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食物繊維の効果と働き
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β-グルカンと免疫の関係について

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2021.04.12

体調管理の決め手となるのが免疫です。免疫は病気や怪我の回復や予防のために備わっているシステムです。

そんな免疫とβ-グルカンの関係が注目されているようです。

今回のコラムでは「β-グルカンと免疫の関係」について解説します。

β-グルカンとは

人間の主なエネルギー源であるブドウ糖がいくつか結合してできた塊をグルカンといいます。ブドウ糖が結合する際に「鎖」役となるものにα型とβ型が存在。

α型で結合してできたものにはデンプンやグリコーゲンなどがあり、α-グルカンと呼ばれます。人間はα-グルカンを消化する能力(鎖を切るハサミ)をもっているため、最終的にはブドウ糖となり体内でエネルギー源として働きます。

一方でβ-グルカンを消化する能力(鎖を切るハサミ)がないため、エネルギーに変換できません。β-グルカンは消化されない成分であり食物繊維に分類されます。酵母やきのこ、野菜、大麦などにβ-グルカンは含まれています。

β-グルカンの免疫効果

β-グルカンの免疫効果

私たちの身体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに、それらを攻撃し排除する機能が備わっています。このシステムを「免疫」といい、外敵から守るために重要な役割をはたしています。

1940年頃より酵母の研究がおこなわれ、β-グルカンが発見されました。古くからキノコなどの健康効果は知られていました。

1960年頃よりβ-グルカンと免疫の研究がおこなわれ、1968年、千原博士らが椎茸から「レンチナン」というβ-1,3を基軸とするβ-1,6の枝分かれ構造をしたβ-グルカンの抽出に成功。その後研究がすすめられ、レンチナンの抗腫瘍効果が報告されるようになり、治療困難な胃がん治療に使用されてきました。

2000年代になると、免疫系にβ-グルカンの受容体の存在が明らかとなり、β-グルカンの摂取により免疫系の活性化が期待されるようになりました[1]

またオート麦や真菌のβ-グルカンは免疫系に作用するだけでなく、コレステロールや血糖値上昇の抑制が報告されています[2][3]

日本でも近年、大麦やもち麦などの雑穀ブームに加えて、キノコから抽出したβ-グルカン関連の健康食品が注目されています。ただし健康食品に含まれるβ-グルカンと体内の働きついては、研究報告が少ないことも事実です。またβ-グルカンの免疫作用には個人差があるとも報告されています[4]

まとめ

β-グルカンには免疫活性や血糖値、コレステロールの上昇を抑える働きがあり、北欧諸国はじめ日本においても注目されている栄養素のひとつでした。ただし栄養素は単独で働くことは稀で、互いに助けあって生命活動を維持しています。

昨今、健康ブームで健康食品の需要が高まっています。ただし健康食品は補助的なもので、基本はバランスの取れた食事であることを忘れないでくださいね。

β-グルカンは穀物や海藻、野菜、果物など私たちが日々食べている食材に含まれています。免疫アップの秘訣は、日々の食事にあるのではないでしょうか。

参考文献

1. Taylor, P. R., Tsoni, S. V., Willment, J. A., Dennehy, K. M., Rosas, M., Findon, H., … & Brown, G. D. (2007). Dectin-1 is required for β-glucan recognition and control of fungal infection. Nature immunology, 8(1), 31-38.

2. Chen, J., & Raymond, K. (2008). Beta-glucans in the treatment of diabetes and associated cardiovascular risks. Vascular health and risk management, 4(6), 1265.

3. Othman, R. A., Moghadasian, M. H., & Jones, P. J. (2011). Cholesterol-lowering effects of oat β-glucan. Nutrition reviews, 69(6), 299-309.

4. Oka, M., Hazama, S., Suzuki, M., Wang, F., Wadamori, K., Iizuka, N., … & Suzuki, T. (1996). In vitro and in vivo analysis of human leukocyte binding by the antitumor polysaccharide, lentinan. International journal of immunopharmacology, 18(3), 211-216.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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