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GronG MAGAZINE
栄養・食事

タンパク質の過剰摂取による身体への影響

坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士
最終更新日:2020.09.14

近年、健康ブームとともに需要が高まる「タンパク質」。健康・美容などさまざまな目的でタンパク質を積極的に食べている方も多いことでしょう。

戦後、一時低下していた日本人のタンパク質摂取量はむしろ増加傾向です。需要が高まる中、必要以上に摂取している方もいるかもしれません。はたしてタンパク質の過剰摂取による身体への影響はあるのでしょうか?

今回のコラムは、タンパク質の体内での働きと過剰摂取による身体への影響を解説します。

タンパク質の体内での働き

タンパク質の体内での働き

タンパク質とは

人体の20%はタンパク質です。アミノ酸が100個以上結合したものをタンパク質といいます。人間の体には3万種類の異なるタンパク質が存在し、

など身体のいたる部分を構成しています。

タンパク質の消化・吸収

タンパク質は、胃と腸で消化されアミノ酸に分解され腸から吸収されます。吸収されたアミノ酸は、体内でさまざまなアミノ酸と再び結合して(再合成)タンパク質となり、筋肉や内臓、爪など身体を作ります。

アミノ酸は全部で20種類。体内で作れるアミノ酸「非必須アミノ酸」体内で作れないために食事から補う必要がある「必須アミノ酸」に分類されます。多くは20種類すべて揃わないと身体のいたる部分の構成材料となるタンパク質を作ることはできません。

よって、食事から必須アミノ酸が含まれるタンパク質食品を補給することが大切といわれているのです。肉や魚、卵、大豆といったタンパク質に分類される食品は、必須アミノ酸が豊富に含まれており良質なタンパク質源といわれています。

タンパク質の合成・分解

人体のさまざまな部分を構成するタンパク質には、常に新しいタンパク質と古いタンパク質が入れ替わるためのシステムが備わっています。このシステムを「アミノ酸プール」とよんでいます。

肉や卵などを食べると消化されてアミノ酸になり、アミノ酸プールにストック。筋肉やホルモンなどの体タンパク質も合成と分解を繰り返し、分解されたアミノ酸は再利用されるためにアミノ酸プールに入ります。

このプールされた食事由来のアミノ酸と体タンパク質由来のアミノ酸は、血液を介して全身に運ばれ、筋肉や酵素、ホルモンなどさまざま臓器の材料となりタンパク質を合成。毎日おおよそ180gの新しいタンパク質が作られ、180gのタンパク質が分解されています。

またいらなくなったアミノ酸は、抜け毛や汗、便、尿となり排泄されます。体外に出ていくタンパク質の量はおおよそ1日60~70g。よって日々の食事から60~70gのタンパク質を食べる必要があるのです。

これらアミノ酸を合成したり、分解したり、エネルギーを生み出すなどの働き(アミノ酸の代謝)をおこなっている主な臓器が肝臓です。その他、腎臓や小腸、筋肉でアミノ酸が代謝され体内で利用されて排泄されます。

タンパク質の過剰摂取でおこること

タンパク質の過剰摂取でおこること

それではタンパク質を摂りすぎると、体内でどのような影響があるのでしょうか?

太る

身体づくりやダイエットなどで積極的にタンパク質を食べている方もいるでしょう。

体内で消費される量を食べている分には問題ありません。しかしながら摂りすぎたタンパク質は体脂肪として蓄えられます。筋肉アップされたい方は、運動をしっかりおこなったうえでタンパク質を補給しましょう。

腸内環境の乱れ

腸内環境のバランスは腸内細菌によって決まります。この腸内細菌には善玉菌と悪玉菌があり、善玉菌がしっかり働くことで腸内環境が整うといわれています。一方、悪玉菌が増えてしまうと、このバランスが崩れて便秘や下痢、おならなど腸内の不調の原因となってしまうのです。

タンパク質は、体内で消化されると窒素となり排泄されます。この窒素が悪玉菌のエサとななるため、タンパク質を必要以上に摂りすぎると悪玉菌が増え、ガスが発生したり、便秘や下痢などの不調をきたす恐れがあるのです。

内臓への(肝臓・腎臓)の影響

アミノ酸の代謝は主に肝臓や腎臓でおこなわれると前述しました。そのためタンパク質を摂りすぎると内臓に負担がかかるかもしれません。

アミノ酸を分解する過程で、アンモニアという毒素が作られます。アンモニアを肝臓で無毒化し、さらに腎臓で処理されて尿として排泄されます。たくさんタンパク質を摂りすぎると、肝臓と腎臓は処理に追われてしまうので負担になるではないか?と考えられています。

これらのことから肝臓や腎臓に疾患をお持ちの方は、負担を軽減するためにタンパク質の摂取を控える場合があります。健康な人におけるタンパク質の臓器への影響ははっきりとわかっておらず、さらなる研究が必要といわれています[1]

また赤身肉や加工肉は腎臓病のリスクが上昇するともいわれています。さらに赤身肉や加工肉を豆類などの他のタンパク質に置き換えることで、腎臓病のリスクが低下と関連していたと報告されています[2]

特定の食品に偏り、過剰に食べることはあまりおススメできません。肉や魚、大豆などさまざまな食品から上手にタンパク質を摂り入れましょう

尿路結石のリスク

タンパク質の摂りすぎにより尿路結石のリスクが上昇するかもしれません。肉類などの動物性タンパク質が尿路結石のひとつの原因として指摘されています。

肉類を食べすぎると、シュウ酸や尿酸などの物質が体内に増加。このうちのシュウ酸は、カルシウムと結合しやすい性質があり、腸内でカルシウムと結びつき便と一緒に排泄されます。

ところがシュウ酸の量が多いと、尿中にもシュウ酸があふれカルシウムと結合してしまいます。尿の中で結合すると石のように硬くなってしまい、腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせる原因となるのです。

タンパク質をバランスよく食べよう

タンパク質をバランスよく食べよう

タンパク質の過剰摂取は、人体に影響があるかもしれないとわかりました。

一方で、身体にとって大切な栄養素であることは間違いなく、負担のない範囲で摂り入れることが大切ではないでしょうか?

1日に必要なタンパク質量

成人男性の推奨量は65g、成人女性の推奨量50gです[3]。アスリートや運動を積極的にされている方は、通常よりもタンパク質を多く必要とし、体重1kgあたり1.4~2.0gを目安に摂取するとよいでしょう。

バランスよくタンパク質を食べよう

特定の食品に偏ることは栄養バランスの点からもあまりおススメできないと前述しました。

タンパク質は、肉や魚以外に大豆や野菜などにも含まれています。とくに大豆は、肉や魚に負けないくらいアミノ酸が豊富に含まれています。

タンパク質の補給を肉ばかりに頼ると脂の摂りすぎも招きかねません。納豆や豆腐などを積極的に活用してみましょう。大豆には、コレステロールを下げる働きなど健康効果が期待できる成分も含まれています。ぜひ、肉や魚と一緒に大豆や野菜も意識して摂り入れてみましょう。

まとめ

タンパク質の摂りすぎによる身体への影響を解説しました。

人間の身体は本当にうまくできており、タンパク質を再利用するシステムが備わっていました。分解と合成のバランスがとれるように仕組まれています。

たくさん食べたからといって健康によいというわけではなく、体外に出ていく分を踏まえて適切な量を摂り入れることがポイントです。

また特定の食品に偏るのもよくありません。肉や魚、卵、豆、野菜など多くの栄養素をバランスよく摂り入れましょう。

参考文献

1. Van Elswyk, M. E., Weatherford, C. A., & McNeill, S. H. (2018). A systematic review of renal health in healthy individuals associated with protein intake above the US recommended daily allowance in randomized controlled trials and observational studies. Advances in Nutrition, 9(4), 404-418.

2. Mirmiran, P., Yuzbashian, E., Aghayan, M., Mahdavi, M., Asghari, G., & Azizi, F. (2020). A prospective study of dietary meat intake and risk of incident chronic kidney disease. Journal of Renal Nutrition, 30(2), 111-118.

3. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版).

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坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。