食物繊維不足を解消する1日の食事メニューとポイント
食物繊維は健康維持のために重要であることが報告されています。
しかしながら日本人の食物繊維摂取量は不足しているのです。
今回のコラムでは、日々のメニューに一工夫するだけで食物繊維の摂取量がアップするポイントについてご紹介します。
食物繊維とは
食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性繊維の2種類。
不溶性食物繊維はシャキシャキとした歯ごたえが特徴的で、水を吸収しながら大きくなり、身体を刺激して排出されます。
水溶性食物繊維はネバネバした食品に多く、ゲル状となって他の栄養素も巻き込みながらゆっくりと移動するため、吸収が緩やかです。そのため、腹持ちが良く食べ過ぎを抑える働きがあるといわれています。
日本人は食物繊維が不足している
成人における1日の食物繊維目標量は男性で21g以上、女性で18g以上が望ましいとされています[1]。この量は人参であれば7本、レタスであれば6個、バナナであれば19本に相当。
しかしながら国民1人あたりの平均摂取量は14.4gと不足しているのが現状です[2]。「平成30年 国民健康・栄養調査」によると、ほとんどの層において男女ともに不足しています。とくに20代~40代の若者や働き盛り世代の食物繊維不足が著明です。
ちょい足しで食物繊維がアップするメニュー
こののような食事をしていませんか?朝は忙しくてついトーストとコーヒーで済ませがち。お昼は簡単に麺類……なんてこともよくあるでしょう。夕食で野菜をまとめて摂ろうとしていませんか?
食物繊維の目標量を達成するためには毎食、食物繊維の豊富な食品をとり入れなければなりません。食物繊維はもち麦や玄米などの穀物、野菜や豆、海藻、果物などに豊富に含まれています。これらの食材を活用して食物繊維をアップしていきましょう。
朝食
- トースト
- コーヒー
パンを全粒粉パンに変えるがオススメです。全粒粉パンには食パンの約1.3倍食物繊維が含まれています。
そして忙しい朝にオススメしたいのがミニトマト。ミニトマトであれば洗うだけでそのまま食べれます。またミニトマトはトマトよりも食物繊維量が多く、ミニトマト5粒(約100g)を食べるだけで食物繊維1.4g摂れます。
トーストを納豆トーストにアレンジするのもよいでしょう。食物繊維というと野菜ばかり意識しがちですが、豆類は野菜に勝るほど食物繊維が豊富です。納豆1パック(約50g)に約3gもの食物繊維が含まれています。
また納豆は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスで理想的で、不足しがちな水溶性食物繊維の供給源となるでしょう。
デザートにバナナやキウイもオススメです。バナナ1本(約100g)に食物繊維1.1g含まれています。キウイ1個(約100g)の食物繊維量は2.5g。キウイも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスがよい果物です。
昼食
- パスタ
- ラーメン
- うどん
昼食は簡単に麺類で済ませるなど、出先での食事で食物繊維が不足しがちです。パスタの場合、きのこなど食物繊維が豊富な具材の入ったものを選択したり、サラダを添えるとよいでしょう。
ラーメン屋さんやうどん屋さんでサラダってわけにはいきませんよね。そんなときはもやしやワカメなどトッピングを工夫するとよいでしょう。また時間が許すなら、野菜料理が2品~3品ある定食を選択するのもオススメです。
夕食
- ごはん
- から揚げ
- サラダ
白ごはんを雑穀米や玄米に変えることで食物繊維をアップできます。
スープや煮物など野菜を加熱して食べる料理を2品~3品とり入れるとよいでしょう。野菜は加熱することでカサが減るため摂取量をアップできます。
食物繊維アップのポイント
ここまで食事メニューの一例をご紹介しました。ちょっとした工夫で食物繊維をアップできましたね。
ポイントを押さえておくとムリなく食物繊維アップできるでしょう。
主食に大麦など食物繊維が豊富な穀類をとり入れる
食物繊維豊富な主食を意識的に選択しましょう。たとえば白米に大麦や押し麦、雑穀などの穀物を混ぜてみるのがポイントです。全粒粉パンやパスタには食物繊維やミネラルがたっぷり含まれています。
野菜を1日5皿目安に食べる
食物繊維の1日の目標量は350g以上。目標を達成するための目安として1日5皿の野菜料理をとり入れるとよいでしょう。サラダやお浸し、酢の物、煮物など調理法を変えることで飽きずに食べられます。
温野菜を活用する
サラダなど野菜を生で食べるとシャキシャキとした触感を楽しみながら、しっかり噛むことで満腹感が得られ食べ過ぎ防止となるでしょう。またお浸しや煮物など野菜を加熱することでカサが減り、沢山食べられるためオススメです。
具たくさんスープやみそ汁を活用する
スープやみそ汁に野菜やきのこをたっぷり入れることで食物繊維を豊富に摂取できます。野菜からしっかりダシが出ることで、調味料が少なくて済みます。また具が沢山入るため、お椀に入る汁の量が減ることで減塩効果も期待できるでしょう。
まとめ
ちょっとした工夫で食物繊維アップが可能でしたね。
そして野菜だけではなく、豆類や穀類は野菜に勝るといってもいいくらい食物繊維が豊富でした。日々の食事メニューにぜひ活用してみてくださいね。
参考文献
文部科学省. 食品成分データベース.
1. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版).
2. 厚生労働省. 平成30年「国民健康・栄養調査」.