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クレアチンは効果なし?体内での働きについて解説

坂口 真由香
最終更新日:2021.02.18
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

健康ブームでタンパク質やそのほかの栄養素が注目されるようになりました。

ブームに乗っかり意識して摂り入れてみたけれども……。「ん~効果あるのか?」と疑問の声が聞こえてきます。

なかでもアスリートが積極的に摂り入れている栄養素のひとつ「クレアチン」について賛否両論の意見があるようです。はたして本当に効果はないのでしょうか。

今回は「クレアチンが効果ないといわれる理由」について探っていきましょう。

クレアチンとは

クレアチンとは

クレアチンは肝臓や腎臓、膵臓でアミノ酸(アルギニン、グリシン、メチオニン)から合成される有機酸の一種です。クレアチンの主な働きはエネルギーを供給すること。

スポーツやトレーニングで骨格筋を動かすためにはエネルギーが必要で、ATP(アデノシン三リン酸)を利用しています。ATPがADP(アデノシンニリン酸)とリン酸に分解されたときにエネルギーが発生します。

しかしながら体内(主に筋肉)に蓄えられているATPの量はごくわずか。アスリートやボディビルダーのように激しい運動をする場合、すぐに枯渇するためATPの再合成が必要です。そこで活躍するのがクレアチンです。クレアチンはATPの再合成に関わり、エネルギーを供給します。

無酸素運動をメインでおこなう人はクレアチンが必要

運動時のエネルギー供給には3種類あります。クレアチンが関わる回路は、酸素を必要としない瞬発的な動き(高強度)を必要とする運動で使用されます。つまりクレアチンの積極的な摂取が必要なのは、ウエイトリフティングなど無酸素運動をメインにおこなう人なのです。

一方、解糖系を利用する筋トレや短距離走、酸化系を利用するジョギングやウォーキングといった運動中は、クレアチンを必要としないのです。クレアチンの効果は運動の内容によってかわります。自身の運動がクレアチンを利用する運動なのか?そうではないのか?の見極めが大切です。

エネルギー回路エネルギー持続時間エネルギーの違い運動例
ATP-CP系8秒程度酸素を必要としない瞬発的な動き(高強度)で活用するエネルギーウェイトリフティングなど
解糖系30秒~60秒酸素を必要としない素早い動き(中強度)で活用するエネルギー筋トレ・短距離走など
有酸素系長時間酸素を必要とするゆっくりとした動き(低強度)で活用するエネルギージョギング・ウォーキングなど

クレアチンでは筋肉は成長しない

クレアチンでは筋肉は成長しない

クレアチンに対してどのような期待をしていますか?

前述したようにクレアチンの働きは「エネルギー供給」です。残念ながら、クレアチンを摂取したからといって筋肉も成長しませんし、瞬発力は上昇しません。

けれども高強度のトレーニングや瞬発力を必要とする運動前にクレアチンをチャージしておくことで、強い筋力を発揮できる時間もその分だけ長くなるでしょう。いつもよりトレーニングに励むことで筋肉の成長を期待できるのではないでしょうか。

事実、クレアチンを摂取しただけでは筋肉の増加は期待できないと研究で証明されています[1]。つまり、筋肉の成長を期待するならば筋力トレーニングに励まなければならないのです。

またクレアチンは、骨格筋へ水やグリコーゲンを引き込む性質があるため、一時的に筋肉が張ったような状態になります。これは筋肉量が増えたのではなく、骨格筋内の水分量が増加しているだけのことです。とくにクレアチンローディングをおこなうと体重あたり1%~2%の増加を認める場合があるのです[2]

まとめ

クレアチンは目的に応じて活用しなければ効果が得られにくい栄養素だとおわかりいただけましたか。高強度の筋肉トレーニングをするときのサポート役として摂り入れていただければと思います。

またクレアチンに限らず、栄養素はむやみやたらに摂取したらよいというものではありません。個々人の体型やトレーニング内容に応じて必要な栄養素を摂り入れるべきです。

そしてクレアチンは筋肉以外にも記憶力などに関わる大切な栄養素です。高強度のトレーニングをしないから不必要ではなく、肉や魚などタンパク質を主体とするバランスの良い食生活を心がけましょう。

参考文献

1. Backx, E. M., Hangelbroek, R., Snijders, T., Verscheijden, M. L., Verdijk, L. B., de Groot, L. C., & van Loon, L. J. (2017). Creatine loading does not preserve muscle mass or strength during leg immobilization in healthy, young males: a randomized controlled trial. Sports medicine, 47(8), 1661-1671.

2. Powers, M. E., Arnold, B. L., Weltman, A. L., Perrin, D. H., Mistry, D., Kahler, D. M., … & Volek, J. (2003). Creatine supplementation increases total body water without altering fluid distribution. Journal of athletic training, 38(1), 44.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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