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トレーニング

筋トレに豆乳は効果的か?牛乳との違いと活用法について

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2020.09.17

豆腐や納豆、味噌、醤油と日本人に馴染み深い大豆食品。中でも2000年代以降、健康ブームとともに徐々に注目を集めているのが豆乳。ここ数年で種類も増え、スーパーやコンビニにたくさん並んでいますよね。

豆乳はタンパク質が豊富なので、朝食や運動後に摂取している人も多いのではないでしょうか?また「豆乳と牛乳どちらがいいですか?」という質問も多く受けます。

今回のコラムでは、豆乳は身体づくりに有効なのか、牛乳との違い、活用法についてご紹介します。

豆乳の特徴

豆乳の特徴

豆乳の原料は大豆。大豆を粉砕して加熱処理をおこない、遠心分離機でおからと豆乳に分離されます。牛乳と同様、パックに詰めて販売されているため手軽に飲めて嬉しいですね。

畑のお肉」といわれるほど大豆はタンパク質が豊富で、その他イソフラボンやレシチン、鉄など牛乳には含まれていない栄養素もたくさんあります。

豆乳の種類

豆乳には、

の3種類があります。それらの基準はJAS規格で定められています。

※JAS規格とは、食品・農林水産食品などの取り扱いについて国が定めた規格。JAS規格を満たしている商品はJASマークが表示可能。

無調整豆乳

無調整豆乳は、JAS規格にて「大豆から熱水等によりタンパク質その他成分を溶出させ、繊維質を除去して得られた乳状の飲料(大豆豆乳液)」、そして「大豆以外の原材料を使用していないこと」「大豆固形成分が8%以上のもの」と定義されています。

つまり無調整豆乳の原料は大豆と水だけ。3種類の中で一番タンパク質が豊富で大豆本来の味や香りを楽しめる豆乳です。

調整豆乳

調製豆乳は「大豆豆乳液に大豆油その他の植物油脂および砂糖類、食塩等の調味料を加えた乳状の飲料」、そして「豆乳中に含まれる大豆固形分は6%以上」と定義されています。

砂糖や塩で味付けされているので、そのままでも美味しく飲めます。

豆乳飲料

豆乳飲料は果汁やフレーバーを加えて飲みやすくした豆乳です。いちごやバナナ味など種類も豊富で豆乳独特の臭みがないので人気があります。果汁ありの場合は「大豆固形成分2%」、果汁なしの場合は「大豆固形成分4%」と大豆成分が少なめです。

牛乳との違い

牛乳との違い

「畑のお肉」といわれるほどタンパク質が豊富な豆乳。タンパク質の質は牛乳に匹敵し、アミノ酸スコア100

それでは牛乳との違いはなんなのでしょうか?

種類エネルギー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)
無調整豆乳463.623.1
調整豆乳643.23.64.8
牛乳673.33.84.8

※食品100g当たりの栄養価

無調整豆乳は牛乳と比較してタンパク質がやや多く、脂質や炭水化物が少なくヘルシーです。一方、調整豆乳と牛乳の栄養価はさほど変わりません。

タンパク質の違い

牛乳は動物性タンパク質に属します。一方豆乳は、米や小麦といった食品と同じ植物性タンパク質に属します。

カルシウム・ビタミンD

牛乳はカルシウムが豊富です。牛乳1本(200ml)当たりにカルシウム220mg含まれており、成人の1日に必要なカルシウムの約1/3を摂取できます。

さらにビタミンDも含まれており、骨の形成に必要なタンパク質、カルシウム、ビタミンDがそろっています。残念ながら豆乳には、ビタミンDは含まれませんし、カルシウムもさほど多くありません

ホエイ・カゼイン

ホエイ」と「カゼイン」は、乳たんぱく質に含まれており、どちらも身体づくりに有効な成分です。牛乳には、ホエイとカゼインどちらの成分も含まれているので身体づくりにおススメしたい食品です。

ここで牛乳と豆乳を運動後に摂取した論文をご紹介します[1]

この研究では、運動後(週5日)に牛乳、豆乳、マルトデキストリン(コントロール)を摂取。12週間継続し介入前後で比較した結果、どのグループにおいても除脂肪体重が増加し、とくに牛乳を摂取したグループが介入前後で一番増加。また牛乳を摂取したグループで、豆乳・コントロールグループと比較して体脂肪の減少を認めました。このメカニズムについてはわかっていないようです。

まとめますと、牛乳・豆乳どちらも身体づくりには効果があり、とくに牛乳には期待できるかもしれません。

豆乳の栄養

豆乳の栄養

それでは豆乳にはどのような魅力があるのでしょうか?

豆乳には、鉄やイソフラボン、レシチンなど牛乳にはない栄養素が含まれています。それらの栄養素は、健康効果が期待され世界中で研究がすすんでいます。それではそれらの栄養素の働きについてみていきましょう。

は赤血球を合成する成分で酸素の運搬にかかわるミネラルです。鉄が不足すると疲れやすくなったり、肌がくすんだり、酷い場合には貧血になってしまいます。とくに運動する人は、鉄の需要量が高まるので積極的な摂取が大切です。

ただし鉄には、レバーなどの動物性食品に含まれるヘム鉄と大豆や野菜に含まる非ヘム鉄が存在し、動物性のヘム鉄のほうが吸収率がよく、ビタミンCと一緒に摂取するとより吸収率が高まります。

イソフラボン

イソフラボンは、エストロゲン(女性ホルモン)に似た構造をしており、エストロゲン受容体に働きかけることにより、骨粗しょう症の予防やほてり改善などの働きがあると考えられています[2]

大豆レシチン

レシチンは細胞膜の主な成分です。レシチンには、水と油を混ざり合わせる乳化作用があります。この乳化作用によって細胞内に栄養素をとり入れたり、不溶な老廃物を排出するといわれています。

サポニン

サポニンには、抗酸化作用があるといわれており、活性酸素を除去し、脂質の酸化を防いでくれます。また悪玉(LDL)コレステロールの蓄積をおさえることで、動脈効果を予防すると考えられています。

オリゴ糖

腸内細菌には、善玉菌悪玉菌があり、善玉菌がしっかり働くことで排便スムーズになるといわれています。一方、悪玉菌が増えてしまうと、このバランスが崩れて便秘や下痢など腸内の不調の原因となってしまうのです。

豆乳には、腸内で善玉菌を増やす働きあるといわれている「オリゴ糖」が含まれています。

筋トレに豆乳は効果的なのか?

筋トレに豆乳は効果的なのか?

豆乳には、牛乳に含まれていない栄養素が含まれており、動脈硬化予防が期待できるなどメリットがありました。それでは筋肉を合成する働きはあるのでしょうか?

最近の研究で、動物性タンパク質と大豆タンパク質の補給は、筋肉量や筋力の増加に及ぼす影響に違いはないと報告されています[3]。この研究では報告されているいつくかの研究を集めて総合的に評価しています。

下の図は、レジスタンストレーニングとタンパク質補給を組み合わせた結果です。除脂肪体重が、その他のタンパク質(ホエイ・牛肉・乳製品)と大豆タンパク質どちらも増加傾向にあります。

※ひし形が統括した結果です

No difference between the effects of supplementing with soy protein versus animal protein on gains in muscle mass and strength in response to resistance exercise. International journal of sport nutrition and exercise metabolism

Messina, M.ら(2018)図7より引用[3]

また筋力を調べた結果、ともに筋力が増加傾向にありタンパク質の違いで筋力に差はありませんでした

論文の著者によると、多くの研究でホエイタンパク質が筋タンパク質合成(MPS)に有効であることが証明されています。それにはロイシンの濃度が影響ししているかもしれません。

また多くの研究は、運動後3~5時間の筋タンパク質合成を評価しており、長期的な背景を評価していないと述べています。さらに個人における筋タンパク質合成(MPS)と除脂肪体重は、相関しない可能性があるともいわれています[4]

まとめますと、さまざまな見解があり「これがいい」とはっきり明言はできません。しかしながら少なくとも運動後に牛乳や豆乳などタンパク質を摂取することは、筋肉増加によい働きをすることは間違いなさそうです。今後の研究に期待したいですね。

植物性タンパク質はどれくらい摂取したらいいのか?

植物性タンパク質は毎日摂取したほうがいいのか?

豆乳も身体づくりに効果がありそうでした。それでは1日にどれくらい食べたらよいのでしょうか?

牛乳と豆乳の大きな違いは、タンパク質の種類です。牛乳は動物性のタンパク質。一方、大豆は、米やパンなどと同じ植物性タンパク質に属します。大豆タンパク質を摂取することで善玉(HDL)コレステロールを増加させ、悪玉(LDL)コレステロールを低下させる可能性があります。

さらに赤身肉や加工肉の一部を植物性タンパク質に置き換えることで、死亡率が低下したという報告があります[5]。総エネルギー摂取量の3%を赤身肉から植物性タンパク質に置き換えることで総死亡リスク34%、がん死亡リスク39%、循環器疾患死亡リスクが42%低下したようです。

植物性タンパク質と動物性タンパク質の具体的な摂取比率はわかっていません。ある研究で大豆タンパク質を23g/1,000kcalの摂取をしたところ、高コレステロール血症の薬と同じくらいの効果があったと報告されています[6]

これらのことから、動物性タンパク質や植物性タンパク質どちらに偏るのではなく、動物性タンパク質もとり入れながら1日2~4品程度、豆乳に限らず大豆食品をとり入れるとよいのではないでしょうか。

まとめ

牛乳と豆乳にはそれぞれ特徴がありました。また筋肉合成については牛乳も豆乳もどちらも効果がありそうでしたね。

牛乳と豆乳どちらにも各々メリットがあり身体にとって大切な栄養素です。目的によって使い分けるのもいいですし、「運動後は牛乳。朝は豆乳など……」どちらも摂取することで、より多くの栄養素を摂取できるのではないでしょうか。

さらに普段食べている味噌汁に牛乳や豆乳をまぜることで減塩効果も期待できるのでおススメです。

参考文献

1. Hartman, J. W., Tang, J. E., Wilkinson, S. B., Tarnopolsky, M. A., Lawrence, R. L., Fullerton, A. V., & Phillips, S. M. (2007). Consumption of fat-free fluid milk after resistance exercise promotes greater lean mass accretion than does consumption of soy or carbohydrate in young, novice, male weightlifters. The American journal of clinical nutrition, 86(2), 373-381.

2. Messina, M. (2016). Soy and health update: evaluation of the clinical and epidemiologic literature. Nutrients, 8(12), 754.

3. Messina, M., Lynch, H., Dickinson, J. M., & Reed, K. E. (2018). No difference between the effects of supplementing with soy protein versus animal protein on gains in muscle mass and strength in response to resistance exercise. International journal of sport nutrition and exercise metabolism, 28(6), 674-685.

4. Mitchell, C. J., Churchward-Venne, T. A., Parise, G., Bellamy, L., Baker, S. K., Smith, K., … & Phillips, S. M. (2014). Acute post-exercise myofibrillar protein synthesis is not correlated with resistance training-induced muscle hypertrophy in young men. PloS one, 9(2), e89431.

5. Budhathoki, S., Sawada, N., Iwasaki, M., Yamaji, T., Goto, A., Kotemori, A., … & Iso, H. (2019). Association of animal and plant protein intake with all-cause and cause-specific mortality in a Japanese cohort. JAMA internal medicine, 179(11), 1509-1518.

6. Jenkins, D. J., Kendall, C. W., Faulkner, D., Vidgen, E., Trautwein, E. A., Parker, T. L., … & Leiter, L. A. (2002). A dietary portfolio approach to cholesterol reduction: combined effects of plant sterols, vegetable proteins, and viscous fibers in hypercholesterolemia. Metabolism-Clinical and Experimental, 51(12), 1596-1604.

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坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。