プロテインでバストアップは可能か?
誰もが羨む美しくて大きいバスト。一度は悩み、手当たり次第にいろいろとやってみた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか……。
マッサージやサプリメント、プロテインなどに期待されている方もいらっしゃるようですが、これらについては賛否両論あるようです。
今回の記事では、プロテインを摂取することで「バストアップが可能なのか?そうでないのか?」バストと栄養に着目して解説していきます。
バストの構造
バストの構造を知ることで、栄養との関連性がより理解しやすくなります。それでは早速みていきましょう。
バストは、乳腺、脂肪組織、クーパー靭帯というコラーゲン繊維の束で成り立っており、それらを大胸筋が支えています。乳腺は遺伝の影響を大きく受け、個人差があるといわれています。そして、乳腺の隙間を埋めるかのようにあるのが脂肪組織で、乳腺や脂肪組織が脇に流れないように繋ぎ役として働いているのがクーパー靭帯です。
乳腺の数が多く、大胸筋との間の脂肪が少ないと、バストの形を維持しやすいといわれています。また乳腺は、脂肪組織と比較して硬く動きにくいため、数が多いと垂れにくいといわれています。
バストが垂れる原因
バストが垂れる原因として、
- 加齢
- 間違った下着の選び方
- クーパー靭帯の伸び
- 大胸筋が乏しい
- 太り過ぎ
などが考えられるといわれています。年齢や下着の選び方については今回触れませんが、その他の原因について詳しく探っていきましょう。
クーパー靭帯の伸び
クーパー靭帯は、乳腺や脂肪組織を大胸筋や他の組織に繋ぎ止める働きあります。
このクーパー靭帯がピーンっと張っていることが、バストを維持するための秘訣の一つといわています。しかしながら加齢や妊娠・出産で、バストが一時的に大きくなり負担がかかってしまったり、姿勢が悪いなどの原因で伸びたり、切れてしまったりするようです。
そして残念なことに、一度でも伸びきったり、切れたりしてしまうと元に戻らないといわれています。
大胸筋が乏しい
大胸筋はバストの支えとなっている土台であり、この土台が崩れてしまうと、胸全体が垂れ下がってしまうといわれています。
太り過ぎ
脂肪組織があることで柔らかいバストとなるため、適度な脂肪は必要です。
太り過ぎでたくさん脂肪がある場合、バスト全体は脂肪があることで大きくなります。しかしその脂肪組織を支えなけらばならないので、クーパー靭帯には負担がかかってしまい、垂れ下がってしまう可能性があるようです。
ハリのあるバストを目指す
大胸筋を鍛える
バストの土台である大胸筋を鍛えることをおすすめします。土台をしっかり作り上げることで、少なからずバストアップへ近づくのではないでしょうか。合わせて、土台を作り上げていく上で必要なサポートとなる、筋肉の材料の補給についても次で話していきます。
バランスの良い食事
美しいバストの要である、クーパー靭帯と大胸筋。これらはタンパク質できています。大胸筋をしっかりと鍛えながら、サポートとしていかにタンパク質を効率的に取り入れるかが重要であるといえるでしょう。
また、また、バストはある程度の脂肪でできていますので、極端なダイエットや脂質制限をすることはおすすめしません。脂肪は悪者のようにとられがちですが、女性らしい美しさには適度な脂肪も必要です。
では、バランスの良い食事とは、どんな食事でしょうか?
バストアップのために大胸筋を鍛えることが重要であることをお伝えしましたが、筋肉の材料といえばタンパク質です。
成人女性が1日に必要とするタンパク質摂取量は、おおよそ50gといわています[1]。もちろん、トレーニングなどされている方はもっと必要な場合があります。
この50gという値、3食バランスよく食べていれば簡単に達成できる数字です。しかしながらバランスが偏っていたり、朝食を抜いてしまったり、ダイエットなどで極端にエネルギー制限をしている場合は、タンパク質の不足を招きがちです。
朝食
名称 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
---|---|---|---|---|
トースト | 156 | 5.3 | 2.5 | 28 |
コーヒー | 8 | 0.2 | 0 | 1.4 |
昼食
名称 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
---|---|---|---|---|
ペペロンチーノ | 561 | 13.2 | 22.3 | 71.7 |
サラダ | 80 | 1.7 | 6.3 | 5.6 |
夕食
名称 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
---|---|---|---|---|
鳥のソテー(80g) | 216 | 16.1 | 15.3 | 1.7 |
サラダ | 80 | 1.7 | 6.3 | 5.6 |
ごはん(120g) | 201 | 3 | 0.36 | 45 |
味噌汁 | 26 | 2.3 | 0.6 | 4.2 |
合計
名称 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
---|---|---|---|---|
total | 1328 | 43.5 | 54 | 163.2 |
一見、朝昼夕としっかり食べており、OKとしたいところですが……。タンパク質量43.5gと不足していますね。一体どうしてでしょうか?
それは朝昼のタンパク質摂取が不足しているからです。必要なタンパク質量を達成するには、「毎食」タンパク質食品を取り入れることが大切です。
筋肉は、常に合成と分解を繰り返しています。食事からのタンパク質摂取が不足している状態では、せっかくの筋トレや生活活動での効果むなしく、理想の体型から遠ざかってしまっている可能性が高いです……。
それではどうすれば改善できるのでしょうか?
このように毎食、タンパク質食品を取り入れることで50gは簡単に摂取することができます。
また筋トレブームで、美を維持するためにトレーニングしている方も多いことでしょう。トレーニングをされている方は、運動量に応じてタンパク質摂取量をアップしていくことをおすすめします。
トレーニング量にもよりますが、一般的に1日体重1kgあたり1.4~2.0g必要といわれており、体重45㎏の女性であれば63~90gのタンパク質が1日に必要というわけです。
といわれても、いちいち計算して食べるのは大変でしょう。それではおおよそ「毎食、自身の手のひらに乗るサイズ」のタンパク質食品を、1~2品ほど摂取するとよいでしょう。それでも「量が多くて食べられない」、「カロリーが気になる」という方は、プロテインで補うのも一つの手段です。
おおよそ女性の手のひらに乗る肉や魚のサイズは60~80gで、そのうちタンパク質はおおよそ10~15g程度含まれています。一つの目安として参考にしてみて下さいね。
理想の体型などを目指す方には、筋トレなどの運動に加えてタンパク質のバランスはもちろんで重要です。しかし、運動しているからといって、食事全体の量が増え、エネルギーや脂質量が過剰になることは前述した太りすぎにつながるため、禁物です。女性らしい美しさには、タンパク質に限らず、ビタミン・ミネラルなども含め、過不足なく食事全体のバランスを意識していくことが重要です。
ソイプロテインの与える影響は?
ソイプロテインがバストアップに有効なのでは?と疑問に思われている方が多くいらっしゃるようです。
実は科学的にバストアップに有効とされる食品は、はっきりとわかっていません。牛乳やハーブ、イソフラボンがいいのではないか?といわれていますが、明確な研究データはないようです。
よってソイプロテインを飲んだからといって、直接的にバストアップが期待できるわけではありません。唯一可能性があるとすれば、ソイプロテインもタンパク質ですので、クーパー靭帯や大胸筋の材料源となるため、筋トレによるバストアップのサポートとなることでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
美しいバストを獲得するには、遺伝や個人差の影響もありますが、まずは運動ですね。食事でも多少なりともカバー、サポートができそうです。
またプロテインを飲んだらというよりは、タンパク質を摂取することが大切です。さらにクーパー靭帯を形成するコラーゲンを作るには、タンパク質だけではなくビタミンも必要です。
よってタンパク質だけではなく、バランスよく栄養素を取り入れることが一番の秘訣ではないでしょうか。
そして食事を取り入れるだけでは、筋肉は発達しません。運動をすることで筋肉の合成が促進されます。筋肉をつけることは大変ですが、バストアップだけではなく全身のプロポーションの改善も期待できます。
「美乳は1日してならず」日々の食事と運動をしっかり行い、美しいボディを獲得してくださいね。
参考文献
1. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html