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GronG MAGAZINE
コンディショニング

ただの肩こりじゃない?「ひどい肩こり」に潜むもの

前田 修平
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2020.07.04

今までの施術経験で、肩こりの症状をお持ちの方は本当にたくさんいらっしゃいました。

そして決して少なくない確率で「もうかれこれ何十年と肩こりが続いている」や「子どもの頃から肩こり症で」という方に出会います。その方々に共通していることは「肩こりで病院にかかったことがない」ことでした。

大半の方が、自分で「まあこんなもんだろう」「何十年も治ってないから治らないんだろう」「頭痛薬を飲んだらマシになるから」と判断してしまっているのです。

あまりにもひどい肩こりは背景に病気が隠れていたり、骨の変形などの症状を伴うことがあります。こちらの記事では、「放っておくと怖いひどい肩こり」についてご紹介します。

肩こりとは

肩こりとは

肩こりは主に筋肉の過緊張による血行不良から起こる症状です。筋肉の突っ張り感や硬さ、だるさなどの不快な症状を伴ったり、人によっては頭痛や目のかすみ、耳の閉塞感など他の部位にも影響が出ることがあります。

単純に筋肉の緊張をとればすべて解消するというものでもなく、

  1. 体形
  2. 姿勢
  3. 性格
  4. 生活習慣

など、その人すべての状態を考慮して対策をとる必要があります。

肩こりになりやすい人

これらは肩周辺の筋肉への血流量を低下させる要因になる場合があります。とくに性格や体形などは、生まれながらに持ち合わせた資質も関係しますので、非常に難しい問題です。

肩こりがあまりにも長期にわたっている場合は、専門家の意見を取り入れて対応していくのがよいでしょう。

気をつけたい肩こり

あまりにも肩こりの症状がひどい場合、自己判断せずに専門の医療機関を受診しましょう。「市販薬を飲み続ける」「マッサージに通い詰める」など、間違った対処方法を続けてとってしまうと、身体にかかる負担は解消しないままなのに、副作用や揉み返しに悩まされるといった状態になってしまいます。

とくに肩こりによって激しい頭痛がしたり、吐き気を感じたりするようなことがあれば、脳神経や血管系の症状のサインかもしれません。

肩こりと関連性のある症状を以下にまとめますので、受診の際の参考になさってください。

筋骨格系の疾患

肩や頸周辺はとくに頭や腕の重みがかかりやすい箇所です。

筋肉の過緊張が長期間にわたると、骨や関節に影響して変形につながったり、神経や血管を圧迫することで、別の症状を引き起こすことがあります。

頚椎症、頸椎椎間板ヘルニア

背骨のうち、上部7つは頸椎という頸の骨にあたります。頸椎は頭蓋骨を支えたり、肩や腕を支える筋肉が付着する場所です。

頸椎症は関節への過剰な負担によって、頸椎が変形し本来の自然なカーブが失われてしまう状態を指します。椎間板ヘルニアも周辺の筋肉の過緊張から頸椎のカーブに負担がかかり、骨のクッション材である椎間板が神経を圧迫することで起こります。

両疾患とも肩こりだけにとどまらず、手や指先に力が入らなくなったり、しびれが出るなど、神経症状を伴うこともありますので注意が必要です。

リウマチ

リウマチは免疫異常症の一種で、全身の筋肉や関節に炎症が起こります。とくに50代以降の女性に多い症状です。その中でもリウマチ性多発筋痛症は、頸・肩などにこわばりや痛みを感じることが多く、37~38℃の発熱を伴うこともあります。

肩こりに加えて微熱が続いたり、起床時の身体のこわばりなどが気になる方は、早めの受診をおススメします。

腱板断裂

肩を構成するのは、主に骨と筋肉と軟部組織(靱帯、腱、滑液包など)です。このうち、軟部組織のひとつである腱板は肩こりの症状と非常に関係性が深いものです。

慢性的に筋肉が緊張し、肩関節に必要以上の負荷がかかると、筋肉の末端部にあたる腱や腱板には常に強い力がかかります。腱板は関節をまたいで腕の骨についており、動作の際に摩擦が大きくなり、ひどくなると腱板の一部もしくは全部が断裂することがあります。

五十肩や肩こりと間違えやすい疾患ですので、安静時痛、夜間痛や極端な可動域制限のある場合は注意しましょう。

脳疾患

頸や肩は、身体の司令塔である脳や中枢神経に非常に近いです。脳や神経を栄養する血管が肩こりによって圧迫され、慢性的な血行不良が続くことは、脳神経系への影響を考えると、できるだけ避けたいところです。

肩こりが続いている方は、以下の症例の兆候がないかチェックしてみましょう。

脳梗塞

脳梗塞は、脳内の血管が狭くなったり詰まることで、脳への酸素や栄養の供給が絶たれ、身体に障害が出る症状です。

前兆として代表的なものは「ろれつが回らない」「身体半分がしびれる・力が入らない」「嘔吐する」などが挙げられます。また「原因不明の肩こりが突然発症する」というのも兆候のひとつに挙げられます。

今までに肩こりとは縁がないし、肩に負担がかかるような覚えはないのに、突然肩こりの症状が出た方は要注意です。

パーキンソン病

パーキンソン病は、

を症状とする病気で、50歳以上で起こる病気です。まれに、40歳以下で起こる場合もあり、若年性パーキンソン病とよんでいます。

脳内の神経伝達物質であるドーパミンの分泌低下が原因とされていますが、特定の原因はわかっていません。初期症状として起こる筋肉の固縮を肩こりと感じることもあります。

少し動きが鈍くなったなと感じたり、ふらつきが伴うような場合は注意が必要です。

循環器系疾患

血管は全身にわたって張り巡らされており、心臓から送られた血液が筋肉や内臓などを栄養しています。

肩こりで筋肉の慢性的な緊張状態が続くと、血管が狭くなったり、血管が硬くなったりと負担が増えてきます。長引く肩こりは、循環器系の症状につながるリスクもありますので、注意が必要です。

心筋梗塞

心筋梗塞は血管の硬化(動脈硬化)によって、心臓をぐるりと取り囲む冠動脈に血流がよく届かず、心筋(心臓を動かす筋肉)を動かせなくなる症状です。

心筋梗塞は突然死の原因にもなる恐ろしい病気です。心筋梗塞には放散痛という兆候があり、心臓以外の場所に痛みが放散する場合があります。

左肩に痛みがでる場合もあり、脳梗塞と同じように肩こりを感じたことのない方が、なんの前触れもなく突然痛みやコリを感じた際は注意が必要です。

狭心症

狭心症も心臓の病気です。心筋梗塞の一歩手前のような症状で、心臓を栄養する冠動脈が詰まりかかっているという状態です。また胸の痛みや締め付け感を感じたりします。

狭心症による肩こりは一過性の場合が多く、狭心症の症状と並行して起こり、胸の締め付けや痛みが治まれば、肩こりも落ち着くことが多いといわれています。

しかし肩こりはおさまっても、血管が詰まりやすい状態は改善されていませんので、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

高血圧症・低血圧症

血圧の変動は、血管の収縮と拡張に深く関係しています。基本的には血管が拡張しているときは血圧が下がり、収縮しているときは血圧は上がります。

一般的には高血圧と肩こりの関係性がイメージしやすいかもしれませんね。肩こりによって筋肉が硬くなると、血流量が低下し、血管が硬くなります。これによって血圧が上がると、さらに心臓や血管にかかる負担が増えるという悪循環になります。

肩こりが続いている人は、知らず知らずのうちに高血圧症になっているかもしれませんので、注意が必要です。

また低血圧も肩こりを伴う場合があります。血圧が低いと、全身の筋肉に血液を送るポンプの力が低下します。これによって筋肉を栄養する血流量が不足するため、倦怠感や肩こりを伴うことがあるのです。

低血圧症は今すぐ命にかかわるような症状との関連性が低いため、明確な基準も設定されいませんが、生活の質(QOL)を下げてしまう要因にもなります。

血圧は、生活習慣病になるリスクを高めたり、日常生活に支障が出てしまう要因でもあります。心当たりのある方は一度、医療機関を受診してみましょう。

自律神経系

交感神経は血管の収縮、心拍数の増大、血圧の上昇など、身体を活動的にする神経です。仕事や運動で集中しているときは交感神経が優位に働いています。

副交感神経は血管の拡張、心拍数の減少、血圧の下降など、身体を休息させる神経です。食事をしたり、お風呂に入った後リラックスした状態のときに優位に働きます。

交感神経と副交感神経という2つの自律神経が相互に作用して、一日の生活リズムを整え、健康的な生活を送るためのサポートをしてくれているのです。

自律神経失調症

自律神経失調症の症状として、肩こりが挙げられます。

交感神経・副交感神経がバランスの取れた状態であれば、身体は正常に作用します。しかし仕事で気の抜けない時間が続いたり、強いストレスがかかる状態が長くなると、この2つのバランスが乱れてしまうのです。

交感神経が過剰に働き、血管が収縮して、頭に血が上るような状態は、非常に肩こりを生みやすい状態です。

という場合には、身体の機能が失調しているかもしれません。一度立ち止まって、身体の声に耳を傾ける時間を作るとよいでしょう。

冷え症

冷え性は全身の血流量が反映される症状です。

末端の血管は非常に細く、血管が拡張しているときは血流量が保たれやすいです。しかし運動不足や筋力低下で筋肉を動かす力が弱いと、筋肉が硬くなり、循環が悪くなってしまいます。

また交感神経が優位に働いているときは、脳や心臓への血流量が増えます。そのため末梢部分は温度を下げて熱のバランスをとろうとするのです。結果、手先や足先への血流量は優先順位が低くなってしまいます。

手や足元は冷えているのに、頭はボーっとしてのぼせてしまうような症状は「冷えのぼせ」とよばれ、肩こりを伴うことが多い症状です。

更年期でもないのにのぼせてしまう場合も、自律神経の乱れが背景にあるかもしれません。心身のバランスや生活習慣を見直すよい機会ですので、医療機関でアドバイスを受けましょう。

まとめ

肩こりは慢性化しやすく、症状に悩んでいる人が多いのも特徴です。

と、ついつい我慢したり、あきらめてしまうことも多いのではないでしょうか。

今回は「肩こりの背景に重大な病気や疾患があるかもしれない」というテーマでしたが、決してみなさんの不安を煽るためではなく、自分の身体を客観的に見つめるというキッカケになればよいなという思いで執筆にしました。

おせっかいかもしれませんが、安易に「肩こりだろう」と自己判断せず、「ただの肩こりじゃないかもしれない」という疑問を持つことも大切です。

医療機関を受診して、何の問題もなければ、それはひとつの安心につながりますよね。もし仮に、なんらかの病気が見つかった場合は、早期に対応できる可能性があります。

自分と大切な誰かのために、当たり前にあることをもう一度見直してみませんか。

参考文献

森本昌宏. (2010). < 総説> 肩こりの臨床–適切な診断と治療のために. 近畿大学医学雑誌, 35(3-4), 151-156.森本昌宏. (2010). < 総説> 肩こりの臨床–適切な診断と治療のために. 近畿大学医学雑誌, 35(3-4), 151-156.

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前田 修平
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。