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プロテインの読みもの

プロテイン摂取の「ゴールデンタイム」のこれから

島袋 好一 グロング専属 トレーナー
グロング専属 トレーナー
最終更新日:2020.06.10

一昔前までプロテインといえば、ボディビルダーや筋トレマニアのような限られた人が“筋肉をつけるため”に飲む、特別なサプリメントとして認識されていたのではないでしょうか?

当時、購入できる場所といえば、限られた大型スポーツショップや百貨店、フィットネスクラブ。配置コーナーも少し奥まった日の当たらない感じがするレイアウト。陳列スペースもスポーツ用品やウェアが圧倒的に幅を利かせていて、商品を見つけるのにも一苦労といった具合でした。

時代は移り変り、今やTVでもプロテイン配合のお菓子や飲料のCMが当たり前のように流れ、SNSでもその類の広告を目にしない日はありません。近頃は、ふらっとコンビニに立ち寄っても、プロテイン関連食品が必ず目につきますし、その在りかも容易に見当がつけられます。

購入者も性別や年齢を問わず幅広い層へと様変わりしました。

爆発的な勢いで愛飲者を獲得してきている「プロテイン」ですが、「なんのために、いつ飲むのか?」といった質問には、ただなんとなく「健康に良さそうだから」「飲んだら筋肉がつくから」はたまた「単に美味しいから」と、まだまだ曖昧な方も多いのではないのでしょうか?

目的、動機は人それぞれ色々あれど、せっかく摂るなら有効に活用しなきゃ勿体ない……。

今回の記事では、プロテインの最も効果的な摂取時間帯「ゴールデンタイム」を、

  1. 筋肉量の増加を目指す
  2. 筋肉量の損失を防ぐ
  3. 体重を減らす

以上3つの目的、動機にあわせて解説していきます。

摂取目的によって変わる「ゴールデンタイム」

摂取目的によって変わる「ゴールデンタイム」

1.筋肉量の増加を目指す

そもそも論になって大変恐縮ですが、当たり前に使っている「ゴールデンタイム」について言及せねばなりません。

いつからか「筋力トレーニング後にもれなくやってくる、その回復と成長を促すための、プロテイン補給における最良な時間帯」の代名詞として使われるようになった言葉です。

しかし検索してみたり、書物を調べてみたりしたのですが、プロテイン摂取に関連づける明確な由来や使われ始めた時期、名付け親などにたどりつくことはできませんでした。おそらく、視聴率がとりやすく、国民の話題になりやすいテレビ番組放映の時間帯を意味する語『ゴールデンタイム』が模倣され、広まったものだと推測されます。

テレビ番組でいえば、深夜番組が「いよいよゴールデン進出」とか、タレントさんや芸人さんなら「ゴールデンにレギュラー決定」など、昇格や出世を形容するパワーワード。

日本語に直訳すれば「黄金時間」となり、読んで字の如くタレントさんや芸人さんなら「一攫千金」、ボディビルダーや筋トレマニアなら「一攫千筋」を叶えるため、是が非でも手に入れたい、確保したい時間帯という意味の命名だったのではないかと思われます。

そのような言葉の影響力を考えると「この時間帯に摂らなけらばいけない」ともすれば、「ここで摂っておきさえすれば、他の食事は多少いい加減でも大丈夫」というくらいの絶対的な時間帯として捉えていた方も少なくないハズです……。

しかしながら近年の知見の総合的なゴールデンタイムという概念は、トレーニング後の一つの時間帯だけを指したものにあらず

ではなぜこれまで、“トレーニング直後の摂取が最も効果的”であると誤解されてきたのでしょうか?

そのプロセスは過去の投稿記事、「就寝前にプロテインを摂取すべき理由とは?」の中で述べた「睡眠」「プロテイン」「成長ホルモン」の結びつきの構図とよく似ています。

筋力トレーニングのように強度の高い運動後、成長ホルモンの分泌は、その後30~60分は顕著に高まり、そこを境に120分ごろまでゆくりと下降していきます。

この成長ホルモンの分泌動態は入眠後のそれと同じような軌跡をたどることから、筋肉量の増加を目指す場合のプロテイン摂取も、筋肉の成長と回復に貢献度が高いとされていた、成長ホルモン分泌のピークを狙ったものが推奨されてきたからなのです。

しかしながら近年は、筋分解と合成作用のタイムラグを考慮した、1日を通じて一定のローテーション、数量でタンパク質を補給することが重要視されています。

6~8時間の睡眠時間を軸に覚醒時間が16~18時間とするなら、約3時間置きに5~6回の補給が理想的で、その時間軸の中に3度の食事と2~3回の間食やプロテイン摂取を、戦略的に落とし込んでいくというパラダイムシフトが必要です。

図1:ゴールデンタイムのこれまでとこれから

※トレーニング時間は、ご自身のライフサイクルに合わせて時間を設定してください。食事や間食、プロテイン摂取の度に行わなければならない、という意味ではありません。

つまり筋肉量の増加を目指すためのゴールデンタイムの概念とは、「トレーニング後にだけピンポイント」と際立った重要度を表すものではなく、食事や間食、プロテイン摂取という、タンパク質補給のすべてのタイミングが並列で大切であるという考え方といえます。(図1参照)

近年の知見から総合的に判断してみると、1日のタンパク質摂取推奨量は、体重1㎏あたり1.4~2.0g。1回あたりの摂取推奨量は体重1㎏あたり0.25/kg 程度となっています。

体重70㎏のアスリートを基準にすると約100~140g。20g前後を5~6回に分けて摂取すればよいということになります。

2.筋肉量の損失を防ぐ

人体が成熟し、骨格形成を終えたあとでも、遺伝情報に基づいたその形態を維持するため、組織のスクラップ&ビルドは循環的に繰り返されています。ただし、この正しい循環を促すためには、「適度な運動による骨と筋肉への刺激と、その回復を促すためのタンパク質の摂取」が必須です。

過去投稿記事“プロテインを朝食として摂取することの有用性”の中でも触れたように、三度の食事の中では「タンパク質」の摂取が軽視される傾向の強い朝食。世代格差なく、朝食時の「タンパク質の摂取不足」が、筋肉量の減少に大きく関わっていることが明らかになってきています。

  • 大豆製品
  • 乳製品

など、タンパク質を豊富に含む食品を朝から積極的に摂取できない食事事情を抱える方が、それを手軽に補なえる「プロテイン」を添加すれば、朝食の時間帯そのものが『ゴールデンタイム』に昇華されるわけですね。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の成人が1日に必要なタンパク質摂取推奨量は男性60~65g、女性は50g。平成30年「国民健康・栄養調査」によると、20代~80代、各世代のタンパク質摂取量は男性で72~79g、女性で60~70gとなっています。体格や生活強度※1によって個体差を考慮しなければならないものの、おおむね体重1kgあたり0.8~1.2g程度の摂取が必要だと類推できます。

※1 生活強度⇒デスクワークや立ち仕事などの違いによる身体活動の強さを表す指標。上記の摂取量を参考に3回の食事で、3等分して均等に摂取することが、理想的とされています。

3.体重を減らす

イギリスのオックスフォード大学、シンプソン博士が2005年に提唱した「プロテインレバレッジの仮説」をご存知でしょうか?

「食欲とタンパク質摂取量は逆相関関係」にあるというもので、平たくいうと、タンパク質をしっかり摂取すると食欲は抑制され、逆に摂取量が少ないと過食の傾向が強くなるというものです。

その当時仮説とされていたものが、近年の多くの研究により、タンパク質を摂取することで、食欲を抑制する働きがあるホルモン(GLP-1、CKK、PYY)が消化管から分泌されることがわかっています。

ここで海外の面白い研究報告をご紹介します。

夕食前の間食に同カロリー数の高タンパクのヨーグルトスナックと、チョコレートやクラッカーを摂取した人を比較しました。すると高タンパクのヨーグルトスナックを摂取した人のほうが、夕食で摂取するカロリー数が少なくなる傾向にあったと明らかになりました。

つまり何気ない午後のひとときに摂る食品の選択が、夕食の摂取カロリーの増減に影響を及ぼし、体重が気になる年頃の女性には「おやつ代わりのプロテインタイム」が、ゴールデンタイムとになるのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?

今回の記事では、プロテインを摂取する人なら一度は目に、耳にしたことがある「ゴールデンタイム」について、深くメスを入れてみました。健康分野に関する知見や情報は、日々目まぐるしく変化しています。まさに「今日の常識は明日の非常識」となっていることも少なくありません。

今回の情報を参考に、摂取タイムの正しい選択をしていただき、「プロテインの摂取」によってあなたにもたらされる結果が、「ブルー」とならずに「ゴールデン」であることをお祈りいたします。

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参考文献

宇都宮由依子・橋田誠一(2018)「運動強度 (METs) と成長ホルモン分泌の関連について」. 徳島文理大学研究紀要, 96, 117-122.

Jun Yasuda, Mai Asako, Takuma Arimitsu, and Satoshi Fujita. Association of Protein Intake in Three Meals with Muscle Mass in Healthy Young Subjects: A Cross-Sectional Study. Nutrients. 2019; 11(3): 612.

厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

厚生労働省. 平成30年「国民健康・栄養調査」の結果. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08789.html

細見英里子(2017)「食欲および胃排出能に対するペプチド YY とコレシストキニンの相互作用について」. 埼玉医科大学.

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島袋 好一 グロング専属 トレーナー
この記事を書いた人
グロング専属 トレーナー

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属のトレーナー。体育学修士、JATI-AATI(上級トレーニング指導者)保有。トレーニング歴は30年にも及ぶ。「知識と実践の融合」、「担がざるもの教えるべからず」を最大のテーマに日々のセッションに対峙。専門学校講師時代は最大年間1000時間以上の座学、実技の講義及び運動指導者資格の対策講座を担当。

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