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キチン・キトサンとは?グルコサミンとの違いと効果について

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2021.03.12

キチンとキトサン。耳にしたことはあるけど、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、「キチンとキトサンの概要や働き」について解説します。

キチンとキトサンとは

キチンは菌類や植物、動物に分布します。エビやカニなどの甲殻類、昆虫、キノコ・酵母の主成分です。

キチンはN-アセチル-D-グルコサミンがβ-1,4結合で直鎖状に多糖結合した多糖。またキトサンはキチンの脱アセチル化したもので、D-グルコサミンがβ-1,4結合で直鎖状に多糖結合した多糖です。

簡単にまとめますと、キチンをアルカリ溶液で加熱処理するとキトサンが得られます。キチンは部分的に脱アセチル化されているのが通常です。

またキトサンは、完全に脱アセチル化されたものでなく、部分的にアセチル基を含んでいるものもあり、キチンとキトサンは明確に区分できないため「キチン・キトサン」と並べて呼ばれることが多いようです。

人間はβ結合を切断する酵素がないため消化できません。よって食物繊維に該当します。

キトサンとグルコサミンの違い

軟骨成分の一種であるグルコサミン。「グルコサミンなら聞いたことがある」方も多いのではないでしょうか。

実はグルコサミンはキトサンから作れられており、グルコサミンを分解し続けていくことで生成される低分子の単糖類です。グルコサミンは人間の体内でも合成できますが、年齢とともに作られるスピードは遅くなります。

キトサンもグルコサミンもカニの甲殻類を原料につくられています。キトサンは分子量が大きく体内で吸収できません。腸内で食物繊維としての働きを発揮しています。一方、分子量が小さいグルコサミンは吸収されて、軟骨などの材料として利用されます。

キチン・キトサンの効果

キチン・キトサンの効果

それではキチン・キトサンにはどのような働きが期待できるのでしょうか。報告されている研究をみていきましょう。

肥満者を対象としてキトサンを摂取した研究がおこなわれ、有用性が報告されています[1]

マウスの実験データを解析した研究もあり、キトサンの有用性が報告されています[2]

ダイエット効果を期待してキトサンを摂り入れている方も多いでしょう。しかしながら、それほどの期待はできないという意見もあり、有用性については論争が続いているようです。

そのひとつに研究の質が問われています。有用性を報告している論文では条件が十分でなかったとの問題がありました。質の高い研究結果より検証した結果、有用性に対する効果は十分でなかったと報告されています[3]

まとめ

キチン・キトサンは意外と身近な存在でしたね。しかし効果についてはさまざまな意見がありました。栄養素を選択する際は、その働きをしっかりと吟味することが大切です。

そしてサプリメントは補助的な立ち位置です。日々の食生活を大切にし必要に応じてサプリメントを活用することをオススメします。サプリメントに過大な効果を期待するのは要注意です。

参考文献

1. Hernández-González, S. O., González-Ortiz, M., Martínez-Abundis, E., & Robles-Cervantes, J. A. (2010). Chitosan improves insulin sensitivity as determined by the euglycemic-hyperinsulinemic clamp technique in obese subjects. Nutrition research, 30(6), 392-395.

2. Ahn, S. I., Cho, S., & Choi, N. J. (2021). Effectiveness of chitosan as a dietary supplement in lowering cholesterol in murine models: A meta-analysis. Marine Drugs, 19(1), 26.

3. Jull, A. B., Mhurchu, C. N., Bennett, D. A., Dunshea‐Mooij, C. A., & Rodgers, A. (2008). Chitosan for overweight or obesity. Cochrane Database of Systematic Reviews, (3).

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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