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BCAAを寝る前に摂取するメリットとデメリット

坂口 真由香
最終更新日:2021.03.18
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

スポーツのアミノ酸といわれる「BCAA」。BCAAは筋肉のパフォーマンス維持や疲労回復などさまざまな働きをするといわれています。

日々トレーニングに励む方であれば一度は耳にしたことがある、もしくはすでに摂り入れている方も多いのではないでしょうか。

愛用している方にとっても気になるのが摂取タイミング。とくに寝る前は消化に影響はないのか?睡眠の邪魔にならないのか?など気になるポイントは沢山ありそうですね。

今回のコラムでは「BCAAを寝る前に摂取するメリット・デメリット」について解説します。

BCAAを寝る前に摂取するメリット

BCAAを寝る前に摂取するメリット

多くのアミノ酸は肝臓で代謝されますが、肝臓で代謝されないBCAAは筋肉に運ばれて活躍します。筋肉をつくる材料の一部となったり、エネルギー源になったりなど幅広い役割を担っているのです。

筋肉はスポーツ時に限らず日中や寝ている間、絶えず細胞分裂を繰り返し、古い細胞を壊して、新しい細胞を作っています。つまり筋肉は常に材料となるアミノ酸を必要とし、日々の食生活でタンパク質を摂り入れることが大切なのです。

寝ている間はアミノ酸の供給が途絶えるため、筋肉は分解に傾く可能性が高く、寝る前にBCAAを摂取することは理にかなっているといえるでしょう

就寝時に食べ物が胃に残っていると、体は回復よりも消化の働きを優先させてしまいます。なるべく寝る前は、ヨーグルトなどの消化されやすい食品をオススメします。

メリット

BCAAを寝る前に摂取するデメリット

BCAAだけは不十分

体内で私たちの体をつくるアミノ酸は全部で20種類です。20種類のうちひとつでも欠けると身体はうまく機能しません。とくに体の回復がおこなわれる睡眠中は、20種類のアミノ酸が必要です。

BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンといった3つのアミノ酸からなるため、BCAAだけでは十分でないことも考えられます。そのためにも食事からタンパク質をしっかり摂り入れておきましょう。

BCAAは睡眠を邪魔する可能性がある

睡眠の質を高めるために必要なのは「メラトニン」と呼ばれる睡眠ホルモンです。メラトニンは朝から少しずつ分泌され、夜に分泌量が上昇することで副交感神経が優位になり、脈拍や体温調節がおこなわれ自然な眠りへと導いてくれます。

このメラトニンの分泌を調節しているのが「セロトニン」と呼ばれるホルモンです。セロトニンは日中から夜にかけて分泌量が低下し、メラトニンの分泌を促進します。セロトニンの材料となるのがトリプトファンというアミノ酸の一種です。

トリプトファンは、

などさまざまな食品に含まれており、日々の食事から摂り入れたいものです。

ところがBCAAはトリプトファンの脳への取り込みを邪魔してしまう恐れがあるのです[1]。とくに炭水化物を制限し、BCAAに偏った食生活をしているとよい眠りにつけないかもしれません。

トリプトファンとBCAAは脳に到達するための専用の車(輸送体)をシェアしています。BCAAに偏っているとトリプトファンが車に乗れなくなるため、セロトニンの合成に支障をきたすかもしれないのです。

BCAAに偏っている場合

一方、炭水化物なども一緒にバランス良く食べていると、インスリンと呼ばれるホルモンがブドウ糖と一緒にBCAAも筋肉に取り込もうとします。すると車(輸送体)の取り合いにならず、トリプトファンが脳へ到達できるのです。またBCAAは酵素によって分解されて体内で利用されます。酵素の材料となるのがビタミンB6です。

つまり日々の食生活から炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミン・ミネラルとバランスの取れた食事こそ、トリプトファンもBCAAもほどよく摂取できるのではないでしょうか。

バランス良く食べている場合

デメリット

まとめ

今回はBCAAを寝る前に摂取することによるメリットとデメリットをご紹介しました。

メリット・デメリットともにありますが、目的によって捉え方や体感は異なるでしょう。メリット・デメリットを正しく知り、自身の体と相談しながら活用してみてください。

参考文献

1. Blomstrand, E. (2006). A role for branched-chain amino acids in reducing central fatigue. The Journal of nutrition, 136(2), 544S-547S.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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