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プロテインの置き換えダイエットは可能か?正しい飲み方やタイミングについて

坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)
最終更新日:2022.06.28

一度は耳にしたことがあるであろう「プロテインの置き換えダイエット」。

誤った方法でおこなうと、かえって栄養不足になったり、一度はダイエットに成功したけれどもリバウンドってことにもなりかねません……。

今回のコラムでは、プロテインの置き換え術やタイミングについて解説しながら、ムリのないダイエット法についてご紹介します。

プロテインダイエットとは?

プロテインダイエットとは?

プロテインダイエットとは、一般的に食事の一部をプロテインサプリメントに置き換えるダイエット法のことをいいます。置き換えるだけで、摂取カロリーをおさえられるので「楽」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

しかしながら食事を完全にプロテインに置き換えてしまうと、極端に摂取量を減らすことになるため、「栄養素の不足」や「リバウンド」など嬉しくない影響もあります。

体重の増減は、消費エネルギー量と摂取エネルギーのバランスで決まります。減量したい場合、消費エネルギー>摂取エネルギーの状態へもっていくことがポイント。

ただし極端に摂取エネルギー量を減らしてしまうと、前述したようなダイエットが台無しになるようなデメリットがあるので注意が必要です。

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プロテインをなにと置き換えるべきか

プロテインをなにと置き換えるべきか

プロテインダイエットというと「食事を完全に置き換える」イメージをお持ちでしょうが、それは少し誤解といえるでしょう。

栄養素のバランスを知る

減量するにあたり、単にエネルギー量を減らすだけでよいというわけにはいきません。ダイエットするときこそ、通常よりも栄養素の摂取量が減るわけですから、食事バランスに注意が必要です。

食事とは、生きていくために必要な炭水化物やタンパク質、脂質などの栄養素を摂り入れることです。一般的に理想といわれている比率があり

  • タンパク質⇒13~20%
  • 脂質⇒20~30%
  • 炭水化物⇒50~65%

といわれています[1]

ごはんやパンといった主食、肉や魚といった主菜、野菜などの副菜料理を毎食摂り入れることがバランスを保つ秘訣です。

主食、主菜、副菜のバランスが大事

ダイエット中であっても、このバランスを意識しながらムリなく食事量を減らしていくとよいでしょう。

ダイエット中はPFCバランスは保ちながら、カロリーを減らす

プロテインに含まれる栄養素の大半はタンパク質です。食事をすべてプロテインに置き換えてしまうと、炭水化物や脂質、その他ビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養素が不足してしまうのです。

すべての食事をプロテインに置き換えるとタンパク質以外の栄養素が不足してしまう

一時的に極端な制限で体重は減るかもしれません。

しかしながら栄養素の不足で代謝が悪くなったり、お肌が荒れたりなど、「体重は減ったのにかえって不健康になってしまった」なんてことになりかねません。

自身の食事を振り返る

では一体、プロテインを「なに」と置き換えたらよいのでしょうか?

ここで一度、現在の食生活を振り返ってみましょう。下記に当てはまるでしょうか。

  • 夕食が最も高カロリーである
  • パンやおにぎりだけで食事を済ませることが多い
  • カレーライスや丼物など炭水化物中心になることが多い
  • 日中、お菓子やジュースなどを口にする機会が多い

いかがでしたか?

ひとつでも当てはまる場合、食事バランスが乱れているかもしれません。プロテインを活用しながら置き換える方法を考えてみましょう。

夕食が最も高カロリーである

夕食はどうしても1日のうちで最も高カロリーになりやすいですよね。

とくに肉や魚といったメイン料理(主菜)は、調理法によっては高カロリーになりがちです。プロテインは、肉や魚と同じタンパク質。しかし嬉しいことに脂質が少ないので置き換えに適切なのです。

からあげをプロテインに置き換える

たとえば、からあげをプロテインに置き換えるだけでタンパク質を補給しながら脂質をカットできます。ここでのポイントは主食、副菜を食べて栄養バランスを保つことです。

パンやおにぎりだけで食事を済ませることが多い

パンやおにぎりだけで食事を済ませていると、タンパク質やその他の栄養素が不足してしまいます。また炭水化物の摂りすぎになっていることもあります。

そこで登場するのがプロテイン。ホエイプロテインやカゼインプロテインは、腹持ちがよく満腹感が得られるので、間食や夜食などが減り、カロリーダウンが期待できるのではないでしょうか。

カレーライスや丼物など炭水化物中心になることが多い

カレーライスや丼物は、ごはんの量が多く炭水化物の摂りすぎになってしまいがち。メニューによってはタンパク質摂取量が少ないなんてこともあります。

たとえば、ごはんの量を1/3~1/2減らしプロテインを添えることで、栄養バランスが改善され、場合によってはカロリーダウンもできるでしょう。

日中、お菓子やジュースなどを口にする機会が多い

ダイエットをおこなうにあたり「最も見直しが必要な項目」かもしれません。お菓子やジュースは炭水化物や脂質が多く、過剰になればダイエットの邪魔をします。

そこで思い切って、プロテインに置き換えてみるのもアリです。

プロテインは脂質が少なく、一般的なタンパク質食品と比較するとカロリーは少なめです。またビタミンやミネラルが強化してある商品もたくさんあるので、ダイエット中の栄養素の補給としておススメします。ただし、飲みすぎるとかえってカロリーオーバーの原因ともなりますのでご注意を。

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プロテインを置き換えるタイミング

プロテインを置き換えるタイミング

プロテインに決まった置き換えタイミングはありません

前述したような、食事量が多いかな?栄養素が不足しているかな?など、ご自身のタイミングでうまく活用していただけたらよいと思います。

ひとつご提案できるとすれば、夕食の一部をプロテインで置き換えてエネルギーを抑えることです。食事回数が多い人程、体重の減りが悪いという報告があります。さらにその報告によると、夕食のボリュームが3食のうちで最も多いと体重の減りが悪く、朝食が最も多いと痩せやすいという結果がでました[2]

夕食は高カロリーになりがちです。プロテインをうまく活用してエネルギーダウンを狙いましょう。

プロテインの成分を知る

プロテインの成分を知る

ご自身が飲んでいるプロテインの栄養価成分内容をご存知でしょうか?

プロテインなら太らないなんてことはありません。過剰に摂りすぎた分は体脂肪として蓄えられます。現在の飲んでいるプロテインの栄養価を知り、過剰摂取に気をつけましょう。

さらにプロテインは、ビタミンやミネラルを強化したものが販売されています。ダイエット中は、栄養素の不足を招きがちです。どんなビタミンやミネラルが入っているのか確認し、自身に不足する栄養素を取り入れてみましょう。

あわせて運動をおこなう

あわせて運動をおこなう

食事だけでダイエットを進めると、筋肉が減ってしまい代謝も落ちるため、リバウンドしやすい身体になってしまうのです。せっかくダイエットするなら理想的な体型を目指したいですよね。

そこで運動を取り入れ、筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることで、痩せやすくリバウンドしにくい身体へ近づけましょう。

しかし中には、運動が苦手な方もいらっしゃると思います。ご自宅でできる簡単なトレーニングや毎日30分歩くなど、継続しやすい運動を取り入れてみてはいかがでしょうか?

まとめ

今回は、プロテインダイエットの置き換え術やタイミングについてご紹介しました。完全に食事とプロテインを置き換えてしまうと、かえってダイエット失敗になりかねないことがわかりましたね。

食事の一部をプロテインに置き換えることで、今まで余分であった炭水化物や脂質をカットでき、活用次第でダイエットの味方になるのではないでしょうか。

バランスのよい食事と運動を心がけ、健康的なダイエットを目指しましょう。ダイエットの先にあるのは理想の体型と健康であることを忘れないでくださいね。

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参考文献

1. 厚生労働省 食事摂取基準(2020年版)

2. Kahleova, H., Lloren, J. I., Mashchak, A., Hill, M., & Fraser, G. E. (2017). Meal frequency and timing are associated with changes in body mass index in Adventist Health Study 2. The Journal of nutrition, 147(9), 1722-1728.

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坂口 真由香 管理栄養士(寄稿)
この記事を書いた人
坂口 真由香
管理栄養士(寄稿)

管理栄養士、日本糖尿病療養指導士、フードコーディネーター、サプリメントアドバイザー保有。大阪市内400床病院で6年間、献立作成や慢性期から急性期疾患の栄養管理に従事。糖尿病などの慢性疾患を対象に年間4,500件ほどの栄養相談・サポートを経験。

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