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プロテインを美容目的で摂取!肌に良いのか?悪いのか?

坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2022.07.16

近年、プロテイン需要が高まる中、モデルさんや美容家の影響からか美容目的にプロテインを活用している女性が増えてきました。

「プロテインを摂りはじめてからきれいになった?と褒められるし調子がいい!」と期待される一方で、「ニキビができた!」「肌が荒れた!」など賛否両論あるようです。

実際のところどうなのか、今回は、「」に焦点を当ててメカニズムを解明していきましょう。

美の象徴「コラーゲン」

美肌の象徴「コラーゲン」

美を追求する女性なら誰もが知っている美の象徴「コラーゲン」。

そもそもコラーゲンがなにからできているかご存知でしょうか?

コラーゲンは、アミノ酸がいくつも結合したタンパク質からできており、お肌だけではなく体タンパクの30%を占めるといわれています。

肌は常に細胞が入れ替わっており、その仕組みをターンオーバーといいます。肌のターンオーバーは6週間といわており、表皮の古い角質が剥がれ落ち、新しい細胞へと生まれてかわっていきます。コラーゲンの材料であるアミノ酸がしっかりあれば、新しく美しさの土台となるわけです。

ならば、「コラーゲンを食べたらいいいのでは?」となるかもしれません。

しかし残念ながら、コラーゲンはアミノ酸が1000個以上に連なった構造でとても大きく、消化・吸収されにくい性質※1であること。さらに肌だけではなく、骨や筋肉など人体の至るところで必要とされるため、肌だけのために働いてはくれません。

なによりコラーゲンを食べたとしても、結局のところアミノ酸に分解されてしまいます。よってアミノ酸を摂取した方が手っ取り早いというわけです。そしてコラーゲンを作るためには、アミノ酸20種類が揃っていることが条件で、いかに効率よくアミノ酸を摂取するかがポイントです。

※1 コラーゲンペプチドの状態であれば消化・吸収されやすく、肌に良い働きをするとわかってきております。

プロテインで美くしくなれるのか?

市販されている多くのプロテインは、20種類のアミノ酸が全て揃っており、コラーゲンの材料源としてとても優秀です。美容成分としては、アミノ酸以外にビタミンや他の栄養素も関わっており、プロテインだけ摂取していても美しさの維持は期待できません。しかし美の土台を築くうえでは、タンパク質は非常に重要な働きをします。

よってコラーゲンを食べるよりも、アミノ酸20種類揃ったプロテインを摂取した方が、効果的なのです。

ホエイプロテインが原因でニキビができる?

ホエイプロテインが原因でニキビができる?

身体に良いとされるプロテインですが、一方でニキビ肌が荒れたなどの症状を訴える人もいるようです。一体なぜでしょうか?

まずニキビの原因には、

  • 遺伝
  • ホルモン
  • 皮脂の産生増加
  • 異常な角質化
  • 細菌の増殖
  • 食生活

などが考えられるといわれています。食生活についてはさまざまな議論がありますが、糖質や牛乳の過剰摂取もあまりよくないようです[1]。実際に調べてみると、海外でプロテインを飲むことでニキビができるという事例があるようです。

ボディビルダー6人がプロテインを飲み始めて、ニキビが増えたという報告があります[2]

エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン産生によって、ニキビが悪化したのではないかともいわれています。ただしボディビルダーが好んで摂取するプロテインの乳性たんぱく質は、牛乳6~12Lに相当することや少人数の研究であることから、今後更なる検討が必要であるといわれています。

また別の類似した報告では、飲み始めてから1ヶ月目にニキビの発生がピークに達し、2ヶ月目に減少したことから、時間とともに緩和するのではないかとも考えられています。

さらにプロテインを飲む前は男性の方がニキビが多くできていたにも関わらず、プロテインを飲み始めると女性の方がニキビが増えたことから、ホエイプロテインを摂取すると男性ホルモンに影響している可能性があり、それがニキビに影響しているのではないかともいわれています[3]

プロテインと肌荒れについての研究は、まだまだ数が少なく明確なことは提言できません。しかし一つの可能性として、ホエイプロテインが影響している可能性があり、お肌になにかしらのトラブルが出た場合は、摂取を中止して様子をみるのがよいといえるでしょう。

プロテインの種類

プロテインの種類

ホエイプロテインが肌荒れに関係している可能性があるとお話しましたが、ホエイプロテインにもたくさんの魅力があります。それではプロテインの種類についてみていきましょう。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは、牛乳からホエイタンパク質を精製した作られたものです。吸収が早く、身体づくりをサポートする目的ならホエイプロテインがおすすめです。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく牛乳から作られています。カゼインは、不溶性で固まりやすい特徴から吸収が緩やかなので、減量時や夜の時間などにおすすめです。

ソイプロテイン

ソイプロテインは、大豆から作られたプロテインです。ソイプロテインも緩やかに吸収されるので、腹持ちが良いのが特徴といえるでしょう。

さらにイソフラボンが含まれていることから、女性に人気のプロテインです。

明確なメカニズムははっきりとはわかっていませんが、イソフラボンは女性のための成分であるといわれています[4]

  • 身体づくりのサポートを期待するのか?
  • 腹持ちを期待するのか?
  • 美を追求するのか?

興味はそれぞれ異なるでしょうから、ご自身の目的にあわせて使い分けてみるとよいでしょう。

プロテインはあくまで食事のサポートと役として

プロテインは食事のサポート

冒頭でも述べましたが、美を追求するならタンパク質はもちろんのこと、適度な脂質摂取が必要です。美しさを維持するために、多くの養素がタッグを組んで働いています。

もちろんプロテインは、タンパク質を摂取するための手段として有効ですが、3食の食事で必要な栄養素を取り入れることが一番大切です。例えば、プロテインを飲み始めて肌に異常を感じたとき、食事全体を見直すことも大切です。

「プロテインを飲んで太りました」「肌が荒れました」と相談を受けることがあります。食事内容を詳しく聞いてみると、極端なエネルギー制限を行い栄養不足状態であったり、プロテインの摂取過剰でエネルギー過剰となっていたり、プロテインを飲んでることで安心感を覚え、食事がおろそかになっていることがありました。

さらに今回ふれたニキビについても、食事との関係はさまざまな議論がなされています。糖質や牛乳の過剰がニキビに影響している可能性があるともいわれています[5]。またお菓子で糖質を摂り過ぎていたり、カフェオレを常飲しており、気付かないうちに脂質を摂り過ぎていることだって考えられます。

プロテインを飲み始めてなにか良くない変化を感じたら、一度食事を振り返ってみて下さいね。

まとめ

プロテインが肌に良い、悪いと明確に提言はできませんが、うまく活用すればカラダづくりをサポートできるかもしれません。一方で、ホエイプロテインの摂取でニキビが増えたと報告されていることも事実です。もし肌に異常を感じたならプロテインの摂取を止めて、ソイプロテインに切り替えたり、食事を見直してみるとよいでしょう。

またこれを食べたら(飲んだら)絶対健康になる、美しくなるという食品はありません。良い面もあれば、悪い面もあります。さらに栄養素は、一つではなくいくつもの栄養素がタッグを組み、働いていることを忘れないで下さいね。

参考文献

1. Pappas, A. (2009). The relationship of diet and acne: a review. Dermato-endocrinology, 1(5), 262-267.

2. Cengiz, F. P., Cemil, B. C., Emiroglu, N., Bahali, A. G., & Onsun, N. (2017). Acne located on the trunk, whey protein supplementation: Is there any association?. Health promotion perspectives, 7(2), 106.

3. Pontes, T. D. C., Fernandes Filho, G. M. C., Trindade, A. D. S. P., & Sobral Filho, J. F. (2013). Incidence of acne vulgaris in young adult users of protein-calorie supplements in the city of João Pessoa-PB. Anais brasileiros de dermatologia, 88(6), 907-912.

4. Messina, M. (2016). Soy and health update: evaluation of the clinical and epidemiologic literature. Nutrients, 8(12), 754.

5. Adebamowo, C. A., Spiegelman, D., Berkey, C. S., Danby, F. W., Rockett, H. H., Colditz, G. A., … & Holmes, M. D. (2006). Milk consumption and acne in adolescent girls. Dermatology online journal, 12(4), 1-1.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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