menu
MENU

必須アミノ酸と非必須アミノ酸とは?20種類を一覧でご紹介

坂口 真由香
最終更新日:2020.10.01
グロング専属 管理栄養士

水についで多く、人体の約20%を占めるタンパク質。筋肉やホルモンなど身体のあらゆるタンパク質を作っています。このタンパク質の材料となるのがアミノ酸です。

自然界には約500種類のアミノ酸が存在しており、そのうち人間のタンパク質は20種類のアミノ酸からなり、数個から数万個のアミノ酸が連なってタンパク質を構成しています。

体内で作れるアミノ酸を「非必須アミノ酸」。そして体内で作れないため、食事で補う必要がある「必須アミノ酸」に分類されます。また個々のアミノ酸にも役割や特徴があります。

今回は20種類のアミノ酸の一つひとつの特徴についてみていきましょう。

必須アミノ酸

バリン

バリンはとくに筋肉を作るのに大切なアミノ酸で、筋肉の重要なエネルギー源として働きます。

またバリンは非必須アミノ酸のグルタミン酸を作るので、アンモニアの解毒にも関わっています。

バリンの働き

筋肉・肝臓強化

ロイシン

ロイシンは子どもの成長や筋肉の代謝に重要な働きをします。

ロイシンは飢餓状態やストレス状態のときに肝臓で糖を作り出し、バリン、イソロイシンとともに筋肉保護とエネルギー活動をおこなっています。

ロイシンの働き

筋肉・肝臓強化

イソロイシン

イソロイシンは運動後の筋肉合成や修復に必要です。また赤血球の形成や血糖値の調節、エネルギー調整をおこなっています。

イソロイシンの働き

筋肉・肝臓強化、血糖値の調節、エネルギー調節

ヒスチジン

ヒスチジンは体内でも合成可能です。しかしながらその量が少なく必要量に満たないため、必須アミノ酸に分類されます。

抗炎症作用があることからかゆみなどを緩和する働きがあるといわれています。他にも赤血球や白血球の生成を助ける働きや紫外線による皮膚への刺激を軽減するともいわれています。

ヒスチジンの働き

抗炎症、紫外線から皮膚を守る

リジン(リシン)

リジンは小麦やお米などの穀類に少なく、肉や魚をあまり食べない場合に不足しやすいアミノ酸です。

リジンはカルシウムの吸収と維持を助け、皮膚や軟骨、コラーゲンの生成に重要な働きをしています。またアルギニンとリジンが結合すると成長ホルモンの分泌が促進。成長ホルモンは代謝機能を高め、脂肪燃焼を促進すると考えられています。

リジンの働き

成長促進作用、カルシウム吸着促進

メチオニン

メチオニンは主に肝臓で働くアミノ酸です。タウリンの生成やリン脂質の生成に重要な役割を担ったり、老廃物を排除するなど肝機能を高める働きがあります。

また肝臓の脂肪蓄積を抑制したり、コレステロールの分解を促進。その他、アレルギーやかゆみの原因となるヒスタミンをおさえる働きがあります。

メチオニンの働き

解毒作用、肝臓保護作用

フェニルアラニン

フェニルアラニンは、脳や神経に関わるアミノ酸です。体内でドーパミンやエピネフリンなどの精神状態に影響する神経伝達物質の材料です。

気分の落ち込みや無気力を緩和し、精神状態を安定させる働きがあります。その他、血圧を上げる働きや記憶力をアップする働きがあるといわれています。

フェニルアラニンの働き

精神安定、記憶力向上

スレオニン(トレオニン)

スレオニンは、コラーゲンの生成や歯の形成に必要です。

また肝臓における脂肪の蓄積を防ぎ、ブドウ糖の生産や血糖値の安定にも関わっています。さらに免疫に関わる物質の産生を助ける働きもあります。

スレオニンの働き

肝臓の脂肪蓄積抑制、免疫強化

トリプトファン

トリプトファンは生体内で最も少ないアミノ酸です。セロトニンなどの神経伝達物質の分泌に重要です。

心地よい睡眠を助長したり、リラクゼーション効果が期待できるといわれています。その他、成長ホルモン分泌を促進するともいわれています。

トリプトファンの働き

安眠効果、リラクゼーション

非必須アミノ酸

アラニン

アラニンは肝臓で糖を作り出すアミノ酸です。

長時間の運動時において、筋肉の分解によって生じたアラニンは血液を介して肝臓に入ります。肝臓に入ったアラニンは糖に変換されエネルギーを作ります(グルコース・アラニンサイクル)。

とくに運動時のアラニン補給は、エネルギー維持に重要であると考えられています。その他、アラニンにはアルコールの分解を促進する働きもあるといわれています。

アラニンの働き

肝臓の働き強化、糖を作る働き、アルコール代謝を改善する働き

アルギニン(子どもにとっては必須アミノ酸)

アルギニンは侵襲※5下においては需要が合成を上回るため、条件付き必須アミノ酸ともいわれます。また体内で合成できる量が十分でない子どもにとっては必須アミノ酸です。

核酸や一酸化窒素の前駆体であり、成長ホルモンやプロラクチンの分泌を刺激する働きがあります。その他、コラーゲンの構造を安定化させるヒドロキシプロリンの合成にも関与し、創傷治癒効果も期待されています。

※5 侵襲:怪我や病気、手術、医療行為によって生体を傷つけること。

アルギニンの働き

成長ホルモンの分泌促進、免疫力向上、コラーゲン合成に関与

アスパラギン

アスパラギンはアスパラガスの根の煮汁から発見されたアミノ酸です。

尿の合成を促進したり、人体に有害なアンモニアを体外で排出する働きがあります。また筋肉や内臓の合成に関わり、肝臓を保護する働きがあります。

アスパラギンの働き

尿を作る、アンモニアを排泄

アスパラギン酸

アスパラギン酸はその名のとおり、アスパラガスから発見されたアミノ酸です。

体内で最もエネルギー源として利用されやすいアミノ酸で、栄養剤などの成分としても利用されています。

アスパラギン酸の働き

エネルギー源

システイン

システインはタンパク質のケラチン※2を構成し、髪の毛に多く含まれています。

システインは白い皮膚に多い黄色メラニンの産生を増やすことによって、黒いメラニン色素の産生をおさえる働きがあり、シミやソバカスなどの色素沈着を改善する薬などにも使用されています。システインは必須アミノ酸のメチオニンから作られます。

※2 ケラチン:髪の毛や皮膚の角質層を形成する成分です。

システインの働き

髪の毛を作る働き、シミ・ソバカスを防ぐ働き

グルタミン

グルタミンは体内でもっとも多く、アミノ酸プールの50%を占めるアミノ酸です。

腸のエネルギー源として利用され、腸の粘膜を守る働きや免疫力の活性化にも関与しています。またBCAA※3に並び筋肉中に多いアミノ酸で、筋肉維持や疲労回復に重要な働きをしています。

※3 BCAA(分岐鎖アミノ酸:branched-chain-amino acid):枝分かれしている構造をもつアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を分岐鎖アミノ酸と呼びます。BCAAは必須アミノ酸の50%を占め、筋肉の合成・分解の調整やエネルギー源となります。

グルタミンの働き

筋タンパク分解抑制、腸を守る働き

グルタミン酸

グルタミン酸は、小麦のタンパク質から発見されたうま味成分として重要なアミノ酸です。アミノ酸代謝の中心的な役割を担っています。

脳内で有毒なアンモニアの解毒や神経伝達物質としても働いています。

グルタミン酸の働き

うま味成分、アミノ酸代謝に関与

グリシン

グリシンはコラーゲンを作るアミノ酸で、コラーゲンの1/3を占めており、肌のハリやツヤを維持する働きがあります。またDNAやRNA※1の合成に欠かせないアミノ酸です。

グリシンには深部体温を下げる働きあり、人間は深部体温が下がることで、自然な深い眠りに入るといわれています。

※1 RNA:DNAに人間の遺伝情報があります。RNAはDNAの遺伝情報をコピーして、筋肉や爪など人間のタンパク質を作ります。

グリシンの働き

コラーゲン合成、安眠効果

プロリン

プロリンはコラーゲンの原料となるアミノ酸です。

保水力がアミノ酸の中でもっとも高く、天然保湿成分(NMF)を作る材料です。保湿効果が高いことから化粧品にも用いられています。その他、身体のエネルギー源としても利用されやすいアミノ酸です。

プロリンの働き

コラーゲンを作る働き、保湿効果

セリン

セリンはシルクから発見されたアミノ酸で、脳を構成する神経細胞の材料となり、細胞内の情報伝達をする働きがあります。

また天然保湿成分(NMF)※4の材料となるアミノ酸で、お肌の健康や保湿を維持しています。

※4 天然保湿成分(NMF):角質層の保湿性と吸湿性を調整、角質層を保湿し、肌を健康な状態に保ちます。NMFの40%がアミノ酸といわれています。

セリンの働き

脳の働きに関与、お肌の保温を維持

チロシン

チロシンは、アドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質の材料となるアミノ酸です。紫外線から真皮を守るメラニンもチロシンから作られます。

髪の毛の色は黒色色素のメラニン量で決まり、メラニン色素が多いほど白髪になりにくいと考えられています

チロシンの働き

紫外線から肌を守る、白髪予防

まとめ

タンパク質は、今回紹介した20種類のアミノ酸がDNAやRNAに書かれたレシピに沿って、数個から数万個連なって私たちの身体を作っています。たったひとつだけ配列が異なるだけでもまったく異なるタンパク質が作れるのです。

またアミノ酸単体でタンパク質を作ることはなく、20種類が助け合って存在しています。よって単体のアミノ酸だけを摂取しただけでは不十分で、肉や魚、卵、大豆などさまざまな食品からアミノ酸を摂り入れることが大切です。

参考文献

櫻庭雅文(2019)「アミノ酸の科学」. 東京,講談社.

味の素株式会社(2017)「トコトンやさしい アミノ酸の本」. 東京,日刊工業新聞

この記事をシェアする
  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

コンディションのサポートなら
アミノ酸

アミノ酸には必須アミノ酸が9種類、非必須アミノ酸が11種類あります。
必須アミノ酸は体内で合成することができないため、食事やサプリメントからの摂取が必要です。

また非必須アミノ酸も、トレーニングや健康維持など
ご自身の目的によっては意識的に摂取しなければいけません。

各種アミノ酸の摂取には、手軽に効率的に摂取できる「サプリメント」がおススメです。

各種アミノ酸サプリメントを
チェックする
坂口 真由香 グロング専属 管理栄養士
この記事を書いた人
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

RECOMENDED
関連記事
CATEGORY
カテゴリー一覧