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プロテインを使ったプチ断食(ファスティング)はダイエットに有効なのか?

前田 修平 グロング専属 鍼灸師
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2022.06.28

「プチ○○」ってちょっとした世の中のトレンドになっているようです。

プチプラ、プチギフト、プチ家電、プチ整形……。

ちょっとしたことで気分がよくなったり、得した気持ちになることって多々ありますね。

そんな中「プチ断食」が注目されています。プチ断食で検索するとヒットするのは「プロテイン」という言葉。実際にプロテインを使ったプチ断食に関する書籍も出版されるなど、ニーズの高まりを感じます。

こちらの記事では「断食(ファスティング)とプロテインの関係」についてまとめてご紹介します。

断食とは?

断食とは?

朝食は英語で“Breakfast”といいます。寝ている間のfast(断食する)をBreak(壊す)するから朝食なんだそうです。

もともと断食の始まりは「宗教行為」のひとつでした。イスラム教の「ラマダン」や仏教の「千日回峰行」をはじめとして、世界の諸各国で今でも広く断食はおこなわれています。

また「絶食」は「不食」と表現をすることもあります。内容や意味合いはさまざまですが、身体のためというよりは信仰の方法のひとつという側面が強いかもしれません。

また現代においては、医療行為ないし民間療法のひとつとして、肥満や過体重、糖尿病などの対策としておこなわれているという側面もあります。そのためダイエット方法のひとつとして認識している方も多いかもしれません。

断食とファスティングの違い

断食は一定期間、飲食物を口にしないという方法ですが、その期間や内容はさまざまです。特別なドリンクを飲む方法もあれば、流動食のようなものを口にすることもあるようです。

一方ファスティングは、主に特別なドリンクを摂取しながら固形物はとらないという方法になります。そのノウハウは重複することもあるため、宗教行為とは一線を画した「健康と美容のための断食」とファスティングはほぼ同義語といっても差し支えないかもしれません。

プチ断食とは

昨今、流行の兆しをみせているのがプチ断食です。ノウハウをまとめた書籍も多く出版されていることから、注目度の高さがうかがえます。

プチ断食は1日のうち、1食ないし2食を抜いたり、食事に代わるドリンクを飲んだりすることでダイエットや美容を目的としておこなわれることが多いようです。

またインターミットファスティング(IF:Intermittent Fasting)といって、1日のうちで12~16時間食べない時間を設ける(間食もしない)、間欠的ファスティングという方法も注目されています。

「○○日で、ウエスト-○○cm!○○kg減!」という言葉についつい反応してしまうのは人間の性でしょうか。その方法のひとつとしてプロテインドリンクを用いる方法もあります。

断食で痩せるメカニズム

断食で痩せるメカニズム

断食に一定期間取り組むと、体重は落ちます。前提として「ルールに従って正確に取り組んだ場合」というのを付け加えておかなくてはいけません。

なぜ痩せるのかを科学的にみていきましょう。

身体の水分が減る

断食期間中に落ちた体重のほとんどは、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲン(糖に水分がくっついたもの)と水分であると推測されます。体内に取り込まれた糖質1g当たりにつき、約3gの水分がくっついてエネルギーとして存在しています。

日常生活で筋肉や肝臓に貯蔵されていたグリコーゲンを使った結果として、身体は二酸化炭素と水を排出。通常の1日3食の食事であれば、ごはんやパンなどの糖質によって速やかにグリコーゲン(エネルギー)が補われます。

しかし断食のように食事をとらない場合、本来補われるべきグリコーゲンが増加しません。結果、食事による水分量と貯蔵していたグリコーゲンの代謝により、体外に排出された水分量がそのまま体重の減少としてあらわれるのです。

主な体重減少の内訳⇒食事の水分+貯蔵していたグリコーゲン

たとえば大手牛丼チェーンで牛丼大盛を頼んだ場合、そこには128gの糖質が含まれています[1]。その糖質に約3gの水分がくっつくとすれば、重さは約400gという計算になります。

さらに定食のお味噌汁にも水分があったり、日常の食生活で体内に取り込まれる水分や、基礎代謝で消費して排出される水分を考慮すると、断食によって1kg~2kg程度の体重減少は比較的容易に起こりうる可能性が高いです。

ただし水分は減っても脂肪の量はあまり変わらず、筋肉量が減少することで体重が減っている可能性があります。

糖新生(筋肉を分解する)

さらにエネルギーの補給が長期間にわたって不足すると、人間の身体は飢餓状態になります。飢餓状態でエネルギーを得るためには「糖新生」という身体の働きが必要になります。

筋肉(タンパク質)を分解することで、新たなエネルギーを生み出すのです。1gのグルコース(糖)をつくるのに、2gのタンパク質を分解するといわれています[2]。つまりは断食によって全体の筋肉量が減り、基礎代謝も下がってしまうことになるのです。

断食を終えて、一時的に体重は減少します。しかし通常の1日3食のリズムに戻した際に同じカロリーを摂取したとすると、基礎代謝の消費カロリーが少なくなっているため「リバウンドしやすい身体」になる可能性があります。

立命館大学・スポーツ健康科学研究科の研究グループは、運動部に所属しない大学生・大学院生(21.4±2.4歳、男性149人、女性117人)を対象とした研究で、1日の総タンパク質摂取量が充足されていても、3食(朝食、昼食、夕食)のうち1食でも一定量のタンパク質摂取量(0.24g/kg体重)を確保できないと、身体づくりにおいてのリスクにつながることを明らかにしました[3]

プロテインドリンクを用いたプチ断食は、タンパク質の摂取不足を防ごうという意図があります。ダイエット中は必要なタンパク質の摂取量を落とさないこと、1日3食に満遍なくタンパク質を割り振ることがポイントになります。

しかしプロテインだけでは身体に必要な栄養素をすべて満たせるわけではありません。

あくまでも栄養補助食品であることを念頭に置いておく必要があります。栄養とエネルギーのバランスを考えると、1日3回の食事が中心になってきます。

断食の対象になる方

もし仮に断食をダイエットの目的でおこなう方がいるとすれば、BMI※1で25~30以上の過体重から肥満に該当する方が対象になるかもしれません。

つまり筋肉の減少よりも、まずは全体的な体重を減らし、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病のリスクを下げること。そして関節や筋肉などの骨格にかかる負担を減らすことが優先される場合でしょうか。

そういった方の背景には、生活習慣の積み重ねによる体重の増加があるため、そもそもの食事をコントロールする必要があります。現に生活習慣病の治療法として食事療法があるくらいです。断食というよりは食事内容のコントロールという意味合いが強くなります。

それ以外の標準的な体形の方、もしくはやせ型なのにさらに体重を落とそうとしている方には、断食はあまりおススメできません。筋肉の減少とともに、リバウンドのリスクも高くなりやすいためです。また断食後の反動として、過食傾向になることが懸念されます。

上記のような方は「健康のため」というよりは、「生活習慣を見直すため」「自分自身と向き合うため」という位置づけとし、事前に準備をしたうえで取り組むように心がけましょう。

あくまでも、健全な日常生活を長く続けるには、1日3食のバランスの取れた食事に、適度な運動と適切な休養を設けることが大切です。

※1 BMI:Body Mass Index の略。体重÷身長(m)2=BMI

22が標準とされ、25以上は肥満。BMIが22の場合は、肥満との関連が強い糖尿病や高血圧、脂質異常症に最ももかかりにくいとされている。

まとめ

適切な断食をすれば、数字上「痩せる」ことは可能です。ただしそれが、持続的かつ健康的であるかという観点になると、疑問が残るというのも正直なところです。

人生は長期戦。当たり前におこなっている習慣を見直すことはもちろん重要ですが、それよりもまずは、

  • 食事
  • 生活習慣
  • 運動
  • 休養

などの基本的な内容について考え、可能な範囲で継続することが優先されるのではないでしょうか。

まとめ


1. 株式会社吉野家. 吉野家 メニュー情報Y 136号.
https://www.yoshinoya.com/pdf/allergy/

2. 福岡大学理学部. 糖新生. 閲覧:2020-07-17,
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/gluconeo.htm

3. Jun Yasuda, Mai Asako, Takuma Arimitsu, and Satoshi Fujita. Association of Protein Intake in Three Meals with Muscle Mass in Healthy Young Subjects: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2019; 11(3): 612.

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前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

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