らっきょうに含まれる栄養と食物繊維について解説
「らっきょう」の季節になると八百屋さんやスーパーで見かけることが多くなりますよね。日本には昔から「らっきょう」を自宅で漬ける習慣があり、おばあちゃんのらっきょうを漬ける姿が懐かしいものです。
らっきょうはカレーやサラダのアクセントになり、健康のために毎日食べている方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムでは昔から親しまれている「らっきょう」に含まれる食物繊維や栄養について解説します。
らっきょうについて
らっきょうは、ネギやニンニクと同じユリ科ネギ属です。強い香りと辛味をもち、シャキシャキとした食感が特徴です。
私たちが一般的に食べてているらっきょうの旬は5~7月頃。ツヤとハリ、丸みがあるため美味しいといわれています。
春頃から店頭に並んでいるのは沖縄名産の「島らっきょう」。島らっきょうは収穫時期が早く旬は3~5月で、細長い形をしています。一般的に食べているらっきょうよりも強い辛味と臭い特徴です。もっともポピュラーな食べ方は浅漬け、塩もみして削り節で和えたり、天ぷらや炒め物などで食べられています。
らっきょうの栄養
食物繊維
らっきょうには100g当たり20.7gと食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類され、らっきょうにはどちらも含まれています。
水に溶けない不溶性食物繊維は、シャキシャキとした歯ごたえが特徴的。咀嚼回数が増え満腹感を得られやすくなったり、GI値を抑えます。また体内で水を吸収しながらカサを増していくため、刺激しながら排泄されるため、すっきりさせます。
とくに注目したいのが、らっきょうの食物繊維の大半は水溶性食物繊維であることです。「フルクタン」と呼ばれる水溶性の高分子成分が豊富に含まれており、健康に良い働きがあるといわれています。
さらに水溶性食物繊維は、水分を含みながら排泄されるためすっきりしたい方にオススメの食物繊維です。日本人は水溶性食物繊維が不足傾向にあります。多くの野菜は不溶性食物繊維を豊富に含み、水溶性食物繊維が少ないのです。
ご紹介した「フルクタン」はらっきょうや玉ねぎ、ニンニク、ごぼうなどに多く含まれています。
硫化アリル(アリシン)
野菜にはビタミンやミネラル以外に化合物が含まれています。硫化アリルはイオウ化合物の一種で、還元成分でもあり、身体を守る働きがあるといわれています。
らっきょうや玉ねぎ、ニンニクなどのネギ科の植物に含まれており、独特のツーンとした香りは硫化アリルの臭いです。またこの硫化アリルは外敵から身を守り、めぐりよい毎日に役立つ働きがあり、健康をサポートする「サラサラ成分」であるといわれています。
またらっきょうを切る(細胞を壊す)と酵素の働きでアリシンと呼ばれる化合物が生成されます。こちらも硫化アリルの一種です。このアリシンにも外敵から守る役割があり、環境変化にも負けない身体づくりをサポートするといわれています。
さらにアリシンはビタミンB1と相性が良いことが知られています。そのため運動後や仕事後のコンデショニングサポートとして、ビタミンB1の豊富な豚肉と玉ねぎやらっきょうと一緒に食べることで元気チャージが期待できるのです。カレーにらっきょうを添えるのは理にかなっていたのです。
カリウム
カリウムは野菜や果物に含まれており、らっきょうにも含まれています。カリウムは細胞内に存在し、ナトリウムと拮抗して水分保持しているのです。仕事などで立ちっぱなしの方には有用な働きがあります。
らっきょうの保存方法
らっきょうはとにかく足が早い食材。そのままの状態では保存が難しく、旬の時期を逃すとスーパーや八百屋さんで生のらっきょうを手にいれることが難しいのです。
らっきょう漬けをつくる場合、5月~6月の旬の時期に新鮮なものを購入しましょう。購入後はできるだけ早く調理するのがオススメです。
らっきょうの土や皮を水で洗い落とし、先端と根を切り落とします。そのあと水気をしっかり取り、消毒した瓶に入れます。
- 酢
- 砂糖
- 塩
- みりん
- 唐辛子
を沸騰させて、瓶に入れるだけで酢漬けの完成です。酢漬けは冷暗所や冷蔵庫で1年ほど保存可能です。ぜひ旬の時期に新鮮ならっきょうを手に入れてトライしてみてくださいね。
まとめ
らっきょうは食物繊維や硫化アリルなど栄養豊富な食材でした。
らっきょうの酢漬けはカレーに添えたり、サラダのトッピング、タルタルソース、パスタなどアレンジは自由自在です。らっきょう作りを季節行事にしてみませんか。
参考文献
文部科学省. 食品成分データベース.