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「プロテインを飲むと太る」は本当か?

「プロテイン」と聞くと、どのような印象をお持ちでしょうか?

「コンビニで最近よく見かける…」

「美容にも良いって話を聞いた」

などなど、皆さんが持つプロテインのイメージは様々。

でもやっぱり「プロテイン」といえば、「ボディビルダーやアスリートがより良い肉体を手に入れるために摂取するもの」という印象が最も強いのではないでしょうか。

中には、飲むだけで筋肉が大きくなる魔法の粉……いわゆる筋肉増強剤的な極端な認識をお持ちの方も少なくありません。それと同様に「飲むと太ってしまう……」という誤った認識をお持ちの方も多い様です。

一昔前は、日々ガッツリとスポーツや筋力トレーニングを行う人が摂取するものとして認識されていましたが、近年では老若男女問わず、身近に手軽に摂取できるものとなりました。しかしそれでも、意外と誤解の多い食品ではあります。

この記事は、「プロテイン」についての正しい知識をお持ちいただくためのお話です。

プロテインとは?

「プロテイン」と「太る」の関係性に入る前にまず、プロテインについておさらいしてみましょう。

プロテイン(Protein)とは日本語で『タンパク質』のことを指し、ギリシャ語の『プロテオス(一番大切なもの)』が語源で、炭水化物、脂質とともに三大栄養素の一つに挙げられるものです。

その『タンパク質』を成分として多く含み、効率よく補給、摂取できるサプリメントとして商品化され、市販されたのち通称としてそれが多くの人に知られる様になったのです。

プロテインは、一般的に牛乳由来の「動物性プロテイン」と大豆由来の「植物性プロテイン」の2種類に分けられます。

日本人・現代人のタンパク質摂取事情

一番大切なもの」と表現されるように、人体を構成する多くの組織や器官・細胞は「タンパク質」によって作られています。

カラダの機能をコントロールするホルモンや血液の構成成分としても重要な役割を担っており、中でも筋肉を構成する最も重要な成分であることは、皆さんもよくご存知かと思います。

とにかく日本人の食生活は「お米」を中心とした炭水化物に頼りがちです。

それだけ重要な栄養素でありながら、炭水化物、脂質と比べて毎日の必要量をなかなか摂取できないのが、実は「タンパク質」なのです。

厚生労働省が発表している、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を見てみると、18歳以上の成人男性が1日に必要なタンパク質摂取推奨量は60~65g、女性は50gとなっています[1]

それでは一般的な独身サラリーマン男性の典型的な食事を、例に挙げてみましょう。

  • 朝食:ブラックコーヒーのみ※タンパク質摂取:0g
  • 昼食:うどん定食(かけうどん1杯、かやくご飯1膳)※タンパク質摂取:約20g
  • 夕食:肉魚類をメイン料理に味噌汁やサラダやおひたし、ヒジキや煮物などの小鉢を2品※タンパク質摂取:約20g~25g


少し極端な例になるかもしれませんが、おおむねこのようなルーティンの食生活を繰り返しており、慢性的にタンパク質の摂取量が不足しがちになるのが想像できるかと思います。

インスタント食品やファストフードなどを例にみても、「炭水化物や脂質」は充分に含まれているにも関わらず、「タンパク質」は不足しがち。毎度毎度の食事で、意識せずとも勝手に摂取できているのが「炭水化物と脂質」で、意識しないと摂取できないのが「タンパク質」といっても過言ではないのです。

加えてアスリートやトレーニング・マラソン愛好家、スポーツを行う成長期の子どもたちは、筋肉や血液のダメージが大きくタンパク質必要量が増し、推奨量の1.4~2.0倍のタンパク質が必要とされています。

多くのメーカーが推奨するプロテイン1回の推奨摂取量は、20~30g程度。成分の違いは多少あれど、エネルギー量は100~120kcal程度です。

プロテインが直接的に太る原因になるとは考えにくい

日常生活において、おおむねこのような状況下に多くの方が置かれていると推察されます。

そのため食事の置き換えや間食、トレーニング後の栄養補給として「プロテイン」を摂取することが不足しがちな栄養素である「タンパク質」を手軽に、しかも効率よく充足することに貢献することはあっても、直接的な「太る」原因となることは考えにくそうです。

反対にプロテインを飲むだけで痩せることもない

結局のところ「体重の増減」は、ほぼカロリーで決まるといっても差し支えないでしょう。そんなの当たり前過ぎて、わざわざ言及することではないかも知れません。しかしカロリーは、意外と見過ごしてしまう重要ポイントですので、整理しておきましょう。

お菓子を食べて、お酒も飲んで、脂っこい食事を続けているにも関わらず、プロテインを飲んだだけで魔法のように痩せてしまうことが起こりうると思いますか?

もしそれが真実なら、科学的な根拠が示され、世の中にもっとプロテインが広まっているはずです。これはその他のダイエット方法にも同じことがいえるでしょう。

自分の消費カロリーを知ろう

大前提として、自分の食事量と活動量を知り、バランスを把握することがとても重要です。まずは一日の活動に伴う総消費カロリーを把握しましょう。厚生労働省が発表したデータをもとにした表を参考にしてみてください。

性別男性女性
身体活動レベル1
0~5(月)-550--500-
6~8(月)-650--600-
9~11(月)-700--650-
1~2(歳)-950--900-
3~5(歳)-1,300--1,250-
6~7(歳)1,3501,5501,7501,2501,4501,650
8~9(歳)1,6001,8502,1001,5001,7001,900
10~11(歳)1,9502,2502,5001,8502,1002,350
12~14(歳)2,3002,6002,9002,1502,4002,700
15~17(歳)2,5002,8003,1502,0502,3002,550
18~29(歳)2,3002,6503,0501,7002,0002,300
30~49(歳)2,3002,7003,0501,7502,0502,350
50~64(歳)2,2002,6002,9501,6501,9502,250
65~74(歳)2,0502,4002,7501,5501,8502,100
75以上(歳)1,8002,100-1,4001,650-

妊婦(付加量)初期
        中期
        後期

 +50
+250
+450
+50
+250
+450
+50
+250
+450
授乳婦(付加量)+350+350+350
表1:一日の消費カロリー目安表
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より作成[1]
  1. 身体活動レベルは、低い、ふつう、高いの3つのレベルとして、それぞれ、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲで示した。
  2.  レベルⅡは自立している者、レベルⅠは自宅にいてほとんど外出しない者に層とする。レベルⅠは高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている者にも適用できる値である。
  3.  妊婦個々の体格や妊娠中の体重増加量及び胎児の発育状況の評価を行うこと必要である。
    注1:活用に当たっては、食事摂取状況のアセスメント、体重及びBMIの把握を行い、エネルギーの過不足は、体重の変化又はBMIを用いて評価すること。
    注2:身体活動レベルはⅠの場合、少ないエネルギー消費量に見合った少ないエネルギー摂取量を維持することになるため、健康の保持・増進の観点からは、身体活動量を増加させる必要がある。

ご自身の年齢や性別、身体活動レベルによって一日の消費カロリーの目安が把握できたと思います。身体には個人差があるので、あくまでも目安の数値ですが、この数値を把握しているのとしていないのでは大きな差になります。

ざっくりいえば、これより摂取カロリーを少なくすれば痩せ、多くすれば太る可能性があります。カロリーは食事の内容によって大きく変わりますので、ここで栄養価が高く、カロリーの低いプロテインの出番というわけです。

体重を落とす

摂取カロリー < 消費カロリー

計算上は摂取カロリーよりも、消費カロリーの合計を大きくできれば、痩せられます。ここでいう痩せるとは「筋肉を極力落とさずに、健康的に体重を落とす」ことで統一させていただきます。

食事の内容を踏まえて、プロテインをプラスするのか、それともなにかと置き換えるのかは、この総摂取カロリーが鍵になるのです。

食事だけで、すでに摂取したカロリーが消費カロリーを上回っているのに、さらにプロテインをプラスすればオーバーカロリーとなって、体脂肪の増加につながってしまいます。

例えば、脂っこいものやスナック菓子を食べる機会が多い方は、食事の総カロリーが増えやすい傾向にあります。糖質とタンパク質は1gあたり4kcalなのに対し、脂質は1gあたり9kcalと三大栄養素の中では最も高カロリーです。

痩せたいけど、3食のごはんをあまり減らしたくないという方は、まずは間食のお菓子をプロテインに置き換えて、全体的なカロリーを減らすという使い方にしてみましょう。

何事も極端に行うのは継続するのが難しいですよね。少しずつ、できることからが肝心です。

体重を増やす・筋肉を増やす

摂取カロリー > 消費カロリー

先ほどとは反対に、摂取カロリーよりも消費カロリーの合計を小さくすれば、増量することが可能になります。ここでいう増量とは「筋肉量を増やし、体格を大きくすることを目的とした増量」です。

極端な話、ただ単純に太りたければ、際限なく食べれば太ることにつながります。減量と同様、なにを食べるかがとても大切です。

もちろん、余分な体脂肪をつけたくないという方はいらっしゃると思います。増量の際には、筋肉量の増加に伴って体脂肪がついてしまいます。最低限の脂肪増加につなげるには、ジャンクフードやお菓子類は避けて、健康的なバランスの良い食事内容をキープしつつ、食事量や回数を増やしていく必要があるのです。

プロテインは食の細い方や余分な脂質や糖質を控えたい方には、おすすめのサプリメントです。間食や食事の際のドリンク代わりに取り入れるのもよいでしょう。

運動量が少ない方や栄養の過剰摂取傾向の方は注意が必要

ただしこんな方は、少し注意が必要です。

  • デスクワークで1日の運動量が極端に少ない生活が続いている
  • 日々、揚げ物やスナック菓子などに目がなく高脂肪、高炭水化物食が多い

不足するタンパク質を補う手段も運動刺激もなく、栄養の過剰摂取傾向の強い方には、本来の「太る」原因である、運動不足とカロリーオーバーであることが見落とされ、あたかも「プロテイン摂取」がその原因であったように錯覚してしまいがちです。

適度な運動習慣を身に付け、栄養摂取バランスを改善すれば肉や魚、卵、大豆などと同じようにプロテインを摂取しても全く問題はありません。

プロテインのカロリーを一般食品と比較してみた

運動しない人もプロテインを飲んだ方がいい理由とは?

まとめ

今回は、「プロテイン」と「太る」の関係性についてお話させていただきました。

プロテインは「タンパク質」を多く含む1つの食品なので、全体の食事の過剰摂取によるカロリーオーバーと極度な運動不足さえ気を付ければ、安心して摂取していただけることをご理解いただけたのではないでしょうか?

参考文献

1. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

この記事を書いた人

島袋 好一

トレーナー。体育学修士、JATI-AATI(上級トレーニング指導者)保有。トレーニング歴は30年にも及ぶ。「知識と実践の融合」、「担がざるもの教えるべからず」を最大のテーマに日々のセッションに対峙。専門学校講師時代は最大年間1000時間以上の座学、実技の講義及び運動指導者資格の対策講座を担当。