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プロテインを飲むと便秘になるのか?

坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2022.06.24

プロテインを飲んで「さあ!いざ運動!」と始めた矢先……。健康のために始めたつもりが、「便の出が悪くなった」「お腹が張っている」などしばしば不調を訴える方がいらっしゃるようです。

いっそのこと飲むのをやめようか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。そこでこちらの記事では、「プロテインによる便秘の原因とならないための秘訣」について詳しく解説していきます。

便秘の原因

便秘の原因

便秘とは1週間で排便回数が3回未満であるか排便が困難な状態をいいます。原因には脱水や食物繊維の不足、運動不足などが関係しているといわれていますが、プロテインを飲んで便秘になるという方もいらっしゃるようです。

それではなぜプロテインを飲むと便秘になるのか原因を探っていきましょう。

プロテインの過剰摂取

腸内環境のバランスは腸内細菌によって決まります。この腸内細菌には善玉菌と悪玉菌があり、善玉菌がしっかり働くことで腸内環境が整い、排便がスムーズになるといわれています。一方、悪玉菌が増えてしまうと、このバランスが崩れて便秘や下痢など腸内の不調の原因となってしまうのです。

プロテイン(タンパク質)は、体内で消化されると窒素になります。実はこの窒素は悪玉菌のエサとなってしまいます。プロテイン(タンパク質)を必要以上に摂り過ぎることは、「悪玉菌さんどうぞ!」といわんとばかりに窒素をまき散らし、結果的に身体のバランスが崩れるというわけです。

腸内細菌は100兆個あるといわれており、それらの菌が絶妙なバランスで保たれ腸内環境を維持しています。また腸内細菌のバランスは個人差も大きいといわれていますので、少量のプロテインでも不調をきたす人がいるかもしれません。その場合は、一度飲むのをやめて様子をみましょう。

食物繊維摂取不足

多くの方が食物繊維不足といわれていますが、18歳以上の成人の場合、女性18g以上、男性21g以上、1日に必要とされています[1]

しかしながら極端な食事制限をしていたり、プロテインに栄養補給を頼っていると食物繊維の不足を招く恐れがあります。米や大麦、芋などの炭水化物は、一見、食物繊維が少ないように思われがちですが、大切な補給源になります。よって極端な糖質制限ダイエットをしていると、タンパク質の過剰摂取並びに食物繊維の不足が懸念されるのです。

そのため普段の食事からしっかりと食物繊維を補うことが大切です。

脂質不足

ダイエットや減量中などは、脂質を避けがちです。しかし脂質が適度にあることで、体内で潤滑油としてスムーズに働いてくれるのです。よって極端に脂質を制限している場合は見直す必要があります。

マグネシウム不足

マグネシウムはすっきり成分として有名です。3食バランス良く食事をしていれば不足の心配はあまりありませんが、極端な食事制限をしていると不足する可能性があるのです。

マグネシウムは、

  • 海藻
  • 豆類
  • 緑黄色野菜
  • 玄米
  • 大麦

などに含まれています。

すっきり習慣のために

便秘にならないための秘訣

自身に必要なタンパク質摂取量を知る

18歳以上の成人が1日に必要とするタンパク質量は、男性60~65g、女性50gと定められています[1]

また体重あたりで換算すると、体重1kgあたり0.8~1.2g程度の摂取が望ましいといわれています。もちろん、アスリートやトレーニングをされている方は、もっと必要な場合があるでしょう。

自身のタンパク質必要量を知り、見合った量を摂取することが大切です。

食物繊維をしっかりとる

日本人の食物繊維摂取量は、平均14.1gと目標量にまったく達していない状況です。そのため意識して摂取しなければ不足を招いてしまいます。

食物繊維を取り入れることで、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」といわれる腸内細菌のエサになります。そして逆に、有害な「悪玉菌」ではなく、善玉菌が喜ぶ食物繊維をしっかり補給することがすっきりの秘訣です

食物繊維は、

  • 野菜
  • 果物
  • 芋類
  • 玄米
  • 豆類
  • 海藻

などに豊富に含まれています。毎食これらの食品を積極的に取り入れてみましょう。

水分をしっかり取る

水分をしっかりとることは基本中の基本です。

特にタンパク質をたくさん摂取している方は、体内でタンパク質を処理する際に大量の水分を必要とするため、脱水を引き起こしやすくなります。

また年齢や体格によっても必要な水分量は異なります。下記に必要水分量の目安を記載しましたので、参考にしてみて下さいね。運動時にはさらに水分が必要です。運動による体重減少が2%を超えないように適宜水分摂取をおこないましょう。

また水分はしっかり基準量を取っていたとしても、食事を制限しているときは食事からの水分量が不足します。なので特に食事制限中は、意識して水分を取り入れて下さいね。

年齢(歳)必要水分量(ml/kg/日)
25~5435
55~6430
65~25

図1:年齢別必要水分量

必要水分量(ml/日)=体重(kg)×年齢別必要水分量(ml/kg/日)

3食バランスよく

3食のバランスは基本中の基本です。

なにかを過剰に摂取、もしくは極端に減らすことは、栄養バランスの崩壊を自ら招いていることです。健康維持に重要なのは何を隠そう栄養バランスなのです。

  • 炭水化物
  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミン・ミネラル
  • 食物繊維

どれも欠かすことのできない大切な栄養素です。こららの栄養素を取り入れるために、主食・主菜・副菜を揃えて毎食取り入れることが大切です。

バランスの良い食事

まとめ

いかがでしたか?

もしかしたらプロテインが原因となり便秘になっている可能性があるかもしれません。その場合は、今回ご紹介した原因について振り返ってみましょう。そして食物繊維や水分摂取を心がけるようにしましょう。

バランスの良い食事に加えてプロテインを適切に摂取できれば、カラダづくりをサポートしてくれることでしょう。自身の体調と相談しながら活用してみてくださいね。

参考文献

1. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2020 年版)

2. 厚生労働省. 平成30年「国民健康・栄養調査」

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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