WRITER
島袋 好一
トレーナー(寄稿)
最終更新日:2018.12.04
こんにちは、GronG TRAINING LAB.の島袋です。
今回は「ダイエットに失敗してしまう考え方と行動」をご紹介します。
これまで多くの方にダイエットの指導をさせて頂きました。
大筋の方法についてはこれまでのコラムでも書かせて頂いたように栄養摂取と身体活動のバランスを鑑み、クライアント様個々の情報を加味して、オーダーメイドのプログラムを作成していきます。
指導を始めたころはプログラム作成の依頼を受けると、それをスタートする時点を決め、そこから先の必要な情報を提供してきたのですが、ここ数年は注力する時間軸が様変わりしてきました。
どう変化したかと言うと「これから先」ではなく「これより前」。
なぜなら「終わったことは気にするな」とか「前だけ向いてすすめ」とかプラス思考と行動だけでダイエットを成功に結びつけられる方は稀有に等しく、ほとんどの方が、その思いとはウラハラに知らず知らずのうちに過去の習慣的な思考と行動に捕われてダイエットを振り出しに戻したり、途中で諦めてしまい…そういった方の中にはある種、共通の思考と行動が在ることに気付かされたからです…。
では、なぜそうなってしまうのか…?
指導の失敗と躓きを経験する中で得た知識と改善法を具体的に提示し、カウンセリングを実施することで一様の効果が見られました。
本日のコラムでは一体それは「どんなこと?」なのかと言う代表的な事例を紹介させていただきます。
過去のコラム「【番外編】ダイエットの評価方法と体重変動のカラクリを知る│体重のカラクリを制すものはダイエットを制す」の中で、
逆に言うと失敗をしてしまう方の多くの共通の行動は『現実を見極めずに大きな目標を立て、ギャンブル的な難しい方法を好む』と言い換えることができるかも知れません。
という一節を用いましたが、これをもう少し具体的に説明すると、
というような事柄になるのですが、これらは裏を返すと「失敗をした時の言い訳」を深層心理の中に予め準備していると言えなくもありません。
無茶な設定は失敗をしても“いきなりこれは無理やったな”とか“こんなやり方はカラダにわるいな”と言うような常套句にすぐ置き換えることができます。
家族や友人や同僚などに承認を得ることも容易で、こういった行動の繰り返しがいつの間にか『どうせ俺には、私なんかには…』と言う低い自己効力感(セルフエフィカシー)へと繋がっていきます。
その負の連鎖を打破する方法が、敢えて「低いハードルの、簡単で実行可能な食生活の変化や運動・行動」をまずは繰り返してみる。」ということです。
脳内の回路の中には「目標を達成」した時に中脳から分泌される快楽物質があります。
「今日から始められるダイエット~その運動と食事法」のシリーズで方法論を段階的に解説させて頂いたのにはこういった意味合いがあったのです。
この快楽物質は「ドーパミン」と呼ばれるもので、皆さんも一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか?
昨年、スポーツ界や芸能界に激震を走らせた薬物依存問題を筆頭に、この「ドーパミン」の過剰な分泌は性衝動、ギャンブル、アルコールなど手段を間違うと厄介な依存へと直結してしまうのですが、「運動や食生活」を正しい方向へと導くために設定した課題をクリアした「成功体験」によって起こる分泌を上手に利用することによって、ダイエットを成功に導く習慣形成に繋がるのです。
本日のコラムはいかがでしたか?
ヒトが一念発起してダイエットを開始するとき大きな目標を掲げて、周りの人に宣言することが多いのではないでしょうか?
先の文章にあったように失敗に共感してもらってばかりも考えものですが、「アンタには絶対無理やって!」とか目の前のお菓子を少し摘まむと言った小さなご褒美でさえも「今ダイエット中ちゃうの~」というような些細な指摘を繰り返すネガティブチェッカーばかりでも困りものです。
そう言った指摘に反骨精神が上手く作用すれば良いのですが大抵の場合、それがいつも周りから見られている、見返さなければ…などと言った強迫観念となってストレスになってしまうことが多いのです。
この類のストレスは本来、空腹が満たされる事よって分泌される快楽物質の回路を狂わせ過食へと導くことが示唆されています。
高らかに宣言し「結果や自分にコミットする」事も悪くないのですが…、人知れず小さな取り組みを初めて、その成功を心の中の自分とガッツポーズで称賛することも案外悪く無いものですよ。
そしてあなたの身近な存在に、そう言った小さな変化に「よく続いてるね~」とか、「最近顎回りスッキリしてない?」などと言ってくれるポジティブチェッカーを見つけてください。
褒められる、認められることによっても起こる「快楽物質」の分泌は、ダイエットの習慣行動形成の相乗効果が期待出来るのです。
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島袋 好一トレーナー(寄稿)
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