腸活で話題の「フラクトオリゴ糖」とは?
腸活で注目されている「オリゴ糖」。オリゴ糖といってもイソマルオリゴ糖やガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖などさまざまな種類があります。
中でも「フラクトオリゴ糖ってよく聞くけど……。いったいなんなの?」と疑問を持ったことがあるかもしれません。
今回の記事では「フラクトオリゴ糖」について詳しく解説していきます。
フラクトオリゴ糖とは
まず砂糖の構造を知ることで、よりフラクトオリゴ糖を理解できます。
砂糖はブドウ糖に果糖が結合しています。この結合を切り離すハサミ(消化酵素)をもっているため消化できるのです。
一方でフラクトオリゴ糖はブドウ糖に果糖が1個~3個結合しています。しかしながらフラクトオリゴ糖は、ブドウ糖と果糖を切り離すためのハサミ(消化酵素)をもっていないため消化できません。
消化されず、腸内まで届くことでさまざまな働きをすることから注目されているのです。
低カロリー
砂糖の味わいに近いフラクトオリゴ糖。低カロリーのため、お菓子に利用されたり、シロップなども販売されています。そのため料理に活用されている方も多いのではないでしょうか。
だたしまったくカロリーがないわけではありません。腸内細菌によって発酵(分解)されるため、砂糖の半分(2kcal/g)はあるといわれています。カロリー半分で砂糖に近い甘さがあるため、ダイエット中に砂糖の代わりに活用するのもよいでしょう。
腸内まで届き、身体に嬉しい働き
プレバイオティクスとは有用な腸内細菌のエサになることで宿主の健康をサポートする難消化性成分のことをいいます。主に食物繊維やオリゴ糖が該当します[1]。
消化されずに腸に入ったフラクトオリゴ糖が腸内細菌のエサになることによって発酵され、酢酸や短鎖脂肪酸などになります。それら酢酸や短鎖脂肪酸は悪玉菌が嫌いな酸性であり、身体環境においてメリットであるといえます。
オリゴ糖を長期間摂取した研究によると、オリゴ糖がしっかりとビフィズス菌のエサとして有用であると報告されています[2]が、そう簡単に健康を手に入れることは難しいといわれています。
フラクトオリゴ糖や食物繊維などを継続的に食べることがポイントです。
歯にも優しい
砂糖は虫歯菌のエサになりやすいといわれています。一方でフラクトオリゴ糖は虫歯菌のエサになりにくく、酸をつくりにくいことから歯に優しいといわれています。
ただしフラクトオリゴ糖を摂っているからといっても日々のオーラルケアはしっかりおこなってくださいね。
フラクトオリゴ糖を含む食品
フラクトオリゴ糖は、
- バナナ
- 玉ねぎ
- チコリ
- アーティチョーク
- アスパラガス
- ニンニク
- チコリ
などに含まれています。
フラクトオリゴ糖をしっかり摂り入れたい場合は、シロップをオススメします。ヨーグルトにかけたり、お菓子や煮物などお砂糖の代わりに活用することで、ご紹介した嬉しいメリットを期待できるのではないでしょうか。
ただし沢山摂りすぎると腹痛や膨満感などを起こす可能性があります。適切な量を摂り入れるようしましょう。
まとめ
フラクトオリゴ糖は腸までしっかり届いて嬉しい働きをしてくれそうですね。
今回ご紹介したフラクトオリゴ糖以外にも健康に良い食品は沢山あります。偏って摂取するのではなく、さまざまな食品から食物繊維やオリゴ糖を摂り入れてくださいね。
参考文献
1. Gibson, G. R. (1998). Dietary modulation of the human gut microflora using prebiotics. British Journal of Nutrition, 80(S2), S209-S212.
2. Gibson, G. R., Beatty, E. R., Wang, X. I. N., & Cummings, J. H. (1995). Selective stimulation of bifidobacteria in the human colon by oligofructose and inulin. Gastroenterology, 108(4), 975-982.