menu
プロテインの読みもの

プロテイン(タンパク質)の正しい摂取量は?研究結果を比較してみた

前田 修平 グロング専属 鍼灸師
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2020.08.04

近年、筋トレブームは急速に拡大し、トレーニーには必須の「プロテイン」について調べる方も多くなっているのではないでしょうか。プロテインをめぐる議論はSNSや動画配信サイト、WEBメディアなどでさまざま繰り広げられていますよね。

カリスマ的存在のボディビルダーから、研究を主とする専門家までみなさんが信じるメンターはどなたでしょうか。いろいろな研究によるさまざまな「正しさ」があり、いったいなにを信じればいいのかわからないこのご時世。

みなさんの今後の参考にしていただけるように「プロテインの正しい摂取量」について研究結果を比較してみましたので、ぜひご覧ください。

日本と海外のタンパク質摂取量の違い

日本と海外のタンパク質摂取量の違い

日本におけるタンパク質の推奨量は、厚生労働省の食品栄養摂取基準において、成人男性は65g/日、女性は50g/日とされています。運動している人は体重比で1.4g~2.0gが目安です。

「運動している」という時点で摂取量の性差がなくなっていること、成人といっても20代から年配層まで幅が広く、一律で判断しにくいですよね。

その一方で、諸外国におけるタンパク質推奨量はどうなっているのでしょうか。また国際的に見たときに、日本はタンパク質の摂取量をどのように規定しているのでしょうか。

以下の表を参考になさってください。

成人男性成人女性男性(65歳以上)女性(65歳以上)
日本65506050
オーストラリア・NZ64468157
中国65556555
ドイツ・スイス・オーストリア57486757
北欧諸国1.1g×体重1.1g×体重1.2g×体重1.2g×体重
イギリス0.75g×体重0.75g×体重0.75g×体重0.75g×体重
アメリカ56465646

※単位はg

表1:1日のタンパク質摂取推奨量
国立健康・栄養研究所より作成[1]

日本は諸外国と比較しても高水準に該当することがわかりますね。体格の大きい方が多い欧米諸国は意外と推奨基準の数値が低いことも驚きです。

アメリカはフィットネスやサプリメントの先進国でもありますが、国としては「肥満」が大きな社会問題となっています。そのため健康に関する意識の差があらわれやすいのかなという印象を持ちました。

北欧の地域については、体重比で示しているところからも個体差を考慮した政策になっていることがうかがえますね。

こちらに示した数値は、あくまでも「運動」を考慮しない数値です。トレーニングに励む方が気になるのは、運動している人の推奨量ですよね。このあとの項では、運動している人に向けた研究結果を比較していきます。

研究結果のご紹介

①タンパク質摂取量は1.6g/kg/日

国際スポーツ栄養学会誌に掲載された論文によると、除脂肪体重の増加と下半身の筋力強化には、1日に体重×1.62gのタンパク質を摂取するのがよいと報告されています[2]

全部で49件、合計1,863人の参加者によるメタ分析の結果、フィットネスや健康を意識する人のタンパク質摂取量は1.62g以上をとっても、除脂肪体重の増加には寄与しないとも結論付けています。

②タンパク質摂取量は4.4g/kg/日

これは非常に大量のタンパク質を摂取した研究結果の報告です。

レジスタンストレーニングに取り組む健康な30人が、体重1kg当たり1.8gのタンパク質を摂取するグループと、4.4gのタンパク質を摂取するグループに分けられ、8週間の研究に取り組みました。また双方のグループではトレーニング量に変化はありませんでした。

結果、体重や脂肪量、除脂肪量、体脂肪率について時間の経過やグループ間の有意な変化は見られませんでした[3]。つまり大量摂取による筋肥大もなければ、脂肪量や体脂肪率の増加もなかったことになります。

③1回のタンパク質摂取量は25g~35gが適量

総量に対し、1度で吸収できるタンパク質量には限界があるため、一回の摂取量も気になるところです。

いくつかの研究では1度の食事で25g~35gのタンパク質を摂取し、均等に総量を摂取すると、1度の食事に総量の大半を摂る食事よりも筋タンパク合成が優位になることがわかりました[4]

またこれは、若年層や老年層においても差異のないことが明らかになっています。食事のバランスを朝・昼・夕・間食と、均等割りして食べることがとても重要なのです。

3回の食事とプロテインなどの間食を1~2回とすると、約75g~175gの範囲になります。つまり100kgを越えないような標準的な体型の方は、体重比1.4g~2.0g程度の摂取量を守ればよいという裏付けになります。

④「窒素出納法」と「指標アミノ酸酸化法」

これまでタンパク質の推奨量は、体内への窒素の取り込みと体外への排出を基準にした「窒素出納法」をもとに算出されてきました。これは体組成を維持するために必要なタンパク質量を計算するための方法だといわれています。

対して「指標アミノ酸酸化法」は、アミノ酸がエネルギーとして燃焼して排出される際の二酸化炭素量を計測する方法です。運動時にエネルギー源となるアミノ酸は4~10%といわれており、この消費量が摂取量の指標になるのです。

窒素出納法よると、これまで筋力トレーニングをおこなうアスリートに推奨されてきたタンパク質摂取量は、体重比1.2g~2.0gといわれてきました。

しかし指標アミノ酸酸化法をもとにしたアメリカスポーツ医学会のガイドラインによれば、体脂肪を減らす際に「除脂肪体重の減少」を最小限に抑えるためには、体重比にして2.2gのタンパク質が必要になると提言されました[5]。つまり摂取量がおよそ30%前後少なく見積もられていたことになります。

また持久系のアスリートに対しては、窒素出納法では体重比1.2g~1.4gでしたが、指標アミノ酸酸化法では体重比1.6~2.0gとされています。

運動をベースにした考え方だと、摂取量も変わってくるんですね。

まとめ

「過ぎたるは及ばざるがごとし」という格言がありますが、なににおいてもやはり適切な量があるようです。

今回ご紹介したのはあくまでも研究によるデータですので、日々最新の知見が更新されるにつれて、常識が入れ替わることも大いに考えられます。

本人がいかに自覚をもって必要なタンパク質量、コンディションがよくなる食事を理解していくかが重要です。個体差はあれど、生活リズムや環境に合わせて自分の基礎となる量を決めるのがよいかもしれませんね。

参考文献

1. 国立健康・栄養研究所. 食事摂取基準の概要|諸外国の栄養政策. 閲覧2020-08-03, https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/foreign/kijun.html

2. Kerksick, C. M., Wilborn, C. D., Roberts, M. D., Smith-Ryan, A., Kleiner, S. M., Jäger, R., … & Greenwood, M. (2018). ISSN exercise & sports nutrition review update: research & recommendations. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 15(1), 38.

3. Antonio, J., Peacock, C. A., Ellerbroek, A., Fromhoff, B., & Silver, T. (2014). The effects of consuming a high protein diet (4.4 g/kg/d) on body composition in resistance-trained individuals. Journal of the International Society of Sports Nutrition, 11(1), 1-6.

4. Arentson-Lantz, E., Clairmont, S., Paddon-Jones, D., Tremblay, A., & Elango, R. (2015). Protein: a nutrient in focus. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 40(8), 755-761.

5. Thomas, D. T., Erdman, K. A., & Burke, L. M. (2016). Nutrition and athletic performance. Med Sci Sports Exerc, 48(3), 543-568.

この記事をシェアする
  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

今すぐGronGのプロテインを
チェック!

GronGのプロテイン
前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE