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BCAAはダイエットに活用できるのか?タンパク質との違いについて

坂口 真由香
最終更新日:2021.02.23
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

ダイエットやトレーニングをはじめると手を出したくなるのがBCAA。

「周りでとり入れている人が多いから」という理由で、なんとなく手にしていませんか?はたしてダイエットにBCAAは必要なのでしょうか?

今回のコラムでは「BCAAとはなにかを解説し、ダイエットに効果があるのか?」解説します。

BCAAとタンパク質の違い

BCAA(branched-chain amino acid)は日本語で「分岐鎖アミノ酸」といいます。枝分かれした構造のバリン、ロイシン、イソロイシンが該当します。

これらのアミノ酸は体内で合成できないため、食事から摂取しなければなりません。またアミノ酸の中でもBCAAは、筋肉の分解や合成の調整やエネルギー供給に大きな役割をはたしています。

ダイエット成功に欠かせないのが筋肉です。筋肉を維持しながら減量を試みることで、リバウンドしにくい身体へと近づけるでしょう。これこそダイエットにおいてタンパク質やBCAAが注目される理由です。

しかしながらBCAAには最大の欠点があります。それは「たった3つのアミノ酸」しかないことです。人間の身体は3つのアミノ酸で構成することは不可能で、20種類のアミノ酸が必要となります。20種類すべて兼ね備えた食品が肉や魚、卵などです。

20種類のアミノ酸がどれだけ重要であるかは、いくつかの研究で証明されています。運動後にBCAAパウダーを摂取した研究では、たしかにプラセボよりも筋肉合成は促進されたが、ホエイプロテインには劣ると筆者は述べています[1]

またEAAパウダー、ロイシンパウダー、ホエイプロテインを比較した研究では、ロイシンパウダーが最も速く吸収されたものの、筋肉合成を促進したのはホエイプロインでした[2]

ダイエットにはBCAAよりもタンパク質

ここからは20種類のアミノ酸の重要性について詳しくみていきましょう。

いざダイエットとなり食事のカロリーばかり気にして、このような食事になっていませんか?

「朝は忙しくて食べれなかった……。お昼は友達とパスタランチしたし、夜はサラダだけでカロリーコントロール!」

カロリーコントロールはできてそうですが、栄養バランスは崩壊していると言わざるを得ません。パスタなどの麺類で簡単に済ませる食事はタンパク質が不足しがちですし、サラダだけなど極端な食事は圧倒的にタンパク質が不足します。

タンパク質が不足している食事

水をタンパク質に例えた桶をご覧ください。このようにタンパク質が不足した食事は穴の空いた桶状態。

この状態にBCAAを補給したとしましょう。バリンは充足するかもしれませんが、そのほかのアミノ酸が十分でないために、補給しても水の泡となってしまうのです。

BCAAを補給してもタンパク質を生成できない

まずは肉や魚などのタンパク質で身体に必要なアミノ酸を補給することが最優先です。健康な人におけるBCAAの推定必要量は4g程度といわれており、肉や魚などのタンパク質食品を毎食摂り入れていれば不足の心配はありません。

食品名バリン(mg)ロイシン(mg)イソロイシン(mg)BCAA(mg)
マグロ1200170011004000
カツオ1200180010004000
サバ110016009303630
アジ85015009603310
サケ100015008303330
鶏肉(ムネ)1200190011004200
鶏肉(モモ)1100170010003800
豚肉(ロース)87014007903060
豚肉(ヒレ)1100180010003900
豚肉(モモ)100017009503650
牛肉(モモ)100017009403640
牛肉(サーロイン)91015008403250
卵(1個)3805003051185
豆腐(1/4丁)3505903401280
納豆(1パック)3445203121176
牛乳(200ml)4006403401380
チーズ(1個20g)3204602401020
ヨーグルト(100g)240350200790

※肉、魚は100g当たりの量

表1:食品中のBCAA含有量
文部科学省「食品成分データベース」[3]より作成

BCAAのカロリーは4kcal

BCAAのカロリーは4kcal

そしてBCAAがダイエットで注目されるもうひとつの理由が「アミノ酸にはカロリーがない」という誤解です。

アミノ酸のエネルギー量は1g当たり4kcal。つまりBCAAパウダーを10g摂取した場合のエネルギー量は40kcal。肉や魚、プロテインパウダーと変わりありません。

もしヘルシーだからという理由だけでBCAAを手にしているのであれば、自身のタンパク質が本当に充足しているか振り返ることが大切です。

日々の食事に自信があるならBCAAも選択肢のひとつ

日々の食事に自信があるならBCAAも選択肢のひとつ

美しいメリハリボディを獲得している方がBCAA片手にトレーニングしている姿を見ても、安易にBCAAに手を出すべきではないでしょう。憧れのボディを兼ね備えた方々は、BCAAを選択する以上に食事に気を使っているはずです。

自身のトレーニング量を把握したうえで、どれくらいの栄養素が必要なのか計算し、身体の状態に合わせて補足的にBCAAを活用しています。実際、運動の20分~30分前にBCAAを補給することで筋肉の分解が抑制できたという報告もあります[4]

トレーニング内容や運動量に応じて食事の栄養素やアミノ酸の特性を理解し活用することで、よりよいコンディションが得られるかもしれません。

しかしながら、

などの場合は、BCAAパウダーを選択するよりもタンパク質を選択したほうが、身体に必要なアミノ酸を網羅でき、得られる恩恵はBCAAよりも大きいと考えられます。

基本的に20種類のアミノ酸を兼ね備えたタンパク質で土台を構築し、そこにBCAAがあることでよりよい働きが期待できることを忘れないでくださいね。

まとめ

BCAAを手にする前にご自身の食事について振り返る必要があるかもしれません。ダイエットの成功は食事にあることは間違いなく、栄養バランスが崩れがちなダイエット中だからこそ食事管理が重要となります。今回ご紹介したBCAAはさまざまな働きが期待されている栄養素です。

最後に「BCAAパウダーはあくまでもサプリメント」。食事の代わりではなく補助的なものに過ぎないことを理解し活用することが大切です。

参考文献

1. Jackman, S. R., Witard, O. C., Philp, A., Wallis, G. A., Baar, K., & Tipton, K. D. (2017). Branched-chain amino acid ingestion stimulates muscle myofibrillar protein synthesis following resistance exercise in humans. Frontiers in physiology, 8, 390.

2. Churchward‐Venne, T. A., Burd, N. A., Mitchell, C. J., West, D. W., Philp, A., Marcotte, G. R., … & Phillips, S. M. (2012). Supplementation of a suboptimal protein dose with leucine or essential amino acids: effects on myofibrillar protein synthesis at rest and following resistance exercise in men. The Journal of physiology, 590(11), 2751-2765.

3. 文部科学省 食品成分データベース

4. Shimomura, Y., Inaguma, A., Watanabe, S., Yamamoto, Y., Muramatsu, Y., Bajotto, G., … & Mawatari, K. (2010). Branched-chain amino acid supplementation before squat exercise and delayed-onset muscle soreness. International journal of sport nutrition and exercise metabolism, 20(3), 236-244.

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アミノ酸には必須アミノ酸が9種類、非必須アミノ酸が11種類あります。
必須アミノ酸は体内で合成することができないため、食事やサプリメントからの摂取が必要です。

また非必須アミノ酸も、トレーニングや健康維持など
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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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