お買い物
menu

グルタミンの重要性 | 丈夫な身体を維持するための方法を解説

前田 修平
最終更新日:2022.07.12
グロング専属 鍼灸師

筋トレをしている人なら「グルタミン」というアミノ酸のことは聞いたことがあるかもしれません。筋トレによる筋肉向上を目指す場合、材料であるアミノ酸との関係は切っても切れない仲ですからね。

ところがグルタミンは筋トレをしている人だけでなく、仕事や家事など日々の生活を頑張っている人にも必要な栄養素なのです。仕事や家事に追われて余裕のないときは、グルタミンが足りていないことがあるかもしれません。

今回は「グルタミン」の重要性について、健康維持のための役割を中心に解説します。

グルタミンとは

グルタミンとは

グルタミンとは身体を構成する20種類のアミノ酸のうち、非必須アミノ酸11種類のひとつに分類されます。非必須といっても、この11種類がなければ身体は組織をつくれないため、非常に重要な栄養素であることは間違いありません。

中でも「グルタミン」は骨格筋※1の遊離アミノ酸※2に占める割合が60%と高く、身体の潤滑油としても重要です。

重要度が高いため「準必須アミノ酸」ともいわれていて、体内で他のアミノ酸を利用して作ることはできるものの、不足した状態が続いてしまう場合には直接食事から摂取したほうがよいとされています。それだけ身体には大切なアミノ酸なんですね。

※1 骨格筋:身体を構成する筋肉のうち「骨格を動かすための筋肉」のこと。随意筋とも呼ばれ、自分の意志で動かせる筋肉を指す。対照的に内臓は不随意筋といい、自分の意志では動かせない。

※2 遊離アミノ酸: タンパク質を構成しないアミノ酸。細胞や血中に蓄えられているもので、生体維持のために必要なアミノ酸。

筋肉中のグルタミン

グルタミンと筋肉

骨格筋の遊離アミノ酸のうち60%以上がグルタミンとお伝えしました。それでは実際に筋肉周辺では、どのような役割を担っているのでしょうか。

トレーニングやスポーツ、肉体労働をおこなうと活動中からすでに筋肉の分解と修復ははじまっているのです。グルタミンやBCAAをはじめとするアミノ酸は筋肉や血中に存在し、主にエネルギー源として機能します。筋トレにより筋肉アップを目指す場合には、アミノ酸を潤沢に補給してエネルギー源を確保しておくことをオススメします。

また運動のストレスにより組織が傷ついた場合、身体は修復しようと働きます。グルタミンはその際のエネルギー源として力を発揮します。運動後コンディションを整えたい場合には、糖質とグルタミンを同時に摂取するとよいでしょう。

健康維持のためのグルタミン

グルタミン 胃腸 免疫

グルタミンに関する研究は盛んにおこなわれており、現在では健康維持に関してのさまざまなメリットが明らかになっています。グルタミンに関する研究のレビューでは「身体を保護し、健康維持のために重要な栄養素」と報告されています[1]

グルタミンが不足すると

グルタミンが不足すると

グルタミンは外的刺激に対抗する際のエネルギー源として使われる側面もあります[2]。運動はもちろん、日常生活の些細なこと(対人関係のイライラ、お腹が空いている、エアコンが寒いなど)も身体にとっては刺激になることがあります。

その際に身体を守るために体内のグルタミンが大量に消費してしまうのです。

グルタミンの不足は体調管理をする上でよくありません。体内でのグルタミン合成だけでは十分な供給量を確保できないため、グルタミンを豊富に含んだ食材などから効率的に摂取する必要があります。

まとめ

グルタミンは身体における重要度の高さから「準必須アミノ酸」や「条件付き必須アミノ酸」と表現されることもあり、専門家の間では「必須アミノ酸の概念を再考すべきだ」という意見も出ているそうです。

今回のコラムで解説した点を考慮すると納得の意見ですよね。それだけ身体への貢献度が高い栄養素といえそうです。

グルタミンは年齢とともに衰えていきやすい健康を維持するための縁の下の力持ち的な存在で、私たちの生活に欠かすことのできない栄養素なのです。

参考文献

1. Wang B, Wu G, Zhou Z, et al. Glutamine and intestinal barrier function. Amino Acids. 2015;47(10):2143-2154. doi:10.1007/s00726-014-1773-4

2. Curi R, Newsholme P, Pithon-Curi TC, et al. Metabolic fate of glutamine in lymphocytes, macrophages and neutrophils. Braz J Med Biol Res. 1999;32(1):15-21.

この記事をシェアする
前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

RECOMENDED
関連記事