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ポリデキストロースとは?難消化性デキストリンとの違いと働きについて

坂口 真由香
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2021.02.01

最近ではノンシュガーチョコレートや、低カロリーアイスがコンビニやスーパーにたくさん並んでいます。これらはダイエット中の女性に人気のある商品ですよね。甘いのに低カロリーなのは嬉しいことです。

ではこの正体はなんなのでしょうか?食品成分表示を見ると、ポリデキストロースや難消化性デキストリンと記載されています。

今回の記事では「ポリデキストロースの働きと難消化性デキストリンとの違い」について解説します。

ポリデキストロースとは

1960年頃、アメリカではすでにサッカリンなどが食品に使用されており、低カロリー食品の需要が高まりつつありました。そこでアメリカのファイザー社が「より安全で、食品にも使いやすい食品素材」の開発に取り組み誕生したのがポリデキストロースです。

ポリデキストロースはグルコースがランダムに結合した難消化性の多糖。水に溶けやすい性質で、腸では消化されずに大腸で発酵され水溶性食物繊維と同様の働きをするといわれています。

1981年アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)が食品素材としての使用を許可。ついで1983年に日本への輸入が認められて、現在でも多くの食品に使用されています。

無味無臭で食品に利用しやすくクッキーやスナック菓子、飲料など糖質をカットしたい食品に使われています。

難消化性デキストリンとの違い

難消化性デキストリンとの違い

チョコレートやクッキーに使用されているポリデキストロース。同じような低カロリー食品で「難消化性デキストリン」が添加されているのを見かけますよね?どのような違いがあるのでしょうか。

ポリデキストロースは、グルコースとソルビトール、クエン酸を(80:10:1)の割合で混合し、高温度の真空下で反応させて製造されています。一方で難消化性デキストリンは、トウモロコシなどの穀類や熟した果物などに含まれ、化学技術の力を使って消化されにくい成分を取り出したものです。

難消化性デキストリンもポリデキストロースと同様に、水に溶けやすい性質で水溶性食物繊維に分類されています。共に1g当たり1kcalと低カロリー。どちらもお菓子など糖質を減らしたい食品や食物繊維強化目的に使用されています。

ポリデキストロースの働き

ポリデキストロースの働き

ポリデキストロースにはどのような働きがあるのでしょうか。早速みていきましょう。

毎朝のすっきり習慣に

ポリデキストロースは小腸で消化されず、大腸で大部分が発酵されて、残りが排泄されます。

健康な成人120人を対象にした研究では、ポリデキストロースを摂取した結果、摂取量に比例してすっきりとした健康習慣に良いと報告されています。さらに善玉菌と呼ばれるラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属のエサとして有用であったようです[1]

また、健康な被験者45名を対象とした研究では、ポリデキストロースを摂取したことで、快調な日々のサポートとなることが報告されています[2]

ポリデキストロースのような食物繊維は「プレバイオティクス」と呼ばれ、腸内細菌などのエサになります。一方、ビフィズス菌などの菌を含むヨーグルトや漬物などの発酵食品を「プロバイオティクス」と呼びます。プレバイオティクスとプロバイオティクスは一緒に摂り入れたほうがよいといわれています。

通常のヨーグルトとポリデキストロース入りヨーグルトを比較した研究もおこなわれています[3]

GI値との関係性

ポリデキストロースは砂糖の代わりにお菓子に利用されています。糖質が少ないことからダイエット中の女性や健康を意識する方に大人気。

普通のチョコレートとノンシュガーチョコレート(ポリデキストロース入り)を比較した研究では、普通のチョコレートよりもノンシュガーチョコレートの方がGI値が低くなることが報告されています。

また普通のチョコレートと比較して、ノンシュガーチョコレートの方が、ダイエット中の間食としては健康的であると考えられています[4]

ただし別の研究では、ポリデキストロースを摂取しても違いはなかったとも報告されています[1]

ノンシュガーチョコレートであっても食べすぎには注意しましょう。

まとめ

ポリデキストロースの正体は食物繊維でした。歴史も古く安全性は高いと考えられています。低カロリーで利便性も高くヒット商品もたくさんあるようです。

しかしながら人工的に作られた食物繊維に偏って摂取することは望ましくないという意見もあります。

食物繊維は穀物や野菜、果物などに豊富に含まれています。毎日の食事に食物繊維を豊富に含んだ食品を摂り入れることも忘れないでくださいね。

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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