. The American journal of clinical nutrition, 96(6), 1281-1298.

5. Krieger, J. W., Sitren, H. S., Daniels, M. J., & Langkamp-Henken, B. (2006). Effects of variation in protein and carbohydrate intake on body mass and composition during energy restriction: a meta-regression. The American journal of clinical nutrition, 83(2), 260-274.

6. Veldhorst, M. A., Westerterp, K. R., van Vught, A. J., & Westerterp-Plantenga, M. S. (2010). Presence or absence of carbohydrates and the proportion of fat in a high-protein diet affect appetite suppression but not energy expenditure in normal-weight human subjects fed in energy balance. British journal of nutrition, 104(9), 1395-1405.

7. Leidy, H. J., Carnell, N. S., Mattes, R. D., & Campbell, W. W. (2007). Higher protein intake preserves lean mass and satiety with weight loss in pre‐obese and obese women. Obesity, 15(2), 421-429.

8. Noakes, T. D., & Windt, J. (2017). Evidence that supports the prescription of low-carbohydrate high-fat diets: a narrative review. British journal of sports medicine, 51(2), 133-139.

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坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。