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難消化性デキストリン
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難消化性デキストリンとは?効果と働きを知ろう

坂口 真由香
グロング専属 管理栄養士
最終更新日:2020.07.30

最近では幅広い食品に使用されている「難消化性デキストリン」。なんとなく身体に良さそうというイメージをお持ちでしょうか。

こちらの記事では、「難消化デキストリンの歴史から効果・働き」まで、さまざな角度から紐解いていきましょう。

難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンの構造

デキストリンとは日本語で「デンプン」のこと。つまり難消化性デキストリンとは「消化されにくいデンプン」のことです。

もともと難消化性デキストリンは、トウモロコシなどの穀類や熟した果物などに含まれます。トウモロコシのデンプンを焙焼して、アミラーゼで加水分解して難消化性成分を取り出したものが「難消化性デキストリン」です。また「消化されにくい」という概念から、水溶性食物繊維に分類されます。

※ アミラーゼ:人の唾液やすい臓にあるデンプンを分解する消化酵素

難消化性デキストリンの構造

難消化性デキストリン誕生の経緯

戦後の日本は、アメリカの食文化の影響を受けて1970年代頃よりファストフード店が上陸。肉類の摂取増加などの影響で脂質摂取量は加速していきました。

家庭の食卓にも肉や魚などの動物性食品を取り入れる食文化へシフトし、米離れといった穀類の摂取量低下が加速。そして食物繊維不足が懸念されるようになりました。

ちょうどその頃、「消化されないが体内で良い働きをする栄養素」として食物繊維が注目されるようになったのです。そして1980年代に食物繊維不足改善目的に「難消化性デキストリン」が誕生しました。

難消化性デキストリンの働き

現在では、私たちが食べている多くの食品に含まれている難消化性デキストリン。

難消化デキストリンは胃ではほとんど吸収されません。小腸で約15%吸収。大腸で約75%発酵などに利用され、体内でさまざまな働きをして約10%が便として排泄されるのです。それでは体内でどのような働きをしているのでしょうか。

整腸作用(プレバイオティクス効果)

プレバイオティクスとは、善玉菌を増殖・活性化して腸内環境を改善する難消消化性食品成分のことです。代表的な食品成分には、イヌリンやオリゴ糖があります。このプレバイオティクス効果が、難消化性デキストリンにもあると報告されているのです。

難消化性デキストリンは、胃ではほとんど消化されずに小腸から大腸へ移動。大腸に移動した難消化性デキストリンは、腸内細菌の発酵を受けて短鎖脂肪酸を発生することがわかっています。

この短鎖脂肪酸が生成されることで腸管内が酸性になります。善玉菌といわれるビフィズス菌や乳酸菌は、酸性環境に強いため増殖。一方、ウェルシュ菌やブドウ菌などの悪玉菌は酸性に弱く増殖しにくくなるため、酸性環境では減少するのです。

海外の研究で、難消化性デキストリン(10g、15g、20g)を14日間摂取した結果、15g摂取した群で、摂取する前と比較するとウェルシュ菌の発生が抑制できていました。さらに20g摂取した群において、便が酸性に傾いていることがわかりました[1]

このように難消化性デキストリンを摂取することで、腸内を酸性に傾けてウェルシュ菌などの悪玉菌を抑制できる働きが期待できるかもしれません。

Lefranc-Millotら(2012)[1]より引用

体重減少

難消化性デキストリンを摂取することで、体重減少を期待できる可能性がありそうです。

肥満手前から肥満の男性120人を対象にした研究で、難消化性デキストリン群とプラセボ群を比較した結果、体重やBMI、とくに体脂肪率の低下を認めました。さらに満腹感が持続し、エネルギー摂取量を抑制できたようです[2]

体脂肪率を抑制できた図
Guerin-Deremauxら(2011)[2]より引用

エネルギー摂取量を抑制できた図
Guerin-Deremauxら(2011)[2]より引用

LDLコレステロール・中性脂肪抑制

肥満手前から肥満の成人男性を対象にした研究で、難消化性デキストリン17gを12週間摂取した結果、BMIや体脂肪率、ウエスト周囲長が飲んでない群と比較して低下傾向にありました。

とくに悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールと中性脂肪が、大幅に減少したと報告されています[3]

ミネラルの吸収促進

難消化性成分とミネラルの吸収については、まだ十分に解明されていません。しかしオリゴ糖は大腸からのカルシウムや鉄など金属イオンの吸収を促進すると考えられています。難消化性デキストリンについても、カルシウムやマグネシウムの吸収が促進したと人間の研究で報告されています[4]

カルシウムやマグネシウムは生きていくうで不可欠な必須ミネラルです。カルシウムは骨や歯の形成以外に心臓機能やホルモン分泌など健康を維持に欠かせません。またマグネシウムは約300以上の酵素のサポート役で、脳や筋肉、神経などのさまざまな臓器に関与している大切なミネラルです。

これらのミネラルは小腸で吸収されますが、カルシウム吸収率は25%~30%と低く、マグネシウムについても40%~60%程度であり100%吸収できるわけではありません。難消化成分をうまく活用することで、吸収が促進できればありがたいことですね。

血糖抑制

難消化デキストリンは「低GI食品」です。ブドウ糖を摂取した場合と、難消化性デキストリンを摂取した場合を比較すると明らかです[5]

Roquette Frèresより[5]引用

またいくつかの研究では、難消化性デキストリンを混ぜたクッキーやジュースを摂取した群と、摂取していない群で比較した場合に、難消化性デキストリンを摂取した群のほうが食後の血糖値の上昇を抑制できていました[5]

食後の急激な血糖上昇は、さまざまな疾患のリスクといわれており避けたいところであります。

Roquette Frèresより[5]引用

難消化性デキストリンの安全性

食物繊維の不足問題は、日本だけではなく海外でも深刻です。

米国の食事ガイドラインでは、少なくとも1日25g程度の食物繊維摂取を推奨しています[6]日本においても、女性1日18g以上、男性1日21g以上(ともに18歳~64歳の場合)を食物繊維摂取目標量として定めています[7]

しかしながら20歳以上の食物繊維平均摂取量は1日15gと不足しているのです[8]。そこで「難消化性デキストリン」を普段の食事に取り入れて食物繊維アップすることはひとつの手段です。

しかしその安全性について気になるところですよね。

難消化性デキストリンの原料はトウモロコシであり、安全性は極めて高いといわれています。私たちが普段の食事に使用するにあたっても上限量は決められていないようです。

食物繊維は大腸で腸内細菌の発酵により、短鎖脂肪酸やガスを生成。このガスの発生により腸管内の圧力が上昇し、膨満感や鼓腸など痛みを感じる場合があります。

海外の論文で、難消化性デキストリンを「15g、45g、80g」摂取した場合に身体への影響を調べた研究があります。

その研究よると、45g以上摂取した場合に膨満感を感じる方が数名いたようです。下痢については80g摂取した場合でも発生しなかったと報告されています。ただし80g以上摂取し続けた場合についてはわらからないとしています[9]

多くの研究では少しずつ摂取量を増量していくための慣らし期間を設けています。摂取される場合は、急に多量摂取するのではなく身体と相談しながら取り入れましょう。

まとめ

難消化性デキストリンには幅広い可能性がありそうですね。安全性も高く、食物繊維を補うひとつの手段として有効ではないしょうか。

だたし単一の成分に固執するのではなく、普段の食事に野菜をしっかり取り入れていただけたらと思います。

また難消化デキストリンを摂取したからといって、劇的に血糖値やコレステロールが改善するものではありません。やはり血糖値やコレステロールなどは普段の生活習慣が大きく影響してきます。日頃から食事や運動にしっかり取り組むことが大切です。

参考文献

1. Lefranc-Millot, C., Guérin-Deremaux, L., Wils, D., Neut, C., Miller, L. E., & Saniez-Degrave, M. H. (2012). Impact of a resistant dextrin on intestinal ecology: how altering the digestive ecosystem with NUTRIOSE®, a soluble fibre with prebiotic properties, may be beneficial for health. Journal of International Medical Research, 40(1), 211-224.

2. Guerin-Deremaux, L., Li, S., Pochat, M., Wils, D., Mubasher, M., Reifer, C., & Miller, L. E. (2011). Effects of NUTRIOSE® dietary fiber supplementation on body weight, body composition, energy intake, and hunger in overweight men. International journal of food sciences and nutrition, 62(6), 628-635.

3. Li, S., Guerin-Deremaux, L., Pochat, M., Wils, D., Reifer, C., & Miller, L. E. (2010). NUTRIOSE dietary fiber supplementation improves insulin resistance and determinants of metabolic syndrome in overweight men: a double-blind, randomized, placebo-controlled study. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 35(6), 773-782.

4. Vermorel, M., Coudray, C., Wils, D., Sinaud, S., Tressol, J. C., Montaurier, C.,J Vernet,J., Brandolini, M.,Bouteloup-Demange, C., Rayssiguier, Y. (2004). Energy value of a low-digestible carbohydrate, NUTRIOSE® FB, and its impact on magnesium, calcium and zinc apparent absorption and retention in healthy young men. European journal of nutrition, 43(6), 344-352.

5. Roquette Frères. Monograph: The health benefits of NUTRIOSE® soluble fiber.

6. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020年版).

7. Dietary Guidelines Advisory Committee. (2015). Dietary guidelines for Americans 2015-2020. Government Printing Office.

8. 厚生労働省. 平成30年「国民健康・栄養調査」.

9. Van den Heuvel, E. G. H. M., Wils, D., Pasman, W. J., Bakker, M., Saniez, M. H., & Kardinaal, A. F. M. (2004). Short-term digestive tolerance of different doses of NUTRIOSE® FB, a food dextrin, in adult men. European journal of clinical nutrition, 58(7), 1046-1055.

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普段の食事で「食物繊維」は満足に足りていますか?

厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、食物繊維の理想的な目標量は成人では24g/日以上とされています。しかしながら、現代の日本人の食物繊維摂取量は極めて少なく、目標量に到達していない現状です。
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坂口 真由香 グロング専属 管理栄養士
グロング専属 管理栄養士

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の管理栄養士。管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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