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腸内環境を整える食べ物「まごわやさしいよっ」を知ろう!

坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士
最終更新日:2020.09.07

便のコントロールや免疫活性など食べ物を吸収する以外に体内でさまざまな働きをしている腸。腸内の環境をよくすることで、便秘解消や病気の予防などの効果が期待されており、健康の秘訣は腸にあるといっても過言ではありません。

最近の研究では、日本人の腸内環境は特有で、そこに健康の秘密が隠されているのではないか?と注目されています。そこで今回は、腸内細菌について詳しく解説しながら、日本人が日頃から食べているであろう「腸内環境を整える食べ物」についてご紹介します。

腸内細菌とは

腸内細菌とは

人間の腸には、約100兆個以上の腸内細菌が存在しています。

腸内細菌には、善玉菌悪玉菌日和見菌があり、それらの菌が絶妙なバランスで腸内環境を維持しています。健康な人であれば、おおよそ「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」のバランスで腸内環境を保っているといわれてきました。

しかしながら科学の進歩で、腸内環境はそれほど単純なものでなく生活環境や性別、年齢などの個人差に加えて人種差などによる違いもあるようで、遺伝的背景や食事などが影響しています。

同じ物を食べていても腸内に生息する菌数や菌種は異なり、ある人の腸ではよい働きをするけれども、別の人の腸では悪さをするような菌もいるようで、知れば知るほど奥深いのが腸内細菌。

それでは腸内に生息する代表的な菌をご紹介します。

善玉菌

善玉菌は、腸内で悪玉菌の増殖をおさえたり、代謝を亢進したりなど体内で好都合な影響をもらたしてくれる菌です。

善玉菌に属する代表的な乳酸菌やビフィズス菌は、ヨーグルトなどに含まれており、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。その他にもたくさんあり、腸内で悪玉菌と格闘してくれているのです。

悪玉菌

悪玉菌は、その名のとおり腸内で有害物質を発生したり、善玉菌の働きを邪魔する菌です。大腸菌やウェルシュ菌などさまざまな菌が存在しています。

日和見菌

日和見菌とは、腸内でよいことも悪いこともしない中立的な菌です。ただし中には体調を崩したりすると悪さをしようとする菌も存在します。腸内細菌の7割は日和見菌といわれています。

腸内環境を整えよう

腸内環境を整えよう

腸内環境を整えるとは、悪玉菌、善玉菌、日和見菌のバランスをよくすることです。

悪玉菌はアルカリ性に強く、酸性に弱いのが特徴。たとえば肉などのタンパク質ばかり食べていると腸内はアルカリ性に傾き、悪玉菌が増殖しやすい環境となってしまいます。

そこで腸内を酸性に傾け、悪玉菌が生息できない環境をつくり出すことこそ鍵といえるでしょう。そのためにはどうしたらよいのでしょうか?

プレバイオティクス(善玉菌のエサを食べる)

善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を食べることで、腸内でオリゴ糖や食物繊維が腸内細菌により発酵(分解)をうけて、酢酸や短鎖脂肪酸などが作られます。そうすることで腸内は酸性に傾き、悪玉菌が生息しにくい環境となります。

さらに短鎖脂肪酸は、腸管内でエネルギーの代謝を亢進したり、脂肪の蓄積を抑制したり嬉しい働きをしてくれるのです。

プロバイオティクス(善玉菌を食べる)

ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌がすでに含まれている食品を食べて、腸内に善玉菌を定着させてたり、酸性に傾けることで悪玉菌が生息しにくい環をつくります。

腸内に入ったビフィズス菌や乳酸菌が定着し直接的に働いたり、発酵をうけて短鎖脂肪酸などを生成し、腸内環境を保っています。

シンバイオティクス

これらプレバイオティクスとプロバイオティクスを併用して、より強力に腸内環境を整えようというのがシンバイオティクスです。

つまり善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を食べてよい菌を腸内で増やしつつ、さらに乳酸菌などの善玉菌が含まれる食品を食べ、二刀流で悪玉菌やその他の細菌と戦う方法です。

腸内環境を整えることによるメリット

腸内環境を整えることによるメリット

腸内環境をよくする方法はわかました。

それでは腸内環境がよくなることで体内にどんないいことがあるのでしょうか?

排便がスムーズに

腸内環境を整えることで便秘や下痢の改善が期待できます。

善玉菌のエサとなる食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は、腸内でゲル状となり排便を促す働きがあります。

不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸収しながら移動するので、下痢や軟便などの改善効果が期待できます。また老廃物がきちんと排泄されることで大腸がんの予防にもなるといわれています。

免疫力アップ

免疫細胞の7割は腸内に存在するといわれています。

腸内環境が整うことで免疫系が正常機能し、ウイルスや細菌といった外敵から守ってくれるため、風邪などの病気にかかりにくくなります[1]

より健康的に

科学と医学の進歩で、腸内環境と病気に深い関わりがあるとわかってきました。

食物繊維を食べることで、ナトリウムやコレステロールを排出する働きや糖の吸収を抑える働きがあり、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満などのリスクを低下させるといわれています。さらにがんや糖尿病などの疾患では、腸内環境が変化するともいわれています[2][3]

腸はたくさんの免疫細胞が存在したり、栄養素の吸収をおこなう場です。つまり腸が正常に機能していないと、ウイルスや細菌と戦うこともできなければ、全身に栄養素を送り届けることもできないのです。

腸内環境が万全であることが健康の秘訣といえるでしょう。

腸内環境を整える食べ物

腸内環境を整える食べ物

最近の研究で、腸内環境が国ごとで大きく異なり、日本人の腸内環境はビフィズス菌が多く、ワカメや海苔を分解する酵素遺伝子が他の国と比較して多いなどの特徴がわかってきました[4]。これら日本人特有の腸内環境が、長寿や低い肥満率と関連していると考えられています。

日本食に腸内環境を整えるヒントが隠されているのでしょうか?無形文化遺産に登録され世界中から健康食として注目される日本食。その健康食の合言葉「ま・ご・わ・や・さ・し・い」をご存じですか?

この言葉は、食品研究家で医学博士の吉村裕之先生が提唱されているバランスのよい食事の覚え方です。これらの食材を見てみると、腸内環境の鍵となる食品の宝庫でした。今回はこの言葉に「よっ」を付け足して、「腸内環境を整える食べ物」をご紹介します。

ま:豆類

豆類といえば、大豆や豆腐、納豆などたくさんありますね。

とくに納豆には、善玉菌のエサとなる食物繊維とオリゴ糖が含まれています。さらに納豆菌は、乳酸菌などのプロバイオティクスとしての性質も備えているといわれています[5]。つまり納豆は、プレバイオティクス、プロバイオティクスの両方を兼ね備えた日本伝統の食品なのです。

大豆を発酵させて作る味噌や醤油は、乳酸菌などの菌を含みプロバイオティクス効果が期待できます。

ご:ごま

ごまには、食物繊維の他にビタミン・ミネラル、不飽和脂肪酸など健康に欠かせない栄養素がたっぷり含まれています。和え物やサラダにかけたり、毎日少しずつ取り入れてみましょう。

わ:ワカメなどの海藻類

ワカメやめかぶ、昆布などの海藻類には、水溶性食物繊維とミネラルが含まれています。水溶性食物繊維は不足しやすいので、味噌汁やサラダなどに入れて毎日少しずつ取り入れるといいかもしれませんね。

や:野菜

野菜には食物繊維がたっぷり含まれています。とくに玉ねぎやごぼう、アスパラガス、キャベツなどはオリゴ糖を含んでいます。

1日350gを目標に食べることが推奨されており、サラダやおひたしなど野菜料理を1日に5皿食べると目標へ近づくことでできるでしょう。

さ:魚

肉類ばかり食べていると悪玉菌が増えるといわれています。

肉の脂肪を消化する際に胆汁が分泌されます。その胆汁と悪玉菌が反応して発がん性物質を発生する可能性があるようです。

さらに赤身肉に含まれる成分が腸内細菌を変化させて、心血管疾患の発症リスクとなる物質をつくる恐れがあると報告されています[6]。この物質は赤身肉の中止により低下するともいわれています。お肉の食べ過ぎには注意したいですね。

一方でとくにサバ、イワシなどの青魚の油には、EPA・DHAといった動脈硬化を予防する物質が豊富に含まれています。肉や魚をバランスよく取り入れてみてはいいかがでしょか。

し:シイタケなどのキノコ類

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、どちらも取り入れるのがベストです。シイタケなどのキノコには、水溶性と不溶性のどちらもたっぷり含まています。

い:芋類(ジャガイモ、さつま芋、里芋など)

芋類には水溶性食物繊維がたっぷり。水溶性食物繊維は腸内でゲル状となり腸内をお掃除しながら便の排泄を促します。コロコロと硬い便でお困りの場合、さつまいもなどの水溶性食物繊維の多い食品をおススメします。

よ:ヨーグルトなど乳製品

ヨーグルトには乳酸菌が含まれています。最近ではビフィズス菌が添加されたヨーグルトなんかも販売されていますね。

これらの菌が体内で直接的に働いたり、発酵(分解)されて酢酸や短鎖脂肪酸などを作り、悪玉菌を排除したり、腸内のエネルギーとなって腸内環境を保持しているのです。

つ:漬物

日本伝統のぬか床は、善玉菌の宝箱といっても過言ではありません。ぬか床には乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの菌が含まれています。

ぬか床のおもしろいところは、温度・湿度・漬け込む野菜など環境に応じて菌量や菌種が変化していることです。ぬか床の中では常に微生物の化学反応が繰り出され、代々受け継がれるぬか床にはヨーグルトよりも遥かに多い乳酸菌が含まれていることもあります。

日本の伝統食材には、「腸内環境を整える」秘訣がたくさんありそうですね。また乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が定着するためには時間がかかるといわています。そこで毎日取り入れ、継続した先に腸内環境の変化があるのではないでしょうか。

まとめ

伝統的な日本食には、腸内環境を整える秘訣が隠されていましたね。

一方で食の欧米化が加速し、伝統的な日本食が忘れ去られようとしています。その代償として、肥満や脂質異常症、糖尿病など飽食が原因のひとつといえる疾患が増えているのも事実です。これは日本だけではなく世界的な問題で、日本食が注目される理由ともいえます。

今こそ伝統的な日本食を思い返し、腸にいい生活をしてみるのもいいのではないでしょうか?

参考文献

1. Wu, H. J., & Wu, E. (2012). The role of gut microbiota in immune homeostasis and autoimmunity. Gut microbes, 3(1), 4-14.

2. Zitvogel, L., Galluzzi, L., Viaud, S., Vétizou, M., Daillère, R., Merad, M., & Kroemer, G. (2015). Cancer and the gut microbiota: an unexpected link. Science translational medicine, 7(271), 271ps1-271ps1.

3. Liu, Y., & Lou, X. (2020). Type 2 diabetes mellitus-related environmental factors and the gut microbiota: emerging evidence and challenges. Clinics, 75.

4. Nishijima, S., Suda, W., Oshima, K., Kim, S. W., Hirose, Y., Morita, H., & Hattori, M. (2016). The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness. DNA Research, 23(2), 125-133.

5. 細井知弘. (2003). Probiotic としての納豆菌の作用. 日本醸造協会誌, 98(12), 830-839.

6. Wang, Z., Bergeron, N., Levison, B. S., Li, X. S., Chiu, S., Jia, X., … & Krauss, R. M. (2019). Impact of chronic dietary red meat, white meat, or non-meat protein on trimethylamine N-oxide metabolism and renal excretion in healthy men and women. European heart journal, 40(7), 583-594.

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普段の食事で「食物繊維」は満足に足りていますか?

厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、食物繊維の理想的な目標量は成人では24g/日以上とされています。しかしながら、現代の日本人の食物繊維摂取量は極めて少なく、目標量に到達していない現状です。
昨今、重要な栄養素と考えられている食物繊維の摂取は、手軽に効率的に摂取できる「サプリメント」がおススメです。

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坂口 真由香 グロング専属 管理栄養士
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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