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HMBに副作用はあるのか?気になるデメリットについて

前田 修平
最終更新日:2021.01.14
グロング専属 鍼灸師

「HMBってすごい効果があるらしいよ」という噂を聞いたことはありませんか?

HMBには憶測や過大な解釈が多いのも事実です。しかしきちんと情報を整理して、正しい知識があれば特別不安になることはありません。

今回のコラムでは「HMBに関する副作用やデメリット」について詳しく解説します。

HMBとは

HMBの正式名称は「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸」といいます。身体に欠かせない必須アミノ酸のひとつである「ロイシン」が、体内で代謝される過程で作られます。

2015年に厚生労働省は「HMBは筋タンパク合成を誘導する重要な働きをすると想定されている。」と文書で発表しています[1]

また2013年の国際スポーツ栄養学会(ISSN)のガイドラインでも、プロテインやEAA、クレアチンを推奨するほかに「筋肥大・筋損傷の回復・加齢による筋肉減少の予防・脂肪量の減少」についてHMBも推奨しています[2]

そのため「HMBで筋肉が増える?減少を抑える?」と勘違いするのもムリはありません。

そもそも「HMB」とはなんでしょうか。結論、HMBは「シグナル」です。筋肉の分解を抑制して、筋肉の合成を促進させる体内の信号がHMBです。ただしそれは体内に十分な栄養があっての話。HMBだけを飲めばよいという考えはいったんなくしましょう。

前提として理解しておくこと

前提として理解しておくこと

HMBは薬ではない

よく栄養補助食品や機能性食品に「副作用ってないんですか?」という質問が向けられます。しかしそもそも副作用は「薬剤」に対して使われる言葉です。

肉や魚を食べすぎてお腹が痛いことを「副作用」とはいいませんよね。このコラムではあくまでもHMBが「食品」であることを前提として話を進めていきます。

タンパク質を十分に摂れていないと意味がない

もう一度いいます。HMBは薬ではなく、必須アミノ酸のひとつである「ロイシン」の代謝産物です。

体内での役割はシグナル。「筋肉の分解を抑制して、合成を促進してください」というスイッチです。スイッチが押されても、材料であるタンパク質が不足していれば、筋肉の合成は進みません。

大工さんは、材料があってはじめて家を建てられます。これについては、のちほど研究をご紹介します。

HMBの摂取で考えられるデメリット

HMBの摂取で考えられるデメリット

デメリットを考えたとき、いちばん気なるのは「効果が期待できるかどうか」ですよね。ここで最新のHMBに関する評価をご紹介します。

HMBを摂取しても大差はない?

2020年に発表されたHMBに関するメタ分析では、タンパク質を十分に摂取した上でHMBを摂取したグループと、タンパク質のみ(プラセボ)のグループ間で最大筋力の測定や除脂肪体重の増減を計測しました。結果、統計的に有意な差は見られなかったとしています[3]

この分析の被験者の食事は、体重あたりのタンパク質摂取量が1.9g/kg〜3.3g/kg、少なくとも1.45/kgとなっています。必須アミノ酸のひとつであるロイシンを含む、良質なタンパク質を摂取することで、ロイシンの代謝産物であるHMBを追加で摂取しなくても大差はないとの証明となりました。

2013年の国際スポーツ栄養学会、2015年の厚生労働省の発表から時がたち、HMBに関する世の中の受け止め方にも変化があらわれています。

ここで再度デメリットに戻りましょう。HMBを摂取しても有意な差がないのであれば、ボディビルダーやトップアスリートのように一般的な人よりも筋肉量や活動量が圧倒的に多く、トレーニングの質、量ともに高いレベルでおこなっている人以外は積極的に摂取する必要はないとも推論できます。

※ メタ分析:ひとつのテーマに対し、複数の統計的な論文をまとめてレビューした信憑性の高い分析のこと

費用が掛かる

HMBの効果について最新の知見をご紹介しました。そしてその知見に伴って考えるのは「コスト」です。

HMBを摂取するのであれば、その分のコストを良質なタンパク質(プロテイン)にあてたり、ジムやトレーニングに投資したほうが費用対効果としてはよいのかもしれませんね。

意図せず薬物を摂取してしまうリスクがある

フィットネス先進国のアメリカにおいて、過去にアナボリックステロイド(筋肉増強作用のある薬剤)の成分が混入しており、知らずに摂取していたという事例があります。こういった事例が「副作用」の誤解を生んでしまう一因なのかもしれません。

個人でも海外から簡単に商品を購入できるようになった時代です。自分の身は自分で守るように細心の注意を払いましょう。

まとめ

HMBは「薬ではない」「タンパク質を十分に摂取する」が、まず押さえておきたい前提条件です。その上で、人それぞれ「デメリット」と感じる部分は異なるかもしれません。今回ご紹介した研究結果もあくまで、専門家が発表した情報のひとつです。

実際は「どんな目的で、どんな効果を期待して、どのように活用していくのか」までを踏まえて考える必要があります。ダイエットしたいのにジャンクフードばかり食べていてはいけないように、ひとつのものをうまく活用するには、情報の整理と習慣の見直しが大切です。

何事もまずは「基本に忠実にやってみる」ですね。

参考文献

1. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2015 年版).

2. Wilson, J. M., Fitschen, P. J., Campbell, B., Wilson, G. J., Zanchi, N., Taylor, L., … & Ziegenfuss, T. N. (2013). International society of sports nutrition position stand: beta-hydroxy-beta-methylbutyrate (HMB). Journal of the International Society of Sports Nutrition10(1), 6.

3. Jakubowski, J.S.; Nunes, E.A.; Teixeira, F.J.; Vescio, V.; Morton, R.W.; Banfield, L.; Phillips, S.M. Supplementation with the Leucine Metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) does not Improve Resistance Exercise-Induced Changes in Body Composition or Strength in Young Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients 2020, 12, 1523.

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前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

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