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EAAで下痢になる?飲む際の注意点とポイントについて

前田 修平
最終更新日:2022.07.01
グロング専属 鍼灸師

ジムに着いて「さあトレーニングをはじめるぞ!」と意気込んだ矢先、急に「お腹がゴロゴロ……」なんて経験はありませんか?もしかするとそれはトレーニング前に飲んだ「EAA」の影響かもしれません。

「なんとか身体を大きくしたい」、「トレーニングの効率をあげて早くカッコよくなりたい」と熱心にトレーニングに取り組んでいると、スポーツサプリメントに興味が出てくると思います。

トレーニングによる筋力アップなどに励んでいると、「身体づくりのためによい」とされているものは、たくさん摂りたいという気持ちはわかりますが、使い方を間違えては本末転倒です。 今回のコラムでは、EAAを飲む際の注意点と、下痢をしないためのポイントをお伝えします。

下痢になるメカニズム

下痢は排便回数が増え、腸内の粥(かゆ)状の便が繰り返し出てくることです。

下痢は腸の過剰な「ぜん動運動」※1によって起こり、主に3つに分類されます。食中毒などの感染やアレルギー反応による「分泌性下痢」。暴飲暴食やストレス、冷えなどで自律神経の働きが乱れた結果、腸が動きすぎる「運動亢進性下痢」。腸内の水分吸収が十分でないときに起こる「浸透圧性下痢」があります。

腸には胃で分解された食べ物をさらに細かく分解して消化し、吸収する働きがあります。通常の食事で消化管内の食べ物がゆっくりと分解・消化・吸収されているうちは問題ありません。

ところが食品自体が腐敗していたり、アレルギー物質が含まれていると身体はそれらを体外に出そうとします。また極端なストレスや疲労による身体の不調があると、内臓が思うように機能しない場合にも起こるのです。

下痢が起こったときには、大量の水分と電解質が失われています。脱水状態にならないように、経口補水液のようなミネラルと水分を摂取できるものを飲むようにしましょう。

あまりにも症状がひどい場合は、ホルモンや自律神経に関する病気が隠れている場合もあります。ご自身で判断せずに、必ず医療機関を受診するようにしてくださいね。

※1 ぜん動運動:消化管の内容物を体外に送り出そうとする働き。ぜん動運動に関わる筋肉は腸内の壁面にあり、迷走神経と呼ばれる自律神経の一種に支配されているため、意識的に動かすことはできない。

EAAを飲むとどうして下痢が起こるのか?

EAA エナジードリンク

EAAを飲むとどうして下痢が起こるのでしょうか?結論は「EAAを一度に大量に摂取するから」です。

浸透圧性の下痢は、一般的に腸管内の物質濃度が高まった際に起こることが多いです。EAAを一度に大量(目安は15g以上)に摂取すると腸内の濃度が高まり、それを薄めようと腸の外から多くの水分が引き込まれます。

つまり腸内で十分に吸収できなかった水分を体外に排出しようとした結果、下痢を起こすのです。

EAAは必須アミノ酸9種を網羅したサプリメントです。プロテインパウダーよりも細かい段階まで精製されているため、体内で分解する必要がありません。消化酵素も働く必要がないため、口から摂取した後はスムーズに腸管内へ運ばれます。これが濃度上昇の要因のひとつになっていると考えられます。

また飲みやすい風味になるように、人工甘味料を使用している製品が多いです。ガムや飴などのパッケージにも「一度に大量に摂取するとお腹がゆるくなることがあります」との表記を目にします。人工甘味料の摂りすぎでも下痢になる可能性があるため、注意しましょう。

EAAを飲む際の注意点

EAAサプリメントで推奨されている飲み方は、「10g~15gのEAAを400ml~1000mlの水に溶かして、少しずつ摂取する」方法です。
※製品により多少の差はあります

トレーニング中や朝と夜などにEAA少量を数回に分けて摂取することで浸透圧の上昇を防ぎつつ、血中のアミノ酸濃度を高めるようにします。この飲み方により、身体づくりをサポートするEAAのメリットを享受しながらも、下痢をする可能性があるデメリットをうまく排除できるはずです。

まとめ

EAAによる下痢は、適切な飲み方さえ守れば必要以上に心配することはありません。

身体には「ホメオスタシス」といって、急激な変化に対し体内を一定に保とうと排除する働きがあります。EAAにおいても、急激な体重の増減にしても、身体にムリをさせていることに変わりはありません。

替えのきかない自分だけの身体ですから、一つひとつの反応をきちんと確認して対処するようにしましょう。

サプリメントひとつ取っても、実感には個人差がありますし「絶対的な正解」もありません。まずは正しい情報を得たうえで、適切にとり入れることからはじめましょう。

参考文献

1. 一般社団法人 日本臨床内科医院. 下痢の正しい対処法.

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前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

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