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もち麦でおならは増えるのか?

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2020.10.09

もち麦を食べるようになって「すっきりして、調子が良い」と嬉しい声が聞こえる中、「おならが増えた」「便秘になった」などの声もあります。もち麦の効果についてさまざまな意見があるようです。

今回は、

  • おならの原因
  • もち麦を食べることでおならが増えるのか?
  • もち麦を摂取する場合のポイント

について、詳しく解説していきます。

おならの原因

おならの原因

「おなら」がどのようにして作られるかご存じでしょうか?

おならの正体は、食べ物を食べるときに一緒に飲み込んだ「空気」と、食べ物が腸内で腸内細菌によって発酵(分解)されるときに発生したガスです。おならは1日に400ml~2000ml程度が作られ、大半が便として排泄されます。一部がゲップやおならとして出ていき、1日に10回~20回おならをしているといわれています。

おならの原因にはいくつかあり、

  • 早食いで食事中にたくさんの空気を飲み込んでいる
  • ストレス
  • 肉食中心の生活
  • 便秘
  • 食物繊維を積極的に食べている

などが考えられます。

もち麦でおならは増えるのか?

もち麦でおならは増えるのか?減るのか?

もち麦によって「おならは増えるのか?」結論から申し上げますと……、起こりえると考えられます。

おならが増える理由

おながら増える理由は以下の3つが考えられます。

  1. もち麦が腸内細菌のエサになり発酵されてガスを発生
  2. もち麦を過剰に摂りすぎて便秘気味でガスを発生
  3. もち麦を摂りはじめたばかりで身体が慣れていない

1. もち麦の食物繊維が腸内細菌によって発酵されてガスを発生

食物繊維を食べると腸内細菌、とくに善玉菌が食物繊維を発酵される過程でガスを発生します。このときに発生されるガスは、炭酸ガスやメタンガスなどほとんど臭いもなく、人体に害のないガスです。

またガス以外に酢酸や短鎖脂肪酸など嬉しい働きをする物質も生成されます。

つまりもち麦を食べておならが増えることは、体内で嬉しい働きが円滑におこなわれているサインと考えられるでしょう。

2. もち麦を過剰に摂りすぎて便秘気味でガスを発生

一方で食物繊維を過剰に摂取しているとかえって便秘になることもあります。便が長いこと腸内に留まっていることで腸内環境のバランスが崩れガスを発生します。このときのガスは臭いにおいが特徴です。

食物繊維には「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」があり、それぞれ特徴が異なります。水溶性食物繊維は、ゲル状なっていろいろなものを絡め取りながらゆっくり移動します。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収しカサを増しながら移動。カサが増すことで周りを刺激しながら排泄されます。

水溶性食物繊維、不溶性食物繊維どちらも大切な働きをしており、理想的なバランスは「水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2」といわれています。とくに不溶性食物繊維に偏って過剰に摂取すると、便秘になることも……。

もち麦は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維どちらも豊富に含まれており、比較的便秘になりくいと考えられます。しかしながら一緒に摂る食事の影響で不溶性食物繊維に偏ってしまったり、水分の摂取が少ないと便秘になる可能性があります。

3. もち麦を摂りはじめたばかりで身体が慣れていない

食物繊維を摂りはじめると腸内細菌が変化します。ただし腸内が変化に慣れるためには時間がかかるため、人によってはガスが溜まってお腹が張ったり、便秘になったりすることがあるようです。

自分に合う量と継続がポイント

自分に合う量と継続がポイント

誰しもが同じ量のもち麦を食べたからといって効果があるとは限りません。腸内には100兆個を超える腸内細菌が存在。善玉菌や悪玉菌、日和見菌と3種類あり、それらの菌が絶妙なバランスで腸内環境をコントロールしています。

腸内環境は遺伝や年齢、性別、地域性などの影響が大きく、簡単に変化しないともいわれています。ある報告では腸内細菌の変化を5年間追跡したところ、6割が保持されていたといわれています[1]もち麦がご自身に合うかどうかを判断するには、少なくとも2~3週間継続してみて判断することをおススメします。

また同じ量のもち麦を食べた場合でも、人によって感じる変化は異なります。ごはんに混ぜるなど少量からはじめて、ご自身に適切な量を見つけてみましょう。気まぐれで入れても腸内環境の変化を感じることは難しく、継続が大切です。

食物繊維はもちろんのこと食生活の見直しも重要です。肉食に偏った生活は悪玉菌が増殖する原因ともいわれており、食事バランスが腸内環境に密接に関わっていることも忘れないでくださいね。

まとめ

腸内環境の改善には時間を要することがわかりました。

また変化の感じ方も個人差があり、もち麦を食べてすぐに効果を体感できる方もいれば、忘れたころに調子がいいことに気づく場合もあるでしょう。

食事は薬のように即効性はありませんが、地道に継続することで未来の健康への投資となるのではないでしょうか。

参考文献

1. Faith, J. J., Guruge, J. L., Charbonneau, M., Subramanian, S., Seedorf, H., Goodman, A. L., … & Rosenbaum, M. (2013). The long-term stability of the human gut microbiota. Science, 341(6141).

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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