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GronG MAGAZINE
ストレッチ

筋肉痛はストレッチで予防できるのか?

前田 修平
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2020.06.25

「明日、筋肉痛がくるな……」と覚悟していたけど、意外と平気で「おれ(わたし)もまだまだ若いな!」と喜んだのも束の間。2日後に「イタタタタ……!」ってことありませんか?筋肉痛って不思議ですよね。

「筋肉痛が遅れて出るのは年を重ねた証拠」というのはもう過去の話。現在、遅れてやってくる筋肉痛(DOMS:遅発性筋肉痛)に明確な根拠はないことが明らかになっています[1]

では果たして筋肉痛にならないような方法はあるのでしょうか。今回は筋肉痛についてのあれこれと、それを踏まえ「ストレッチで筋肉痛が予防できるのか?」についてお伝えします。

筋肉痛について

筋肉痛について

筋肉痛を巡る研究は専門家たちの中でも日々移り変わっています。

中でも一般的な「遅れてやってくる筋肉痛」は、いまだに医学的な根拠はわかっていません。しかし筋肉痛が起こる際に関連していることは、いくつか明らかになっていますので詳しくご紹介します。

筋線維が再生する過程での炎症

筋肉の線維に微かな傷がつくと、修復過程で白血球を中心とした血液が集まります。その際に発痛物質が生産され、炎症が起きて痛みを認識するといわれています。

結合組織(腱・靱帯など)の損傷

筋肉は「筋細胞」とその周辺の「結合組織」から構成されています。筋細胞は伸縮性が高く、結合組織は伸縮性が低い特徴があります。

筋肉に対して負荷が加わり組織の形が変わると、柔軟性の少ない結合組織は傷つき、炎症が起こるのではないかといわれています。

「乳酸」による酸性化

乳酸はかつて「疲労の原因物質」とされていましたが、現在は「筋肉を動かすエネルギー」を作るために必要な物質という位置づけです。

激しい運動の際、身体は糖からエネルギーを多く作ろうとします。乳酸と共にエネルギーを作る過程で水素が発生すると、中性であった血液が酸性となります。酸性化した筋肉は硬くなり、「だるさや痛み」を感じるようになるのです。

筋肉痛を予防するための条件

筋肉痛を予防するための条件

では明確な根拠のない「遅発性筋肉痛」を予防することはできるのでしょうか。運動と栄養の観点から予防策を考えてみましょう。

運動においての予防

  1. 慣れ:ウォーミングアップを入念におこなう。身体を徐々に慣れさせていく。
  2. 負荷:負荷の軽いところからはじめる。運動後にはクールダウンをおこなう。
  3. 時間:運動時間を徐々に延ばしていく。普段からの運動を習慣化する。

日頃から慣れ親しんだ運動であっても、きつい内容であれば筋肉痛が起こる可能性はありますし、時間は短くて軽い運動でも、慣れていなければ筋肉痛になることもあるでしょう。

栄養においての予防

1.タンパク質

運動中や運動後の修復過程には、筋肉の元になるアミノ酸が大切です。

筋肉は運動中からすでに細かい筋線維の損傷が起こっています。運動の1時間ほど前にタンパク質を摂ることで、血液中のアミノ酸濃度をあげておきましょう。

2.水分

運動の際に汗をかくと、体内の水分が蒸発し、血液の濃度が濃くなります。

すると血液の循環が悪くなり、酸素や栄養が行き渡りにくくなると筋肉痛を起こしやすくなります。こまめに水分を補給して、予防に努めましょう。

3.クエン酸

乳酸は疲労度の強い運動の際にエネルギーを作る過程で発生します。「クエン酸」には乳酸の発生を抑える作用があり、レモンや梅干し、黒酢などを摂ることで、筋肉痛を事前に予防できます。

最近では、コンビニでも手軽に必要な栄養を摂ることが可能になってきました。スポーツイベントやジョギングなどの出先でも、すぐに手に入るのは嬉しいですね。

筋肉痛の予防に効果的なストレッチ

筋肉痛の予防に効果的なストレッチ

さて、運動前後のストレッチが筋肉痛の予防に大事そうなことはわかってきました。

肝心なことは「どんなストレッチをするのか」ですよね。運動前後に分けて整理してみましょう。

運動前

運動前のウォーミングアップに適しているのは「動的ストレッチ」です。ゆっくりと身体を動かしながら、筋肉の温度を上げる方法です。

ラジオ体操が一般的ですが、今日の調子を確かめるように少しずつ身体を動かしましょう。このウォーミングアップの段階で違和感や不調を感じたら、運動自体をやめたり、内容を変更しましょう。

運動後

筋肉痛の予防にはアフターケアの重要性が高いです。これには「静的ストレッチ」が適しています。

運動後、呼吸を整えたらクールダウンの時間を確保しましょう。筋肉をいたわるように丁寧にストレッチします。ここでは「柔軟性を高める」という位置づけではなく、「筋肉の疲労を取り除く」ために気持ちよい程度で、軽くおこないましょう。

疲労が強い方は専門家によるストレッチやケアを受けるのも有効な方法です。運動前後のケアにより、筋肉のダメージを最小限に抑えることが、筋肉痛対策の第一歩になります。

まとめ

筋肉痛のメカニズムは複雑で、明確な原因ははっきりしていません。

運動前にストレッチをして十分に身体を温めたり、運動後、丁寧にストレッチをして筋肉の疲労をいたわったりしたとしても、残念ながら筋肉痛を「完全に」予防するための必要十分な条件にはなり得ません。

ただし筋肉痛自体は防げないとしても、筋肉痛の「度合い」や「回復までの時間」を早めることはできそうです。ストレッチに加えて、

など、やるべきことは見えてきました。

物事に「完璧」「絶対」はありません。筋肉痛は運動後の「悪い結果」ではなく、身体が前向きに変化している「良い過程」と捉えて、日々の運動習慣のモチベーションにつなげてみてはいかがでしょうか。

参考文献

1. Cheung, K., Hume, P. A., & Maxwell, L. (2003). Delayed onset muscle soreness. Sports medicine33(2), 145-164.

2. 日本ペインクリニック学会. 痛みの基礎知識. 閲覧2020-06-20, https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_bunrui.html

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前田 修平
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。