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初心者におすすめ!プロテインの選び方

前田 修平 グロング専属 鍼灸師
グロング専属 鍼灸師
最終更新日:2022.06.20

プロテイン 初心者」でポチッと検索し、この記事にたどり着いたあなた。ありがとうございます。これでもう安心です。この記事を読めば、自分がどんなプロテインを飲めばよいのかが一目瞭然です。

トレーニングでもなんでも、結果を出すためには、いかに最初に「正しい情報」を「選択」し、「実行・継続」するかがその後大きな差となってあらわれます。

きっと憧れの〇〇さんも、目標としているあの人も、みんな初めはプロテイン初心者でした。これを機会にプロテインの「はじめの一歩」を踏み出しましょう!

プロテインとは

プロテインとは

プロテインは日本語で「タンパク質」のことです。肉や魚、卵などに豊富に含まれている栄養素です。

おそらく、みなさんがイメージするプロテインは、タンパク質を効率的に摂取できるサプリメント(栄養補助食品)でしょう。ボディメイクのプロであるフィジーカー、ボディビルダーはサプリメントの第一選択において、まず間違いなくプロテインを挙げています。

また健康維持やエイジングケアとしての観点からも、タンパク質摂取の重要性が唱えられています。

食事だけで1日のタンパク質必要量をまかなうのは難しいため、自分の目的に合ったプロテインを選ぶ必要があります。

プロテインを飲む目的

プロテインを飲む目的

プロテインを飲んでみようと思う方の目的はさまざまでしょう。「かっこいい身体になりたい」「ダイエットに役立てたい」「健康的に年を重ねたい」などが主な目的でしょうか。

ここからは目的ごとのプロテイン摂取について紐解いていきます。

かっこいい身体になりたい

筋トレとプロテイン(タンパク質)はセット切っても切り離せない関係です。

トレーニングをすることで筋肉がわずかに傷つきますが、その後、身体はそれを修復しようとします。その際に筋肉の材料となるタンパク質を摂取することが、より丈夫で理想的な身体の大きさに成長するサポートになるのです。

トレーニーやスポーツに勤しむ人にとってプロテインは必須項目でしょう。

ダイエットに役立てたい

健康的なダイエットをおこなううえでは、運動や食事制限により余分な体脂肪を減らしながらも、筋肉量を維持することが重要です。

減量時には食事を節制するので、エネルギー不足を起こしがち。すると身体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。糖質や脂質は筋肉や肌、髪の毛などの組織のメインの材料ではありませんので、必然的にタンパク質をしっかりと摂っておく必要があります。

せっかくダイエットするなら、「やつれる」のではなく「引き締め」たいですよね。

健康的に年を重ねたい

身体の構成に大きな役割を果たしているのが、タンパク質から分解された「アミノ酸」です。アミノ酸が不足すると、

  • 神経
  • 内臓
  • ホルモン
  • 筋肉

などさまざまな器官の材料が不足することになります。

年齢を重ねると、胃腸の消化吸収能力が衰え、食事の量が少なくなります。そのため胃腸に負担の少ないプロテインを食事と併用することが、日々良質なタンパク質を摂取するための有効な手段なのです。

プロテインの種類

プロテインの種類

プロテインは原材料や栄養素の構成比の違いなどによって、製品が分かれます。それぞれのプロテインにどんな特徴があるのか、みていきましょう。

原材料別

ホエイ(WHEY)

乳清(ホエイ)という成分から作られるプロテインです。牛乳から固形物を除くと透明の液体が残り、その中にタンパク質が含まれています。これを精製した動物性タンパク質がホエイです。

カゼイン(CASEIN)

カゼインはホエイと同じく牛乳が原材料です。しかしカゼインは、牛乳の脂肪分や固形物に含まれるタンパク質を精製した動物性タンパク質です。

ソイ(SOY)

ソイは日本語で大豆のこと。原材料の大豆を粉末状に精製して作られる植物性タンパク質です。

目的別

トレーニングによって筋肉(除脂肪体重)を増やす・筋力を向上させる・筋肉量を維持したい

運動によって、「余分な脂肪を付けずに筋肉を増やしたい」「筋力をつけたい」「必要以上に体重や筋肉を減らしたくない」という方には、
ベーシックなホエイプロテインがおすすめ。

トレーニングによる筋量や筋力アップなどを目的とした身体づくりのサポートにおいて、ホエイはカゼインやソイプロテインに比べて有意であるという報告があります[1]。またホエイとカゼイン、ソイを比較した研究でもホエイが身体づくりのサポートに適していることを示す結果となりました。

増量(体重も)したい

トレーニングによる筋肉の増加、体重の増加を目指す人は、糖質・タンパク質・脂質の栄養バランスを考えながら、消費カロリーよりも摂取カロリーを多くする必要があります。

そのためプロテインを選ぶ際も、糖質がある程度含まれているものを選ぶとよいでしょう。トレーニングによって、しっかりと筋肉を増加(合成)させるには、アミノ酸の補給が重要です。糖質も含み、増量を目的とする「ウェイトアッププロテイン」を選ぶとよいでしょう。

また通常のホエイプロテインを果汁100%ジュースで割ったり、果物と一緒にミキサーにかけてプロテインシェイクを作るのもおすすめです。

運動や食事制限により、減量(体重も)したい

ダイエットを目的にしている方は、食事の制限が目下の課題になります。食間の空腹感を減らし、余分な間食を防ぎたいところです。

空腹感を減らすには、胃腸内でゆっくりと吸収され腹持ちが良い、カゼインプロテインソイプロテインがおすすめ。またソイプロテイン(大豆)には食物繊維が含まれており、日ごろ不足しがちな栄養素を摂取できます。

大柄な男性で一定のタンパク質量が必要な方は、吸収効率の良いホエイプロテインを数回に分けて摂取するのもよいでしょう。

美容目的

美容目的の方は、良質なタンパク質とコラーゲン、ヒアルロン酸が必要です。

また体内からのキレイには何を摂るかも重要なので、食物繊維が含まれたソイプロテインがよいでしょう。ただ納豆1パックで1日のイソフラボン必要量はまかなえますので、普段の食事で大豆食品をよく摂取している方については、食物繊維やイソフラボンの摂りすぎに注意が必要です。

食が細い方は、吸収効率の良いホエイプロテインを利用するのもよいでしょう。

プロテインの選び方

プロテインの選び方

プロテインは継続的に飲み続けることに意味があります。

一回プロテインを飲んだからといって、ムキムキにはなりませんし、劇的に体重が減ることもありません。いかに生活習慣の中に取り入れて、継続できるかが大切です。

それにはプロテインにかかる費用やコストパフォーマンス、体質や目的に合ったプロテインの選択をする必要があります。各項目別にまとめていますので、参考にしてみてください。

価格

まずは価格です。いくら良い製品でも予算オーバーになるようでは続けられません。また学生さんやトレーニング愛好家は量も必要になるため、もっとも気がかりな項目です。

プロテインの国内相場は1kgあたり2000円~6000円前後。海外の製品や良質な原料(例えば製法の違い)を使っているものは少々高めの傾向にあります。3kgや5kgなど、パッケージの容量が大きくなるにつれて、g(グラム)あたりの単価は下がりますが、はじめて購入する方は飲み切れない心配もあると思います。

安心して購入できるのは、良質な原材料を使って、国内で製造している良心的な価格のプロテインでしょう。

タンパク質含有率

プロテインには成分の構成比率があり、摂取したプロテインにタンパク質がどれだけ含まれているかがとても大切です。

この比率は「タンパク質含有率」で表されます。例えばタンパク質の含有率が70%の場合、20gのプロテインを摂取すると「20×0.7=14g」のタンパク質が摂れることになります。一方でたくさん飲んでいるのに、タンパク質があまり摂れていないこともあり得るのです。

事例① 1kg3,000円のプロテイン。タンパク質含有量が70%とすると……。
タンパク質量 1kg×0.7=700g 3,000円÷700g=4.285円/1g

事例② 1kg 3,200円のプロテイン。タンパク質含有量が77%とすると……。
タンパク質量 1kg×0.77=770g 3,200円÷770g=4.155円/1g

①の方が200円安いけれど、②はタンパク質含有率が7%高い。タンパク質1gあたりの価格は②の方が安い!

1kgあたりが安い商品だとしても、プロテインのタンパク質の含有率が低ければ、タンパク質1gあたりの価格は高いなんてこともあり得ます。購入の際には、価格はもちろんのこと、タンパク質含有率もあわせてチェックしましょう!

成分

タンパク質含有率の項目でも触れましたが、タンパク質や糖質、ビタミン、ミネラルなどの成分構成比は製品によって変わります。

増量やエネルギー補給を促したい場合は糖質を多く含んだプロテインがおすすめ。特にマルトデキストリンという糖質は、トレーニングで消費したグリコーゲンを速やかに補えます。また糖質によってタンパク質との相性が良く、丈夫な身体づくりのサポートに一役買ってくれるのです。

他にも「HMB」という成分が含まれているものもあります。HMBの補給は、トレーニングによる身体の強化と筋肉の分解を抑制するサポートとして重要であるといわれています[2]。2015年には厚生労働省から「高齢者のサルコペニア※1に対するHMBの摂取の影響についての研究がまとめた報告書が発表されました[3]。高齢者の健康維持のためには、タンパク質やHMBの摂取が重要であるとの記載がされています。

HMBは必須アミノ酸の1種であるロイシンから体内で合成されます。しかしその合成量は非常に少ない(ロイシンの5%程度)ため、別途HMBの成分を添加したプロテインも販売されています。

※1 サルコペニア:加齢や疾患により、筋肉量が減少すること。握力や下肢、体幹など全身の「筋力低下が起こること」を指す。または歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指す。

アレルギー・体質

経口摂取した食品はアレルギーを伴う症状が出ることがあります。

たとえば大豆アレルギーをお持ちの方はソイプロテインを飲むと、発赤や痒み、腫れなどのアレルギー症状があらわれることがあります。また、ホエイやカゼインなどのプロテインから乳たんぱくを摂ると、お腹を下してしまうことがあります。

乳製品に含まれる乳糖という糖質を分解する酵素は「ラクターゼ」というものですが、この酵素を持ち合わせていない人は、消化できずにお腹を下してしまうのです。

以前は、古代の食文化が影響しており、日本人には多く見られるといわれていました。しかし最近の研究では小腸で分解されなくとも、大腸の乳酸菌やビフィズス菌などの「良い腸内細菌」が分解してくれることが明らかになっています。乳製品を摂ると「お腹が張る」「お腹がごろごろ、ゆるくなる」というのはその方の腸内環境による影響も大きいとわかってきたのです。

とはいえ、ラクターゼ酵素が生まれつき少ない可能性のある方もいらっしゃると思います。そういった方は、製造段階で乳糖成分をできるだけカットした、WPI(ホエイプロテイン・アイソレート)というプロテインがおすすめです。少しだけ割高にはなりますが、WPC(ホエイプロテイン・コンセントレート)に比べて、安心して摂取できるでしょう。また大豆が原料のソイプロテインを選択してもよいでしょう。

まとめ

大手通販サイトでプロテインを検索すると、実に3,000以上の製品が出てきます。その中からなんの事前情報もないまま、自分に合ったプロテインを選択するのは至難の業です。

今回の記事を読んで、自分が求めるプロテインのイメージは沸きましたか?

たとえば画面上で「粉末 ホエイ 1500円-3000円」など検索条件を絞ってみると、自身の目的に合った納得のできるプロテイン選びができるかもしれません。その際はタンパク質の含有率にも注目してみてくださいね。

参考文献

1. Cribb, P. J., Williams, A. D., Carey, M. F., & Hayes, A. (2006). The effect of whey isolate and resistance training on strength, body composition, and plasma glutamine. International journal of sport nutrition and exercise metabolism, 16(5), 494-509.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17240782/

2. Panton, L. B., Rathmacher, J. A., Baier, S., & Nissen, S. (2000). Nutritional supplementation of the leucine metabolite β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) during resistance training. Nutrition, 16(9), 734-739.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0899900700003762?via%3Dihub

3. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042643.pdf

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前田 修平 グロング専属 鍼灸師
この記事を書いた人
グロング専属 鍼灸師

GronG TEAM GEAR(チームギア)所属の鍼灸師。鍼灸師、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)保有。学生時代、自らの度重なるケガ・不調の経験から、質の高いケアができる施術家を志す。鍼灸・リハビリテーションのケア分野はもちろん、パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとしても活動。これまでの臨床現場ではアスリートから運動経験のない方まで、さまざまな症例を述べ1万5000件以上担当。

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