プロテインのタンパク質含有量を「魚介類」と比較してみた
突然ですが、日ごろから「魚」食べていますか?
「日本人の食生活が欧米化して肉を食べるようになった」といわれる一方、世界から見ると「和食がヘルシー」だと評価されて、日本食や寿司が広まっていますよね。
今回のコラムでは、日本人と親和性の高い「魚介類」のタンパク質含有量を見直してみましょう。食材の個性を理解して、日常の食生活に活かしていただければ幸いです。
魚介類のタンパク質含有量
プロテインサプリメントは100g当たり70g~90gのタンパク質を含み、比較的脂質は低いです。カラダづくりに非常に大切な食品であることは間違いありませんね。
一方で魚介類のタンパク質はどれほどでしょうか。代表的な魚介類と比べてみましょう。
種類 | タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|
マグロ | 26.4 | 1.4 |
カツオ | 25.8 | 0.5 |
マス(サケ・マス類) | 21.7 | 6.6 |
サバ | 20.6 | 16.8 |
エビ(ブラックタイガー) | 18.4 | 0.3 |
イカ(スルメイカ) | 17.9 | 0.8 |
タコ | 16.4 | 0.7 |
表1:食品100g当たりのタンパク質と脂質量
「食品成分データベース」より[1]作成
赤身のマグロ、カツオが優秀ですね。海を素早く泳ぎ回る回遊魚は、タンパク質含有量が多い食材です。
魚は赤身魚と白身魚に分類されます。主に近海で獲れる回遊魚は赤身魚で、サンマやアジ、イワシなどの青魚も回遊魚のため、分類上は赤身魚になります。「青魚」や「ひかりもの」と呼ばれる理由は背中の色なんです。
白身魚にはタラやタイ、サケなどが分類されます。サケは赤身魚じゃないの?と思うかもしれませんね。マスやサケのオレンジ色は、餌としている甲殻類のアスタキサンチン(カロテノイドという色素)が影響しています。アスタキサンチンは強力な還元成分であるといわれているため、魚介類の摂取でエイジングケアとしても期待できますね[1]。
そのほかの栄養素
EPA・DHA
魚には人の身体に欠かせない必須脂肪酸の「EPA・DHA」が豊富に含まれています。n-3系(オメガスリー)脂肪酸に分類されるこれらは、肉や乳製品では満足な量を摂取できません。
「さまざまな食材を組み合わせて食べましょう」といわれる理由のひとつは「魚にあって肉にない、肉にあって魚にない栄養」があるからなんですね。
EPAやDHAは焼いたり、揚げたりすると含有量が20%~50%減少してしまいます。調理法にも意識してみましょう。生食で食べたり、煮炊きものなら「出し汁」も合わせていただくようにしてみましょう。
タウリン
タウリンはカキやあさりなどの貝類や、マグロやブリの血合い部分に豊富に含まれます。
栄養ドリンクに「タウリン○○mg配合!」と表示されているのを見たことはありませんか。「身体を元気にしてくれそう」と期待してしまいますが、本来は身体の恒常性を保つための役割を持っています。
タウリンはアミノ酸の一種であり、体内で最も多いアミノ酸のひとつとして知られています。タウリンは人間の体内でも作り出せるアミノ酸ですが、必要量には足りないため食品からの摂取が大切になるのです。
加齢とともに体内で生成されるタウリンは減っていく傾向にあり、女性は男性に比べタウリンが不足しやすいといわれています。
まとめ
身体の源になるタンパク質は食材によって特徴が異なります。
魚だからこそ摂取できる栄養や、四季のある日本だからこそ感じられる旬の食材をうまく活用して食生活に活かしてみましょう!
参考文献
1. 文部科学省. 食品成分データベース.
2. 厚生労働省. 抗酸化物質 | e-ヘルスネット. 閲覧2021-03-18, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html