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プロテインで身長は伸びるのか?伸びないのか?

坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2022.07.16

子どもにプロテインを飲ませることで身長が伸びるのか?伸びないのか?一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。実際のところはどうなのでしょうか?

今回は、成長のメカニズムと栄養を絡めて「プロテインと身長」について紐解いていきましょう。

身長は遺伝か?栄養か?

身長は遺伝か?栄養か?

身長は20~40%が栄養、80%が遺伝といわれており、遺伝の影響が強く反映されると考えられています。

一説によると、欧米人がアジア人よりも身長が高い理由は、肉や乳製品をたくさん摂取していることが影響しているからなのでは、と考えられています。

また江戸時代は最も平均身長が低かったといわれており、男性の平均は155㎝、女性の平均は149㎝でした。この頃の庶民の食事といえば、大盛ごはんに漬物、味噌汁といった一汁一菜が基本で、圧倒的にタンパク質とカルシウムが不足していました。

実際、食の欧米化で肉や乳製品を取り入れるようになり平均身長が上昇。少なくとも身長には、栄養も関係しているといえそうですね。

さらに遺伝や栄養の他、ホルモンの影響もあると考えられています。脳の下垂体から分泌される成長ホルモンは、眠りの深いノンレム睡眠時に多く分泌されるといわれており、この成長ホルモンの作用で、IGF-Ⅰ(成長促進因子)が分泌されます。そしてこのIGF-Ⅰが骨の形成に関与しているといわれているのです。

また病気やその他の要因などで成長ホルモンの分泌が少ないと、低身長になることがあると知られています。「寝る子は育つ」といいますが、よく寝ることで成長ホルモンが分泌され、身長が伸びる可能性があるのです。

プロテインと身長の関係性

プロテインと身長の関係性

結論から申し上げますと、プロテインを摂取することで身長が伸びる、伸びないと明確に断言はできません。

なぜなら冒頭でもお話したように、遺伝やホルモンの影響もあるからです。けれども栄養の可能性も20~40%残されており、身体の多くの構成成分であるタンパク質を豊富に含むプロテインは、少なからず身体づくりにおいて良い影響を及ぼすのではないかと考えられます。

成長期などの身体づくりに関わる栄養素については、骨の主要成分である、カルシウムに加え、タンパク質やビタミン、ミネラルも重要な働きをしており、3食の食事やおやつからバランスよく必要な栄養素を取り入れることが重要です。

下にタンパク質とカルシウムの推奨量をまとめました。成長期である子どもは、年齢が上がるにつれて必要な量も増えていきます。これらの数値は、3食バランスよく食べていればそんなに難しい数値ではありません。

 

 

タンパク質 g/日

カルシウム mg/日

 

男性

女性

男性

女性

 

推定平均必要量

推奨量

推定平均必要量

推奨量

推定平均必要量

推奨量

推定平均必要量

推奨量

6-7歳

25

30

25

30

500

600

450

550

8-9歳

30

40

30

40

500

650

600

750

10-11歳

40

45

40

50

600

700

600

750

12-14歳

50

60

45

55

850

1000

700

800

15-17歳

50

65

45

55

650

800

550

650

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)から作成[3]

バランスの良い食事といわれても、どのような食事をしたらいいのか?となりますよね。一番多くタンパク質推奨量が設定されてある、15-17歳を例に考えてみましょう。活動量が普通の男性(15-17歳)では1日に2800kcal必要です[4]

下に一般的にバランスの良いとされる食事を作成しました。バランスが良いとは、主食となる炭水化物や主菜となるタンパク質(脂質)、副菜となる(ビタミン・ミネラル)が揃っていることです。

また日本人の食事摂取基準(2020 年版)では、エネルギー産生栄養素(PFC)バランス(タンパク質13~20%、脂質20~30%、炭水化物55~65%)を定めています。この範囲内であれば比較的バランスが良い食事ということです。

朝食

カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)カルシウム(mg)
トースト 2枚31210.75.155.726.4
卵 1個826.15.90.127.5
ベーコン(20g)812.67.80.061.2
ヨーグルト(100g)623.634.9120
牛乳(200ml)1346.67.69.6220
サラダ200.804.10
total69130.429.474.46395.1

昼食

カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)カルシウム(mg)
ごはん(250g)4206.20.4592.77.5
ハンバーグ(150g)3352020.118.457
わかめスープ90.60.11.90
みかん460.70.1120
牛乳(200ml)1346.67.69.6220
total94434.128.35134.6284.5

おやつ

カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)カルシウム(mg)
ドーナツ2262.911.725.80
バナナ861.10.222.50
total312411.948.30

夕食

カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)カルシウム(mg)
ごはん(250g)4206.20.4592.77.5
鮭の塩焼き(100g)20419.612.80.312
サツマイモの甘露煮1451.50.233.50
野菜のソテー710.66.13.60
味噌汁(野菜)2020.330
total86029.919.85133.119.5

合計

カロリー(kcal)タンパク質(g)脂質(g)炭水化物(g)カルシウム(mg)
total280798.489.5390687

エネルギー産生栄養素(PFC)バランス(タンパク質14.0%、脂質28.7%、炭水化物55.6%)

いかがでしょうか?毎食、ごはんに卵、牛乳……と揃えていくと、推奨量であるタンパク質65gは簡単にクリアできます。

カルシウムについては、積極的に乳製品を活用することで達成できるのではないでしょうか。ビタミンやミネラルについては、野菜料理や味噌汁に海藻や野菜をたっぷり入れることで、必要量を満たせるでしょう。

このようなバランスの良い食事が3食できているのなら、プロテインは必要ないと思います。

プロテインが必要な方

一方で、小食や偏食、朝食はトーストだけ……朝はもっぱら食べません!など、欠食習慣のある方は、成長時に必要な栄養素の不足が心配されます。

そんな方にはプロテインをおすすめします。プロテインの種類によっては、タンパク質だけでなくビタミンやミネラルが含まているので、不足しがちな栄養素を補うことが可能です。

例えば、トーストにプロテインを添えるだけで、タンパク質やカルシウムのアップが可能です。

※プロテインは1食(15g)あたりタンパク質7gで計算

また太り気味で、体重コントロールが必要な子どものタンパク質やビタミンの補給にも有効ではないでしょか。

いくら減量が必要といえど、必要なタンパク質やカルシウムの摂取は欠かせません。プロテインは糖質と脂質が抑えらえており、比較的低カロリーなので安心して摂取できます。ただし飲み過ぎはカロリーオーバーの原因となるので注意が必要です。

プロテインを飲むと身長が縮むは迷信?

プロテインを上手く活用することで、成長時に大切な栄養素の補給ができそうですね。しかしながら「プロテインを飲むと身長が縮む」ことを心配されている方もいらっしゃるようです。

これには筋肉が大きく関係しています。筋肉量が多いと筋肉が骨をおさえつけてしまい、身長が伸びにくいという意見があるようですが、この意見は専門家の中でも意見がわかれています。

そしてこの筋肉が多いとは、ボディビルダーのようにバキバキに鍛えていらっしゃる方を想像していただけたらよいでしょう。ボディビルダーは、プロテインだけを飲んで筋肉を成長させているわけではありません。彼らは緻密な食事の計算を行い、普通では耐えられないようなトレーニングを日々積み重ねています。

これらのことを「プロテイン=筋肉ムキムキ」と勘違いしてしまい、身長が縮むとなってしまったのではないでしょうか。また適度な筋トレは成長ホルモンの分泌を促すため、成長期の適度な運動は良いといわれております。「プロテインを飲むと身長が縮む」ことは迷信と思ってよさそうです。

まとめ

プロテインが直接的に身長を伸ばすことはなさそうですが、身体に必要な栄養素の補給目的として有効活用できるのではないでしょうか。

また子ども時代の食習慣は、大人になってからの生活習慣病にも影響するといわれています。3食バランスよく食べることはもちろんのこと、バランスが保てないときには「プロテイン」などをうまく活用することで栄養補給ができることも含めて、子どもの頃から「いつ、なにを、どのように食べるのか?」食卓を通して教えることはとても大切なことです。

それが健康に成長していくための秘訣ではないでしょうか。

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参考文献

文部科学省. 食品成分データベース, https://fooddb.mext.go.jp/

1.Black, R. E., Williams, S. M., Jones, I. E., & Goulding, A. (2002). Children who avoid drinking cow milk have low dietary calcium intakes and poor bone health. The American journal of clinical nutrition, 76(3), 675-680.

2.Myneni, V. D., & Mezey, E. (2017). Regulation of bone remodeling by vitamin K2. Oral diseases, 23(8), 1021-1028.

3,4.厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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