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β-グルカン(ベータグルカン)とは?期待できる効果と摂取目安量について

坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士
最終更新日:2020.06.15

β-グルカン」なんて難しいワードはじめて聞く、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?「聞いたことはあっても、どんな食べ物に含まれていてどんな働きをしているのか、詳細までは……」なんて方も。

確かに、β-グルカンを理解するには栄養学や化学の知識が必要となります。しかし安心してください!今回の記事では、β-グルカンの構造や働きについて一切化学式を使わずに図解とともに説明していきます。

さらに近年注目されている、免疫改善効果やアンチエイジング効果など注目されている研究を一つずつ紐解いていきましょう。

β-グルカンとは?

図1:α-グルカンとβ-グルカン

人間の主なエネルギー源であるブドウ糖が、いくつか結合してできた塊をグルカンといいます。またそのブドウ糖が結合する際に「鎖」役となるものには、「α型」と「β型」の2種類が存在しています。

α型で結合されたグルカンにはデンプンやグリコーゲンなどがあり、これらをα-グルカン。人間は、α-グルカンを消化する能力(鎖を切るハサミ)をもっているので、最終的にブドウ糖となり体内でエネルギー源として作用します。

一方で人間は、β-グルカンを消化する能力をもっていないので、エネルギーに変換できません。そのため食物繊維としてそのまま大腸まで運ばれます。この運ばれる過程で、免疫作用や整腸作用に良いとされる働きが発見されてきており注目されているのです。

β-グルカンはどんな食品に含まれているのか?

β-グルカンはどんな食品に含まれているのか?

1940年頃、酵母と免疫の研究が進められ、酵母の一部がβ-グルカンだとわかりました。その後、きのこや野菜、大麦などからもβ-グルカンが発見されたのです。

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、β-グルカンは水溶性食物繊維に分類されます。特に大麦の水溶性食物繊維の大部分がβ-グルカンだとわかっています。

食品に含まれるβ-グルカンは、食品成分表に記載されていないため詳細はわかりませんが、水溶性食物繊維の大部分がβ-グルカンであることから、大麦には多くのβ-グルカンが含まれていると考えられます。

食品100gあたりに含まれる食物繊維量

図2:食品100gあたりに含まれる食物繊維量
文部科学省 食品成分データベースより作成[1]

β-グルカンに期待できる効果

β-グルカンに期待できる効果

β-グルカンには以下のようなさまざまな効果が期待できます。

免疫機能への効果

古くから、きのこには抗アレルギー作用や免疫活性作用があると注目されていました。研究が進み、その有効成分がβ-グルカンであると発見されました。

1960年代にβ-グルカンから精製されたレンチナンが癌治療に有効であることがわかり、医薬品として癌患者に処方されていた時代もあったそうです。

さらにβ-グルカンと免疫に関する研究が進められ、2000年代には、免疫防御機構で重要な働きをするマクロファージ※1や好中球※2などの細胞膜に、β-グルカンの受容体があることがわかりました。

※1 マクロファージ:体内に入ってきた細菌を察知し、他の細胞へ細菌を除外するように働きかける司令塔。

※2 好中球:体内に入ってきた細菌を攻撃する。

コレステロールへの効果

米国人対象の研究では、β-グルカンを摂取したことで、総コレステロール※3やLDLコレステロール※4を減少させたと報告があります[2]。さらに日本人対象の研究では、LDLコレステロール低下および内臓脂肪面積が減少したと報告があります[3]

※3 総コレステロール:すべてのコレステロールの総称。

※4 LDLコレステロール:一般的に悪玉コレステロールといわれるもので、血液中に増加しすぎると動脈硬化リスクが高まる。

血糖値への効果

β-グルカンと血糖値の関連を調べる研究も進められており、β-グルカンを摂取することで胃粘液の増大や急激な食後高血糖の抑制ができたという報告があります[4]

さらにβ-グルカンには、低分子と高分子の2種類があり、高分子の方が粘度が高く、粘度が高いほど食後血糖値の上昇を抑制できる可能性があるのではないかといわれています[5]またそれらの現象は、容量ではなく粘度がポイントであると報告されています[6]

腸内環境改善効果

動物実験の研究段階ではありますが、β-グルカンが短鎖脂肪酸の量を増加させ、糞便の水分量を増加させることもわかっています。このことから腸管内の腸内細菌による発酵を促進させ、整腸促進作用があるのではないかといわれています。

食べ過ぎ防止効果

β-グルカンは消化管ホルモンに影響し満腹感の持続に作用することから、過剰摂取を抑制できると報告されています。満腹感の持続の要因としては、食欲の低下や満腹感の増強、空腹感の減少が関係していると考えられます。

また最初の食事が次の食事の血糖応答に影響する「セカンドミール効果」にも注目されており、最初の食事でβ-グルカンを含む食品を摂取することで、次の食事を摂取する際に、血糖値の上昇抑制効果や吸収抑制効果などが期待できる可能性があるといわれています[7]

β-グルカンの摂取目安量

β-グルカンの摂取目安量

ヨーロッパの報告では、3g/日以上の摂取でコレステロール減少効果があったと報告されています。また食後血糖抑制には、4g/日が必要ではないかといわれています。

オーストラリアでは、1食1g以上の摂取を推奨していることから、1日3g以上は最低限摂取できたらいいと考えられます。

大麦に含まれる水溶性食物繊維の大部分(約70~80%)がβ-グルカンです。また大麦は、きのこやごぼうなどと比較しても水溶性食物繊維が多いことからβ-グルカンが豊富と考えられます。

β-グルカンは、グルカンの結合によって身体へ作用する働きが異なるといわれており、酵母やきのこ、大麦では少しずつ構造が異なります。

そのため特定の食材にこだわるのではなく、さまざまな野菜や大麦といった食材を組み合わせて摂取することで、栄養素の相乗効果が期待できるのではないでしょうか。

まとめ

これらのことからβ-グルカンには、さまざまな効果が期待できるのではないかと考えられます。きのこや大麦などを日々の食事に少しずつ取り入れ、β-グルカンの力を体感していきましょう。

参考文献

1. 文部科学省. 食品成分データベース, https://fooddb.mext.go.jp/

2. Behall, K. M., Scholfield, D. J., & Hallfrisch, J. (2004). Diets containing barley significantly reduce lipids in mildly hypercholesterolemic men and women. The American journal of clinical nutrition, 80(5), 1185-1193.

3. Shimizu, C., Kihara, M., Aoe, S., Araki, S., Ito, K., Hayashi, K., … & Ikegami, S. (2008). Effect of high β-glucan barley on serum cholesterol concentrations and visceral fat area in Japanese men—a randomized, double-blinded, placebo-controlled trial. Plant foods for human nutrition, 63(1), 21-25.

4.  https://www.foodstandards.gov.au/consumer/labelling/nutrition/Documents/Beta-glucan%20glucose%20review.pdf

5. Kwong, M. G., Wolever, T. M., Brummer, Y., & Tosh, S. M. (2013). Attenuation of glycemic responses by oat β-glucan solutions and viscoelastic gels is dependent on molecular weight distribution. Food & function, 4(3), 401-408.

6. Kwong, M. G., Wolever, T. M., Brummer, Y., & Tosh, S. M. (2013). Increasing the viscosity of oat β-glucan beverages by reducing solution volume does not reduce glycaemic responses. British journal of nutrition, 110(8), 1465-1471.

7. 青江誠一郎. (2015). 大麦 β-グルカンの機能性について. 日本食生活学会誌, 26(1), 3-6.

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坂口 真由香 グロング専属 管理栄養士
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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