お風呂上りにおこなうストレッチの効果とおすすめ8選
みなさんは「お風呂」に浸かっていますか?
現代人は生活習慣の欧米化により、お風呂は「シャワーで済ませている」という方も多いかもしれません。その理由には「ゆっくりとお風呂に入る時間がない」「面倒くさい」などさまざまな背景はあるかと思います。
この記事では「お風呂上がりのストレッチ」の効果についてご紹介します。
お風呂に入った後にストレッチをすると「なんとなくよさそう」と想像がつくかもしれませんが、いったいなにがどのように作用して「よい」のでしょうか。
普段ストレッチに取り組んでいる方も、これからはじめようという方も、この記事を読んでいただければその効果を身体で実感できるはずです。
お風呂に浸かることの効果
日本人は昔から湯船につかる「温浴」という習慣があります。入浴は心身を清潔に保ち、リラックスするのにとてもよい習慣ですよね。
そもそもお風呂に入ることで身体にはどんな作用が起こるのでしょうか。またそれは、その後のストレッチにどんな効果をもたらすのでしょうか。
①温熱作用
お湯の温度により得られる効果には違いがあります。
高温浴(42℃~44℃)
熱めのお湯に浸かることで「交感神経」が優位になります。これから活動する朝にお風呂に入る場合は「少し高めの温度にサッと入る」がよいかもしれません。
※血圧や血管の持病をお持ちで、不安のある方はムリをせず、ぬるめのお湯に浸かりましょう。
微温浴(37℃~40℃)
ぬるめのお湯に浸かることで「副交感神経」が優位になります。鎮静作用があり、心身の興奮を抑制。心拍数を下げ、筋肉の緊張を抑えます。
またリラックス効果があるため、ゆっくり眠りたいときや疲れを取りたいときは「ぬるめのお湯にゆっくり浸かる」のがよいかもしれません。
ストレッチ前には、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるほうが相乗効果が引き出せそうですね。
②水圧作用
湯船に浸かると、全身に水圧がかかります。湯船につかっているときは水圧の作用でウエストが3~5cmも細くなります。
この「水圧」は身体の表面だけでなく、皮膚の下にある血管にも作用することで、末梢血管の循環が促され、全身の血流がよくなります。これにより、疲労物質や老廃物の排出がスムーズになるのです。
③浮力作用
お湯につかると浮力の力で体重はおおよそ10分の1になります。湯船は身体から少し大きい程度ですが、プールや海と同じ効果があります。
これを「浮力作用」とよび、この浮力によって、体重を支えている筋肉や関節を重力から解放して休ませることになり、身体の負担を大きく軽減できるのです。
上記3つの効果により、身体は「筋肉が温かい」「血流がよい」「リラックスしている」状態になります。「お風呂上りのストレッチ」と組み合わせることで、さらに身体の調子を整えられそうです。
代謝がよく、筋肉が動きやす状態は、ダイエットに大切な「痩せやすい身体」にも繋がりますね
お風呂上りにおススメのストレッチ
ではお風呂に入った後のストレッチはどういったものがよいのでしょうか。
人間の身体には交感神経と副交感神経という2つの自律神経が存在しています。お風呂に入った後は、そのままお休みになる方も多いでしょうから、身体をリラックスさせるようなストレッチがよいでしょう。
首と骨盤周りをゆるめる
副交感神経は、首の上に「脳幹」、骨盤の真ん中に「仙髄」という場所があり、そこから顔や内臓に向かって神経が伸びています。首や骨盤周りの筋肉をほぐすことで、周辺の血流をよくし、副交感神経が働きやすい状態をつくりましょう。
さらに股関節の可動域は周辺のおしりや太ももなどの影響を受けます。全身に占める割合においてもとくに大きい筋肉が多く、血流量も豊富です。
開脚などで身体の柔軟性を高めたい方には、お風呂上がりのストレッチは効率がよくなるのでおすすめです。
首のストレッチ
1. 首側面のストレッチ
対象となる筋肉
胸鎖乳突筋、斜角筋、脊柱起立筋群、後頭下筋群
①座った状態でおこないます。背筋は伸ばしましょう。
②片方の手を反対側の耳の上に添えて置きます。
③首をゆっくりと傾けながら伸ばします。ある程度伸びを感じたら、添えた手に少し力を加えてさらに伸ばします。
④気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
⑤反対も同様におこないます。
2. 首前面のストレッチ
対象となる筋肉
胸鎖乳突筋、椎前筋群、斜角筋群
①座った状態でおこないます。背筋は伸ばしましょう。
②胸の前に両手で水をすくうような形をつくります。
③そのまま上げていき、下あごから首に添えます。
③首をゆっくりと上に傾けながら首の前を伸ばします。
④ある程度伸びを感じたら、添えた手に少し力を加えてさらに伸ばします。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
3. 首後面のストレッチ
対象となる筋肉
胸鎖乳突筋、脊柱起立筋群、板状筋群、後頭下筋群
①座った状態でおこないます。背筋は伸ばしましょう。
②頭の後ろで手を組みます。
③そのまま下を向き、頭の重みを利用して首の後ろを伸ばします。
④ある程度伸びを感じたら、添えた手に少し力を加え、軽く背中を丸めます。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
4. 背骨丸めストレッチ
①座って膝を曲げ外側に倒します。身体の前に手を伸ばし、床につきましょう。
②背中を丸めるようにして手を徐々に前へ伸ばします。
③ゆっくりと呼吸をして背中側の筋肉を首から骨盤の後ろ辺りまで伸ばします。
④ある程度伸びを感じたら、床についている手を遠くにつき、さらに伸ばしていきます。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
骨盤周りのストレッチ
対象となる筋肉
大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋などの外旋筋群
5. 膝かかえストレッチ
①仰向けに寝ます。脚は伸ばしましょう。
②片方の膝を曲げ、両手で抱えるように胸の方へ寄せます。背中はまっすぐキープします。
③おしりから太ももの後ろ辺りにかけて伸びを感じましょう。
④ある程度伸びを感じたら、よりももとお腹を密着させてさらに伸ばします。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
⑥反対側も同様におこないます。
6. 回旋ストレッチ
①仰向けに寝た状態で片方の膝を曲げて反対側の脚をまたぎます。
②手を立てた膝に乗せて、そのまま身体をひねります。
③腰からおしりの外側にかけて伸ばします。背中は丸めないように気をつけましょう。
④ある程度伸びを感じたら、少しずつ膝を伸ばしていきます。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
⑥反対側も同様におこないます。
7. 太もも前のストレッチ
①横向けに寝ます。腕で枕を作り、姿勢をまっすぐに保ちます。
②膝を曲げて、手で足首を掴みます。少しずつ身体の後ろの方へ伸ばします。※足首を掴みにくい方は、先に足首を掴み、ゆっくり後ろにもっていきましょう。
③太ももの前を伸ばします。背中が丸まらないように気をつけましょう。
④ある程度伸びを感じたら、おしりと踵を近づけてさらに伸ばしていきます。
⑤気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
⑥反対側も同様におこないます。
8. 太もも裏のストレッチ
①仰向けに寝ます。片方の脚を持ち上げ、膝の裏あたりに両手を添えます。足首は立てて、つま先を天井に向けましょう。
②少しずつ脚をお腹の方へ寄せて、太ももの後ろを伸ばします。背中が丸まらないように気をつけましょう。
③ある程度伸びを感じたら、両手の位置をふくらはぎから足首のあたりに変えて、さらに伸ばしていきます。
④気持ちのよいところで止めてゆったりと呼吸を続け、20秒キープします。
⑤反対側も同様におこないます。
まとめ
お風呂に浸かることをあらためて見直すと、身体によいことがたくさん詰まっていましたね。当たり前の習慣を見直すと、少しの工夫で大きなメリットを得られます。
とくにストレッチはお風呂で得られた身体への効果をより引き上げる手段になりそうです。
またお風呂の温度や時間などは、個々人の目的や好みによって自由に変えてみるのもおススメですね。温泉やスーパー銭湯などの入浴施設を利用したりするのも楽しいですし、お風呂文化のある日本人であることいかして、身近なところから身体のケアに取り組んでみませんか。