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プロテインは元々捨てられるものだった?実はSDGsな食品なのかもしれません

前田 修平 グロング専属 鍼灸師
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2021.02.13

最近よく「SDGs」という言葉を目にしませんか?SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、「貧困、経済格差、環境汚染、再利用」などに関しての取り組みが主になります。

プロテインは世の中に少しずつ認知されて「健康的な身体づくりによさそう」なイメージがあるかもしれません。しかしその起源や製造工程って意外と知らないものですよね。

今回のコラムでは「食品としてのプロテインに限らず、歴史や環境も踏まえた未来の話」について考えてみましょう。

ホエイは元々廃棄されていた

ホエイは元々廃棄されていた

プロテインの主原料のひとつ「ホエイ」。牛乳からチーズやバターを作る加工段階において、固形分を抽出した後の上澄み液、つまり「残りもの」でした。

牛乳100%に対して、87.4%が水分で、残りの12.6%が固形分なのです[1]。乳製品製造の過程で約90%を占めるホエイは、栄養価が高く、農地の堆肥や家畜のエサとして一部は再利用されていました。しかし現実的にはすべてを再利用できず、仕方なく「廃棄」されていたのです。

食文化の変遷により、多くの乳製品を消費するようになりました。生産量と比例してホエイの廃棄量も増え、水質汚染や土壌汚染の問題が深刻化し、法律の改正後はそのまま廃棄できなくなりました[2]

そんな中、アメリカでホエイを活用した「あの食品」が登場します。

プロテインの歴史

あの食品とは、もちろん「プロテイン」のことです。

プロテインに関する記述をさかのぼると、ホエイプロテインが活用されるようになったのは1970年代のアメリカです(諸説あり)。

肉体の美しさを競う「ボディビルディング」が盛んであった当時、選手の効率的なタンパク質摂取を叶える補助食品としてプロテインは販売されていました。まだまだ加工技術が洗練されておらず、味もコスパも決してよいものではなかったようです。筆者の先輩トレーナーに話を聞いても「今のプロテインは当時と比べものにならないくらい美味しい」と言われます。

90年代からは加工技術の革新によって、味もコストも劇的に向上し、現在では世界中どこでもプロテインが手に入る時代になっています。

ホエイの可能性

ホエイの可能性

当時捨てられていたホエイは将来的にどのようになっていくのでしょう。

国内外を問わず大手の乳業メーカーは、巨大な加工処理施設を持っています。そのためホエイを乾燥させて粉末状にしたものをプロテインやミルクの原料にしたり、お菓子の材料にして有効活用する手段があります。一方で中小規模の酪農業者は、企業努力を重ねながらも、まだまだホエイの廃棄に困っている現実が依然としてあるようです。

そんな中、企業の取り組みによって有効活用している事例もあります。

ホエイをエネルギーに

2016年、フランスのバイオ燃料生産者であるValbio社が開発した「ある仕組み」がニュースになりました[3]

ホエイとバクテリアがタンク内で発するバイオガスをエネルギーに変えて電力化し、約1500世帯分の電気を供給するシステムを構築したのです。

残ったクリームはプロテインパウダーやバターとして再利用され、発電所はチーズの製造時に発生する廃棄物をほぼ無くし、キレイな水だけが残る仕組みになっています。

ホエイを地域資源に

宮城県の蔵王酪農センターでは大手飲料メーカーと共同で、チーズ製造過程で廃棄していたホエイを茶殻と混ぜ飼料化し、家畜のエサとして再資源化する取り組みに成功しました[4]

以前は県外で産業廃棄物として処分されていたホエイが、牛の飼料となり「ブランド牛」になっているのです。良質なタンパク質であるホエイが、良質なタンパク質の牛肉を生み、廃棄物も削減する見事な仕組みです。

まとめ

かつては多くが廃棄されていたホエイも、今ではプロテインの主原料となり、タンパク質を補給する食品の代表格になりました。将来的には技術の進歩によって、より質の高い資源になり得るかもしれません。

近年では「代替肉」が話題です。サスティナブルなものを製造・販売していくことは、食品を提供する企業に求められる姿勢なのかもしれません。

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前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

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