雑穀米はダイエットに効果的なのか?
「○○ダイエット」が流行れば誰しも試したくなりますよね。「雑穀米ダイエット」もそのひとつではないでしょうか。今となっては健康ブームで定食屋さんでも雑穀米が提供されています。
雑穀米を食べたら普通のお米に戻れないという方もいるほど人気の雑穀米。はたしてダイエットに効果的なのでしょうか?
今回のコラムでは、雑穀米について紐解きながら「ダイエット効果」について考えてみましょう。
雑穀米のダイエット効果について
雑穀米は玄米やあわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜ込んだものです。
歴史は古く「古事記」にも「稲・栗・麦・小豆・大豆」が五穀として登場します。古来から主食として食べられていたようですね。
白米が食べられるようになったのは奈良時代といわれています。しかし白米は貴族階級の食べ物でした。庶民はあまり精製されていないお米に「ひえ」や「アワ」などの雑穀を混ぜて食べていたといわれています。
江戸時代には米が大量に生産されるようになったこともあり、武士や庶民も白米を食べるようになったようです。しかし「脚気」が流行し、ソバや麦など雑穀を混ぜたほうがよいといわれ、地域によっては雑穀米を食べていたようです。
戦後の食料不足では麦などを混ぜて食べるようになったようですが、高度経済成長を期に白米が主流となり、雑穀が忘れさられるようになりました。
近年注目されている雑穀米は、
- 十六穀米
- 十八穀米
- 三十穀米
とバラエティー豊かです。定食屋さんでも雑穀米を見かけるようになり、人気が高まる中「ダイエットによいのでは?」といった声もあるようです。
しかしながらカロリーは白米とさほど変わりません。そのため雑穀米を食べたからといって体重が減るなんて過度な期待するのはオススメできません。
雑穀米をとり入れるメリット
「じゃあ雑穀米は意味ないの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。ここからは雑穀米をとり入れるメリットについて解説します。
ビタミン・ミネラルが豊富
雑穀米にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。ダイエット中はとくにビタミン・ミネラルが不足しがちです。
ビタミン・ミネラルは身体が正常に機能することに関わる栄養素。体内でごく少量であってもビタミン・ミネラルがなければ円滑な活動がおこなわれません。栄養バランスが乱れやすいダイエット中こそ、雑穀をとり入れるとよいかもしれませんね。
低GI値
精製された炭水化物はGI値が高く、ダイエット中の方は控えたいところかもしれません。
精製された炭水化物よりも精製されていない全粒穀物は、GI値も低く抑えられて、ダイエットや健康維持のサポートになることが報告されています[1]。
全粒穀物(イネ科の植物、ソバ、キヌアなど)は白米や白パンなど精製された炭水化物に比べて食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維はゆっくりと移動しながら排泄されるため、比較的GI値は低く抑えられるといわれています。
食べすぎ防止
雑穀米は歯ごたえがあるため咀嚼回数の増加が期待できます。咀嚼することで満腹中枢が刺激されるため食べすぎ防止となるでしょう。
健康維持に
雑穀米は白米と比較して食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維が善玉菌のエサとして食べられることで、オリゴ糖や食物繊維は発酵(分解)して、酢酸や短鎖脂肪酸などを作ります。これらの物質も健康のために役立つといわれています。
雑穀米の食べ方
雑穀米は簡単に炊飯できます。洗米した米に雑穀を入れて推奨量を加水するだけです。
丼ぶり物やカレーなどにも合うため、一度食べると白米よりも雑穀米となるのかもしれませんね。またご飯に混ぜるだけでなく、炊飯した雑穀をハンバーグやコロッケに混ぜたり、サラダや和え物に入れるのもオススメです。
まとめ
雑穀米による直接的なダイエット効果は期待できません。
しかし栄養価が高いことでダイエット中に不足しやすい栄養素を補えるでしょう。また低GI食品であり、食物繊維による満腹効果による食べ過ぎ防止も期待できるのではないでしょうか。
雑穀米はスーパーで簡単に手に入りますし、専門店に行くと自身のお好みで配合できます。ぜひ今日から雑穀生活はじめてみませんか。
参考文献
1. Della Pepa, G., Vetrani, C., Vitale, M., & Riccardi, G. (2018). Wholegrain intake and risk of type 2 diabetes: evidence from epidemiological and intervention studies. Nutrients, 10(9), 1288.