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クレアチンローディングとは?期間や方法について

島袋 好一
最終更新日:2021.02.09
島袋 好一
トレーナー(寄稿)

スポーツや筋力トレーニングをおこなうとき、事前にそのエネルギー源を体内に貯蔵するための栄養素の摂取方法を「ローディング」といいます。

瞬発的に大きな筋力を発揮するスポーツやトレーニングをおこなうとき、必須のエネルギー源であるクレアチンを貯蔵するための摂取方法を「クレアチンローディング」といいます。

今回のコラムでは「クレアチンローディング」について詳しく解説していきます。

クレアチンローディングの方法

クレアチンローディングを効果的に実践する最良の方法は、クレアチン・モノハイドレート(クレアチンー水和物)を摂取することです。

クレアチンの摂取の目的は、適切な量を継続的に摂取し体内の貯蔵量を増加させることです。クレアチンローディングの方法は以下の2つの方法が有効とされています。

1. 短期間にクレアチンの体内貯蔵量を増加させる摂取方法

  1. クレアチン20g/日を4回~5回に分け、5日~7日間摂取し、クレアチンの貯蔵量を増加させる(ローディング期)
  2. その後、2g~5g/日を摂取することで、クレアチンの貯蔵量を維持する(メンテナンス期)

ローディング(短期間の多量摂取)のみの摂取でメンテナンス(継続的な少量摂取)をおこなわなければ、貯蔵量は低下していくため、メンテナンス期の継続摂取も重要です。

2. クレアチンの体内貯蔵量を徐々に増加させる方法

この摂取方法をおおよそ4週間続けることで、ローディングした場合と同等量の貯蔵量に達します。

いずれの方法にせよ、一定期間継続すれば同等のレベルまで体内貯蔵量を増加できるといわれています。ただしクレアチンは、体内に貯蔵される過程では浸透圧性の特徴をもつため、消化器官に不調をきたし下痢などを引き起こす可能性があるのです。身体への負担を考慮した場合、低用量(3g/日)での長期摂取が推奨されています。

双方ともに、糖質と同時に摂取するのがよいでしょう。糖質を摂取すると、糖質をエネルギーとして筋肉へ輸送する役割を果たす「インスリン」というホルモンが分泌されます。

インスリン感受性※1が高まっている食後やトレーニング後に、糖質とクレアチンを同時に摂取することでクレアチンの引き込み作用も高まります。

※1 インスリン感受性:筋肉や肝臓に糖質をエネルギーとして引きこもうとする作用

クレアチンは体内でどんな役割を担っているのか?

クレアチンは体内でどんな役割を担っているのか?

クレアチンとは有機酸の1種で、体内で作り出すことも、食物から摂取することもできます。体格による固体差はあるものの、ヒトの体内に80g~130g程度存在。95%はリン酸と結合し、クレアチンリン酸(CP)として骨格筋に蓄えられています。

スポーツや筋トレをおこなう際に、骨格筋を動かすためのエネルギーは以下の3つに分類できます。

  1. 数秒足らずで、酸素を必要としない瞬発的な動き(高強度)で活用するエネルギー
  2. 数十秒継続し、酸素を必要としない素早い動き(中強度)で活用するエネルギー
  3. 長時間継続し、酸素を必要とする、ゆっくりとした動き(低強度)で活用するエネルギー

クレアチンリン酸は、「1. 数秒足らずで、酸素を必要としない瞬発的な動き(高強度)で大きな役割を果たすエネルギー」です。

クレアチンローディングをおこなう理由

クレアチンローディングをおこなう理由

クレアチンは、体内で3種類のアミノ酸(アルギニン、グリシン、メチオニン)から主に肝臓や腎臓内で合成されます。体内で合成されるクレアチンは、必要量の半分程度といわれ、不足分は食事から補う必要があります。

種別名称含有量(g/kg)
魚類ニシン6.5~10
魚類サケ4.5
魚類マグロ4.0
魚類タラ3.0
魚類カレイ2.0
肉類豚肉5.0
肉類牛肉4.5
その他野菜微量
その他果物微量

図1:食品に含まれるクレアチン含有量

図1をご覧ください。クレアチンを効果的に摂取できる食品は魚類や肉類です。生肉や生魚に多く含まれますが、加熱調理の過程で含有量は減少してしまいます。

通常体内にプールされていた「クレアチン」は1g~2g/日排泄されていくため、日々その不足分の半分を体内で生成し、残りの半分は食事から補っています。

日常生活において強度の高い労働や、瞬発的な筋力を発揮するトレーニングやスポーツを実践されている方でなければ、三度の食事でバランスの良い食事を心がけていれば、不足する可能性が低い栄養素だといえるでしょう。

しかしながら常習的にそのような環境下に身を置かれる方は、クレアチンがエネルギーとして使用され不足しがちになります。

クレアチンローディングで起こる変化

クレアチンローディングで起こる変化

日々の食事やローディングによって起こる変化は、主に以下の2つであることが多くの研究から明らかになっています。

瞬発的に筋力を発揮するスポーツやトレーニングにおけるエネルギーの再合成能力をサポートする

など。

除脂肪体重の増加

普遍的な筋トレの原理・原則である「過負荷(オーバーロード)の原理※2」や「漸進性の原則※3」に準えて考えれば、「あと数キロ、数回」の負荷を筋肉に逓増できれば、筋肥大に至る可能性は充分に高まると考えてよいでしょう。

※2 過負荷(オーバーロード)の原理:筋肉を大きくするには、現状よりもさらに重い負荷でトレーニングしなければいけないという原則

※3 漸進性の原則:トレーニングの強度は少しずつ高めていかなければいけないという原則 

まとめ

近年多くのアスリートや筋トレ愛好家たちが積極的に摂取され、エルゴジェニックエイド※4として不動の地位を占める栄養素「クレアチン」の具体的な摂取方法について解説してみました。

筋力・筋量アップが期待できる「クレアチン」も、摂れば摂るほどに「強く大きく」を担保する栄養素ではありません。今回ご紹介した「ローディング方法」を基準に、ご自身の体感と使用重量や回数、体重などといった数値の変化を経過観察し、摂取量を微調整してください。

※4 エルゴジェニックエイド:スポーツにおいてパフォーマンスの向上が期待できる手段・食品

参考文献

Harty, P. S., Zabriskie, H. A., Erickson, J. L., Molling, P. E., Kerksick, C. M., & Jagim, A. R. (2018). Multi-ingredient pre-workout supplements, safety implications, and performance outcomes: a brief review. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 15(1), 1-28.

一般社団法人日本スポーツ栄養協会. クレアチンの摂取方法・安全性. 閲覧日2020-01-28, https://sndj-web.jp/news/000688.php

Olsen, S., Aagaard, P., Kadi, F., Tufekovic, G., Verney, J., Olesen, J. L., … & Kjær, M. (2006). Creatine supplementation augments the increase in satellite cell and myonuclei number in human skeletal muscle induced by strength training. The Journal of physiology, 573(2), 525-534.

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島袋 好一 トレーナー(寄稿)
この記事を書いた人
島袋 好一
トレーナー(寄稿)

トレーナー。体育学修士、JATI-AATI(上級トレーニング指導者)保有。トレーニング歴は30年にも及ぶ。「知識と実践の融合」、「担がざるもの教えるべからず」を最大のテーマに日々のセッションに対峙。専門学校講師時代は最大年間1000時間以上の座学、実技の講義及び運動指導者資格の対策講座を担当。

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