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プロテインは「まずい」からどのようにして脱却したのか?

島袋 好一 トレーナー(寄稿)
島袋 好一
トレーナー(寄稿)
最終更新日:2022.06.15

私がはじめてプロテインを口にしてから、早30年がたちました。当時は現代のようにスーパーの食品売り場やコンビニなどでは、簡単に手に入らないシロモノ。

プロテイン欲しさに、電車に揺られて遠方まで買い求めることもしばしば。

プロテインを常習的に摂取するヒトの大半は、ボデイビルダーやパワーリフターなど、いわば「筋肉を大きくする、筋力を強くする」ことに特化した競技に取り組む人。スポーツクラブやフィットネスクラブに足しげく通いカラダを鍛える人でも、プロテインを飲んでいる人のほうがマイノリティ。

プロテインを飲みはじめることが、それらの競技への本格参戦の意思表示と通過儀礼のように捉えられるサプリメントでした。

理由はいたってシンプル。当時のプロテインはとにかく「まずかった……」

主原料のほとんどは「大豆」でしたので、特有の粉っぽさや青臭さを感じずにはいられず、加えて商品価格もかなり高価なものでした。

「ストロベリー」や「バナナ」「ココア」などの数種のフレーバーがあって、舌から喉へと通り過ぎるまで、その特有の風味をマスキングできれば役割は果たす程度のもの。たとえるなら、「バリウム検査」の「風味選び」と同じようなものでした。

当時はテイスティングに悠然と舌で味わうなんてなんてことは想像し難く、なんとなく「そんな味がする」と錯覚している間に一気に飲み干すもの……それがプロテインでした。

当然、味覚に関する感想は十人十色で、十把ひとからげにできませんが、口にした人の感想のマジョリティが「こんなもの、よく飲めるね~」という辛辣なもの。

一見するだけでは「競技参戦への意思表示 = まずいプロテインを飲みはじめること」の方程式を連想することはできないのですが、「良薬口に苦し……」とはよくいったものです。

競技で優秀な成績を収めたかったら、美味しさは度外視。脂質や炭水化物といった他の栄養素の余分なカロリー摂取を極力控え、効率よく「タンパク質」を補給できる食品としての位置づけが「プロテイン」だったのです。

逆説的にいえば減量によって筋肉・筋力を落としたくない競技者にとっては、カロリー計算を簡便にし、タンパク質の必要量を確保しやすいプロテインは、それ相応の対価を支払い、苦さに耐えても摂取したい貴重なものでもあったのです。

時代は移り、プロテインが美味しくなった理由

時代は移り変り、今やTVでもプロテイン配合のお菓子や、飲料のCMが当たり前のように流れ、SNSでもその類の広告は否応なしに飛び込んできます。

ふらっとコンビニに立ち寄っても、その専用コーナーが設けられるほど人気は高まり、購入者も性別、年齢を問わず幅広い層へと様変わりしました。

近年、爆発的な勢いで愛飲者を獲得し、大衆的なサプリメントとしての地位を揺るぎないもとした「プロテイン」。それにはどんな理由があったのでしょうか?

私が思うにズバリ……その答えは「活用しやすく、美味しくなった!!」から。

活用しやすくなった

活用しやすくなった理由としては、市場に出回る多くのプロテインの主原料が、大豆由来のソイプロテインから、牛乳由来のホエイプロテインに変わったことだと思われます。

ソイプロテインは、前述した粉っぽさや青臭さを打ち消すために、牛乳やその他ジュースで割るなど、溶液に工夫が必要でした。またダマになりやすくシェイカーの底に溜まりやすいという少しネガティブな特性がありました。

ホエイプロテインは、ソイプロテインと比較すると水でも溶けやすく、赤ちゃんの摂取する「粉ミルク」をほんのりと思わせるような風味とパウダー状のしっとり感があり、粉っぽさがかなり軽減されています。

「プロテイン + 割るものの工夫」の煩わしさからの解放は、多くのヒトの利便性を高めたと思われます。

美味しくなった

前述したように、牛乳で割ることの多かった当時のプロテインは、その親和性の高い風味に傾倒せざるえなかったような気がします。

しかしながら現代は柑橘系フルーツのさっぱりした風味や、スポーツドリンクや炭酸飲料の風味にいたるまで、その多くの風味が「水で割っても美味しい!!」ことが前提となっています。

複数のフルーツ風味を組み合わせたり、高級スイーツを匂わすような風味まで、フレーバーの多様性が愛飲者層を拡大。拡大するがゆえに各メーカーの企業努力により、さらに新しい風味が探求され、開発されるという好循環状況にあります。

これには、近年進化した人工甘味料の添加されるプロテインが増えたことも要因の1つであることに触れておきましょう。

人工甘味料とはわずか数1gで、数百倍の砂糖の甘味を感じさせられるもののことをいいます。

「人工」という言葉を見ると、対比される言葉が「天然」や「自然」となるので、あまりよい印象を持たれる方が少ないのではないかと思われます。しかしながら、ごくわずかながらの量で甘味を感じさられることがポイントなのです。

まずは本来甘味をつけるために必要であった砂糖分のカロリーを人工甘味料に代用することで、プロテイン自体のカロリーを低く抑えられます。

つぎに相当な量の砂糖を使用しなければ作り出せなかったであろう、スイーツなどの風味を再現可能にしています。

つまり余分な糖分のカロリーを同時に摂取することなく、1回あたりのタンパク質摂取量も多くできるのです。

近年のプロテインは、このような食品添加物の配合調整によって作り出され、ユーザーに美味しさと選ぶ楽しさを演出しているといっても過言ではないのです。

まとめ

タイトルから内容が少しばかし、私的感情が多めになってしまった感も否めませんが、いかがでしたか?

コラムの終盤では、プロテインに限らずお菓子や清涼飲料水にとっても、今では我が国のありとあらゆる食品の味覚調整に、切っても切り離せない人工甘味料について触れてみました。

プロテインに使用されている人工甘味料は、試験を重ねたうえで安全性が確認され、使用基準が定められています。各メーカーがパッケージなどに記載している範囲内での摂取をする限り、直接的な健康被害の可能性は低いと思われます。

しかしながら人工甘味料の摂取に盲点がないわけではありません。

本来、砂糖は1gで4kcalという熱量を持ち、摂取後はカラダを動かすエネルギーとして利用され、摂りすぎれば体脂肪となって蓄積されます。

摂取時に砂糖が放つ「甘味」というメッセージは、舌や腸管などのセンサーでキャッチされ脳へと転送されます。実はこのとき、脳は甘さを認識すると同時に、エネルギーが補充されたことを察知しますが、人工甘味料は砂糖の甘さに見合うだけの熱量を持ちません。

ゆえに脳は本来、補充したはずのエネルギーが補充されてないことにパニックを起こし、その後の食事で過剰に糖分を摂取してしまう危険性が示唆されています。

たくさんの種類から、自分好みの美味しいプロテインを選択できるようになったことは非常に喜ばしいことですが、甘さの誘惑に惑わされることなく「タンパク質」の効率のよい摂取が最優先であることをお忘れなく。

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参考文献

中村優子. (2019).人工甘味料が摂食制御の神経回路に及ぼす影響. 上原記念生命科学財団研究報告集.33

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島袋 好一 トレーナー(寄稿)
この記事を書いた人
島袋 好一
トレーナー(寄稿)

トレーナー。体育学修士、JATI-AATI(上級トレーニング指導者)保有。トレーニング歴は30年にも及ぶ。「知識と実践の融合」、「担がざるもの教えるべからず」を最大のテーマに日々のセッションに対峙。専門学校講師時代は最大年間1000時間以上の座学、実技の講義及び運動指導者資格の対策講座を担当。

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