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食物繊維たっぷり「しいたけ」の栄養について解説

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2021.04.05

和食・洋食どちらでも万能食材として活用される「しいたけ」。

干ししいたけのだし汁はうまみ成分がたっぷり含まれており、和食にかかせません。どんな料理にも合うしいたけには、魅力的な栄養素がたっぷり含まれています。

今回のコラムでは「しいたけの栄養素」について解説します。

しいたけの基本情報

しいたけが本格的に食用にされたのは室町時代。そして栽培がはじまったのは江戸時代といわれています。

旬は3月~5月、9月~11月頃。全体的によく乾燥していて軸の太いものが美味しいしいたけの証です。また裏のひだがきれいで白く、変色や傷がないものが新鮮なしいたけを選ぶポイント。

しいたけは保存性が低いため、ひだを上にして密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。また早めに使い切ることをオススメします。スライスして冷凍保存するとうま味がアップ。解凍せずにスープや炒め物に使えるので便利ですね。

調理をするときは、せっかくの風味や香りが落ちてしまうため水で洗ってはいけません。湿らせたキッチンペーパーで拭き取るようにましょう。

しいたけ特有のうま味は「グアニル酸」です。昆布に含まれる「グルタミン酸」、鰹節に含まれる「イノシン酸」を合わせて三大うま味成分といわれています。

グアニル酸は単品よりもグルタミン酸やイノシン酸と合わさると相乗効果でうま味がアップ。よって、だし汁を取るときは昆布などと一緒に煮だします。グアニル酸は加熱すると増加するため、香りとうま味がアップします。

しいたけの栄養価

しいたけの栄養価

食物繊維

しいたけには100g当たり5.5gの食物繊維が含まれています。食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、しいたけには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

不溶性食物繊維は水に溶けない食物繊維で、野菜類や穀類などに含まれており、シャキシャキとした歯ごたえが特徴的。咀嚼回数が増え満腹感を得られやすくなります。また、食物繊維を取り入れることで、その料理のGI値を抑えることができます。

また体内で水を吸収しながらカサを増して身体を刺激しながら排泄されることがすっきりにつながります。

レンチナン

しいたけには「レンチナン」と呼ばれるβ-1,3を基軸とするβ-1,6の枝分かれ構造をした「β-グルカン」が含まれています。

レンチナンには健康維持のために重要であると認められ、しいたけから抽出された成分がかなり重宝されていた時代もありました。

ビタミンD

しいたけにはビタミンDが含まれており、カルシウムと相性の良い成分です。ビタミンDには、D2~D7の6種類あり、人体に大切なのはD2とD3。

ビタミンD2は、キクラゲやキノコなど植物性食品に含まれています。ビタミンD3は、鮭やサンマ、マグロなどに含まれており、食品から摂り入れられます。また人間の皮膚にプロビタミンD3(ビタミンD3になる前)と呼ばれるかたちで蓄積されており、日光を浴びることでビタミンD3になるのです。

ビタミンDは脂溶性のため、魚などの動物性食品から摂取したほうが吸収されやすいです。キノコなどはソテーや天ぷらなどの油と一緒に摂取することで吸収が高まります。

ビタミンB群

しいたけにはビタミンB群が含まれています。ビタミンB群とは、

  1. ビタミンB1
  2. ビタミンB2
  3. ビタミンB6
  4. ビタミンB12
  5. ナイアシン
  6. パントテン酸
  7. 葉酸
  8. ビオチン

の8種類の水溶性ビタミンです。ビタミンB群はエネルギーと関与し、元気な毎日に欠かせない栄養素です。

糖質や脂質、タンパク質を摂取していてもビタミンB群が不足していると、充分なエネルギー補給や丈夫な身体づくりは円滑におこなわれません。また水溶性ビタミンのため、一度にたくさん摂取しても尿に排泄されてしまいます。日々の食事で少しずつ小まめに摂取することをオススメします。

B1(mg)B2(mg)ナイアシン当量(mg)B6(mg)B12(μg)葉酸(μg)パントテン酸(μg)ビオチン(μg)
生しいたけ0.130.213.40.210491.217.6
乾燥しいたけ0.51.416.80.4502407.9336.6

※100g当たり

干ししいたけで栄養価をアップ

生しいたけに含まれるエルゴステロールは紫外線に当たることでビタミンDに変化します。

生しいたけ100g当たりに0.3㎍、乾燥しいたけ100g当たりに12.7㎍ビタミンDが含まれています。生しいたけを食べるよりも干しいしたけのほうがビタミンDの量が多いのです。

干ししいたけでなくても食べる前に1時間~2時間干すだけで効果的です。また干すだけで「レンチオニン」と呼ばれる香り成分がアップします。

まとめ

しいたけには食物繊維やビタミンなど身体の機能を整える大切な栄養素が豊富に含まれていました。

味噌汁や炒め物、煮物など料理のアレンジは自由自在。冷蔵庫に常備しておきたい野菜のひとつです。

ぜひ毎日の食事に活用してみてくださいね。

参考文献

文部科学省. 食品成分データベース.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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