BCAAの飲み方・飲むタイミングについて解説
トレーニングと切っても切り離せないのが栄養。自身の頑張りをしっかりと生かすためにタンパク質やアミノ酸などいろいろと試したくなりますよね。
そして摂取しはじめて気になるのが「タイミング」です。せっかく摂取している栄養素。できればタイミングよく摂取したいですよね。
タンパク質とアミノ酸は、消化に要する時間が異なります。トレーニング上級者であれば自身のトレーニングと栄養素が吸収されるまでの時間を計算し、日々の食事管理をおこなっていることでしょう。
これからBCAAを摂り入れます!という方もご安心ください。今回のコラムでは、タンパク質とアミノ酸の違い、そしてBCAAの効果的な飲み方・タイミングを解説します。
BCAAの体内での活躍
BCAAとはバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸を指します。枝分かれした構造上の特徴から分岐鎖アミノ酸あるいはBCAA(branched-chain amino acid)と呼んでいます。これら3つのアミノ酸は体内で合成できない必須アミノ酸に該当するため、食事から摂り入れなければなりません。
運動中、糖質や脂質などもエネルギー源として使われますが、これらが減ってくるとアミノ酸が利用されます。とくに筋肉ではBCAAが効率的にエネルギーとして使われます。
このほか、トレーニングによる筋肉の成長やコンディション準備などBCAAの活躍は多岐にわたり、運動中に摂り入れたい栄養素の代表といってもいいでしょう。
BCAAの摂取タイミング
朝の補給
夜から朝にかけては絶食時間が長く、体内に蓄えられているエネルギーやアミノ酸が低下している状態です。そこで朝にBCAAを活用するのがオススメです。
タンパク質は「朝・昼・夕」の食事で一定の割合で摂取したほうが、理想の身体づくりが期待できるといわれています[1]。とくに朝食はタンパク質が不足しがちです。お目覚めでBCAAをチャージし、いつもどおりに朝食を食べることでタンパク質をしっかり摂取できますね。
運動前・中・後
BCAAは消化にあまり時間がかからず、30分程度で血液中に到達するといわれています。素早く吸収される特徴から、一気に摂取すると浸透圧性の下痢を起こすことがあります。運動前から後にかけて少しずつ摂取しましょう。
吸収時間を逆算し、運動前を目安に摂取しはじめると、運動するタイミングでBCAAが働くようにできるため、エネルギーとして利用されたり、運動による身体づくりのサポート役として活躍してくれるでしょう[2]。
とくに長時間の運動時はエネルギーを消耗します。糖質や脂質に加えて、アミノ酸もエネルギーを作り出すために必死に働きます。こまめにアミノ酸を摂取し、エネルギーを与えることで運動パフォーマンスを維持できるのではないでしょうか。
食事でアミノ酸をカバー
残念ながらBCAAだけでは筋肉の成長やリカバリーは難しいでしょう。
20種類のアミノ酸をしっかり補給していることが大前提となります。食事でタンパク質を摂り入れましょう。肉や魚といったタンパク質はアミノ酸と比較して緩やかに吸収されるため、運動後のリカバリーに適しています。
運動後のリカバリーには糖質やビタミン・ミネラルなど多くの栄養素を必要とします。バランスのよい食事を心がけましょう。嬉しいことにバランスのよい食事をしているとBCAAの不足の心配はないといわれています。
まとめ
BCAAはタンパク質に比べて素早く吸収される特性がありました。通常よりも激しくエネルギーを消耗する、トレーニングや持久力系スポーツの手助けをしてくれるのではないでしょうか。
ポイントは運動前~運動後にかけてBCAAを摂取し、運動後、タンパク質を豊富に含んだ食品で頑張った身体にしっかり栄養をあたえることです。栄養素の特性をいかし、望ましいタイミングで摂り入れてみましょう。
参考文献
1. Mamerow, M. M., Mettler, J. A., English, K. L., Casperson, S. L., Arentson-Lantz, E., Sheffield-Moore, M., … & Paddon-Jones, D. (2014). Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. The Journal of nutrition, 144(6), 876-880.
2. Shimomura, Y., Inaguma, A., Watanabe, S., Yamamoto, Y., Muramatsu, Y., Bajotto, G., … & Mawatari, K. (2010). Branched-chain amino acid supplementation before squat exercise and delayed-onset muscle soreness. International journal of sport nutrition and exercise metabolism, 20(3), 236-244.